Sightsong

自縄自縛日記

与世山澄子ファンにとっての「恋しくて」

2007-04-19 23:14:06 | 沖縄
新宿で『恋しくて』(中江裕司監督)を観た。

BEGINの面々を題材にした青春映画である。このような青春映画を語る語彙を私は持たない(平たく言うとこっ恥ずかしい)ので、映画そのものについての感想は、面白かったということにしておく。

しかし、なぜ、登場人物にまったく感情移入できないのだろう?『ナビィの恋』も『ホテル・ハイビスカス』も面白かったのだが、沖縄を都合のいい妄想の対象としか考えていないような気がしてならない。

そこまで言って見に行った理由は、与世山澄子さんが出演していることに尽きる。
ここでも「What a Wonderful World」を、深く、可愛い声で歌っている。
那覇にあるライブハウス兼喫茶店「インタリュード」は、その雰囲気を残しつつもう少し立派になって、石垣島にしつらえられている。演技云々より、与世山さんを映画館で見ることができたので満足なのだ。

一昨年「インタリュード」にコーヒーを飲みに行くと、これから映画の打ち合わせがあるといって隣のテーブルでセッセと台本を読んでいた。昨年お邪魔したときは、映画は他の人が評価を決めるものだから、といって照れくさそうにしていた。飾らない人柄で、もう大好きなのである。

ところで映画館のロビーに、与世山さんの顔がプリントされたTシャツが売っていた(!)。
仮に着て「インタリュード」に行っても、苦笑されるのが関の山、買わなかった。




「恋しくて」のポスターが貼ってあるインタリュード、Leica M4、Zeiss Biogon 35mm/f2.0、Provia 400X

「生活の柄」を国歌にしよう

2007-04-19 08:46:23 | ポップス

『高田渡読本』(CDジャーナルムック、音楽出版社)という本が出ていた。

高田渡のCDを聴いたりしながら、楽しく、しみじみと読んでいる。ディスコグラフィーの解説では、館野公一氏が、「生活の柄」について、こう述べている。

国歌斉唱と言われたとき、この歌を歌ったら、戦争をやろうとか、兵隊に行こうとは思わないのではないか。この歌は何かを変えられるのではないか。

通勤電車のなかで、ついククッと笑ってしまった。そうだそうだ、それがいいと思った。

96年か97年頃、新宿ピットインに板橋文夫を聴きに行ったら、大工哲弘が共演していて「生活の柄」を歌った。初めて聴いて気になったので、友達(いまの妻)に、これこれこういう歌で、と説明したら、それは「生活の柄」だと教えてくれた。詩を書いた山之口獏については、その後に知った。

山之口獏の詩に曲をつけたCD『獏』(B/C RECORDS)過去の記事参照)では、その大工哲弘と高田渡とが「生活の柄」で共演している。ハモろうという気がさらさらなさそうなのが笑える。


『ごあいさつ』(キング、1971年) 若い声の「生活の柄」が聴ける


『よろん小唄(十九の春)・ラッパ節』(B/C RECORDS、1998年) 金城恵子との共演、バックに嘉手苅林次や渋谷毅 (曲はこの2曲)