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図書館の殺人(青崎 有吾 著)(東京創元社 2016) 80点

2016-06-06 22:23:26 | 読書遍歴

青春快活ミステリーといったらいいのかな、楽しみにしているシリーズものである。長編では三作目。ぐっと推理が本格モノになっている。ちょっとしたエラリー・クイーン張りである。楽しくにこにこしながらページを繰る。

取り巻く環境の学内スケッチ描写も楽しくおおらかで、しかも探偵天馬の秘密の過去も語られるといったゾクゾクものであります。

でもミステリーファンからすれば、意外な犯人(というか、ほとんど印象のない犯人ですなあ)といい、何といっても動機が人工的過ぎます。あんなのではやはりだめだと思います。あのダイイングメッセージの謎は面白かったけれど、、。

ということでミステリーとしては作品自体に賛否両論あります。でももう本格物が書けなくなっている現代において、青崎のこの取り組みはやはり褒めてあげたいです。


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