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自縄自縛日記

ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅱ 快楽の活用』

2019-10-22 10:32:35 | 思想・文学

ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅱ 快楽の活用』(新潮社、原著1984年)を読む。

第1巻では近代において性という欲望装置が内部化されることを説いた。この第2巻は、時代を遡り、古代ギリシャ・ローマ時代における性のあり方を扱っている。

あるときは開けっ広げでもある。コード化もされている。そして内部化は、近代における権力構造とは異なる形でなされていた。それは必ずしも性差や婚姻の有無と紐づけられてはいない。そうではなく、求められるものはアリストテレスの言いまわしによると「何をするか、いかにそうすべきか、いつそうすべきか」という決定や分別であり、養生であり、熟慮と慎重さであった。

すなわち権力は自己に行使されるものであり、その権力行使の物語を外部化していなければならなかったということである。

●ミシェル・フーコー
ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅰ 知への意志』(1979年)
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』(1975年)
ミシェル・フーコー『ピエール・リヴィエール』(1973年)
ミシェル・フーコー『言説の領界』(1971年)
ミシェル・フーコー『マネの絵画』(1971年講演)

ミシェル・フーコー『わたしは花火師です』(1970年代)
ミシェル・フーコー『知の考古学』(1969年)
ミシェル・フーコー『狂気の歴史』(1961年)
ミシェル・フーコー『コレクション4 権力・監禁』
重田園江『ミシェル・フーコー』
桜井哲夫『フーコー 知と権力』
ジル・ドゥルーズ『フーコー』
ルネ・アリオ『私、ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』
二コラ・フィリベール『かつて、ノルマンディーで』
ハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム』
フランソワ・キュセ『How the World Swung to the Right』


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