武下和平『奄美しまうたの神髄』(JVC、1994年)を聴く。
武下和平(唄、三味線)
早田信子(はやし)
長岡浩之(太鼓)
奄美の島唄は琉球から伝わったというが、大きく異なる形で独自の進化をしている。三味線はバチを使い、琉球よりも激しく上と下から叩く。コードも琉球音階ではないため、琉球の島唄のような奇妙な明るさと哀しさではなく、後者の色合いが強いように感じる。そして男でも裏声を多用する。
突如現れた天才と評される武下和平の高い裏声には、耳が吸い付くようになって聴き惚れる。わたしは中江裕司『恋しくて』に出演した氏の姿しか観たことがないのだが、ナマで聴くことができればどんなに素晴らしいだろう。尼崎在住だという。
ところで、奄美出身の唄者・里国隆も、亡くなる直前のコンサートを尼崎で開いていた(>> 1985年の里国隆の映像)。このふたりの接点はどのようなものだったのだろう。
●参照
1985年の里国隆の映像
里国隆のドキュメンタリー『白い大道』
元ちとせ『故郷・美ら・思い』(1996年度奄美民謡大賞の受賞記念)