Sightsong

自縄自縛日記

レイモンド・マクモーリン@六本木Satin Doll

2019-02-05 07:41:26 | アヴァンギャルド・ジャズ

六本木のSatin Doll(2019/2/4)。移転前にサイラス・チェスナットなんかを観に行った記憶があるが、ここははじめてだ。

Raymond McMorrin (ts)
David Bryant (p)
Gene Jackson (ds)
Riku Takahashi 高橋りく (b)
Guest:
Nanami Haruta 治田七海 (tb)
Mayuko Katakura 片倉真由子 (p)
Winter Hawk (djembe)
Toku (tp)
unknown (vo)
unknown (p)
unknown (flh)
unknown (as)
unknown (as)

ファーストセットはオリジナルの「All of A Sudden」から。もうひとつオリジナルを挟んで、「Jammin' with Jesus」。初っ端から全員が個の音を放ち嬉しくなる。ベースの高橋りくは若干22歳、はっきりした音でのドライヴ指向に聴こえる。レイモンドはそのたびにサウンドを考えては粗削りに構築し、次第に自分のペースに持ち込むスタイル。

ここでレイモンドが1曲だけ抜け、トリオで「Lonely Woman」(オーネット曲ではない方)。デイヴィッド・ブライアントの素晴らしさ満開である。サウンドの方向性という芯が形成されてそれに沿いながら、実に幅広く、思いもよらない意外な音の粒が次々に流れ出てくる。ちょっとこの曲ではマル・ウォルドロンを思わせるところもあった。終わってからかれにアホみたいに絶賛してしまった。

そしてレイが戻り、オリジナル「For My Brother Andy」。

セカンドセットは飛び入り沢山の賑やかなステージになった。オリジナル「Punch」に続いて、トロンボーンの治田七海とピアノの片倉真由子(前日と逆!)が入って「All The Things You Are」。新鮮でもあり、また片倉さんは普段着のスタンスなのか、美意識満開ではなく愉し気に弾いた。

デイヴィッドが戻り、レイがファラオ・サンダースやコルトレーンに触発されたオリジナル「Spiritual Journey」では、ジャンベのウィンター・ホークが入った。やはりというべきかノリノリでレイも「なにこれ」と爆笑。さらにジャンベがいることで、ジーン・ジャクソンのドラムスの迫力がさらに増すという発見もあった。

次に、フランス語を話すピアニストと歌手、さらにアルトが入り、「枯葉」。そしてまたデイヴィッドが戻り、トランペットのTOKU、治田七海、フリューゲルホーン、もうひとりの日本人のアルトが入って、大勢での「Billy's Bounce」。愉しい~。

最後はカルテットに戻って、デイヴィッドの「Higher Intelligence」。もうさすがである。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●レイモンド・マクモーリン
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
レイモンド・マクモーリン+山崎比呂志@なってるハウス(2017年)
山崎比呂志 4 Spirits@新宿ピットイン(2017年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
レイモンド・マクモーリン@h.s.trash(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)

●デイヴィッド・ブライアント
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
マリア・グランド『Magdalena』(2018年)
ルイ・ヘイズ@Cotton Club(2017年)
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
マリア・グランド『Tetrawind』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)

●ジーン・ジャクソン
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
ジーン・ジャクソン(Trio NuYorx)『Power of Love』(JazzTokyo)(2017年)
オンドジェイ・ストベラチェク『Sketches』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
及部恭子+クリス・スピード@Body & Soul(2015年)
松本茜『Memories of You』(2015年)
デイヴ・ホランド『Dream of the Elders』(1995年)

●片倉真由子
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
北川潔『Turning Point』(2017年)

●TOKU
レイラ・ハサウェイ@ブルーノート東京(2018年)


ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU

2019-02-05 00:41:23 | アヴァンギャルド・ジャズ

御茶ノ水のNARU(2019/2/3)。

Gene Jackson (ds)
Mayuko Katakura 片倉真由子 (p)
Pat Glynn (b)
Guest:
David Bryant (p)

NARUでのジーン・ジャクソン2デイズの2日目。前日はピアノがデイヴィッド・ブライアントで、ゲストが沢山参加して大変な賑わいだったらしい。わたしは米国から帰国したばかりで出かける元気がなく酒を飲んでいた。

この日のピアノは片倉真由子。誰かがこの人のことをモンスターと呼んでいたが、その通りである。美学的なオリジナリティが半端なく高く、しかもそれを職人的にこなしている。

ファーストセットは、ハービー・ハンコックのアレンジによる「I Love You」から。ジーンがハービーのトリオに在籍していた時代の貴重な録音『Live in New York』(ブート)において冒頭で演奏し、またそのこともあって、ジーンの初リーダー作『Power of Love』でもやはり最初に演奏した曲である。そしてここでも片倉さんは特有の和音を響かせた。

続いて、『Power of Love』にも収録されたジーンのオリジナル「Great River」、モンクの「Ugly Beauty」。オリジナル「Lightning」では片倉さんはジーンの方を視ながら執拗に同じパターンを繰り返す。動悸動悸する。

セカンドセットは、『Power of Love』でピアノを弾いたガブリエル・ゲレーロの「Land of the Free」から始まり、片倉さんのピアノは「The Man I Love」のようでも「Rhapsody in Blue」のようでもあるきらびやかな展開をみせた。そして「A Dancer’s Melancholy」(片倉)、「Body and Soul」。ここで遊びにきていたデイヴィッド・ブライアントがシットインし、かれのオリジナル「Higher Intelligence」。浮上してきた美的なものを音に変換する片倉さんのピアノに比べ、デイヴィッドのそれには別の芯が入っている。もちろんどちらも最高のピアニストである。(年末におでんを食べて以来で、嬉しかった。)

サードセットは「Lapso」(ゲレーロ)、ジーンの「Before Then」。ここで再びデイヴィッドが入り「Sophisticated Lady」。遊び心というにはその領域が広すぎる。そして再び片倉さんに替わり、なんと「Inception」。マッコイ・タイナーのモードがこのような独自世界に融合されるのかと驚いた。

それにしても、素晴らしいピアニストふたりを同じギグで観るなんて。

●ジーン・ジャクソン
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
ジーン・ジャクソン(Trio NuYorx)『Power of Love』(JazzTokyo)(2017年)
オンドジェイ・ストベラチェク『Sketches』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
及部恭子+クリス・スピード@Body & Soul(2015年)
松本茜『Memories of You』(2015年)
デイヴ・ホランド『Dream of the Elders』(1995年)

●片倉真由子
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
北川潔『Turning Point』(2017年)

●デイヴィッド・ブライアント
マリア・グランド『Magdalena』(2018年)
ルイ・ヘイズ@Cotton Club(2017年)
エイブラハム・バートン・カルテットとアフターアワーズ・ジャムセッション@Smalls(2017年)
ルイ・ヘイズ『Serenade for Horace』(-2017年)
マリア・グランド『Tetrawind』(2016年)
レイモンド・マクモーリン@Body & Soul(JazzTokyo)(2016年)
ルイ・ヘイズ@COTTON CLUB(2015年)
レイモンド・マクモーリン『RayMack』、ジョシュ・エヴァンス『Portrait』(2011、12年)