四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その137)

2024年06月19日 05時44分02秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その137) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「紫陽花 白色」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・22真木柱(まきばしら)
  歌の背景
  光源氏三十七歳。玉鬘に夢中になるあまり妻や子供のことを顧みない
  髭黒の大将に対し、北の方の父上に当たる式部卿の宮は、髭黒の大将の
  北の方と子どもたちを屋敷へ迎える。髭黒の大将の姫君(真木柱)は、
  父君が来られることを待ち望み、悲しい気持ちを詠む。
〇今はとて宿かれぬとも馴れ来つる 真木の柱は われを忘るな  姫君(真木柱)
〇馴れきとは思ひ出づとも何により 立ちとまるべき 真木の柱ぞ (北方)
(返歌)
☆親しんだ 真木柱こそ ひび割れて 隙間に残す 悲しみの歌
☆北の方 思い出しても 口惜しく 涙を流し 別れ惜しむも
註)紫式部集・22
〇かきくもり 夕立つ波の あらければ 浮きたる舟ぞ しづ心なき  
(返歌)
☆空曇り 稲妻ひかる 荒れる波 心許ない 浮いてる舟の
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「真木柱」は源氏物語の中でも「大どんでんかえし」に当たる一つと
 言われています。予定調和に終わらない、作者・紫式部のストーリー
 テイラーの面目躍如と言った巻でもあります。玉鬘がお妃候補に
 なりながら、髭黒大将に射止められる経緯は、この時代のゆるい結婚観を
 も如実に表していると言えます。今の世では考えられませんが…。

 一首目、姫君(真木柱)は、「今はもうこれまでと邸を離れておじい様
 の許へ参ります。でも幼い時から馴染んできた真木の柱は、
いつまでも
 私の物よ。だからどうか、私を忘れないでね」と詠い、

 二首目、北の方は「今まで馴れ親しんできた事を真木の柱が忘れない
 としても、もはや私たちがこの邸に立ち止る理由はないのですよ」と
 諭すように詠っています。
 作者の返歌は、いずれも姫君と北の方の想いに寄り添い、悲しみ、
 口惜しさを肯定して詠っていて、読者の共感を誘うものと考えます。
 二首目の返歌を、柱のひび割れは北の方の怒りが象徴的に刻まれたもの、
 との物語にして詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★口惜しさと哀しみ見つめ真木柱 北の方ゆえ刻む怒りも

【詞書】夏の季語である「虹」で三首詠みました。
☆夕虹を追ひてアクセル踏む君と うねる湾岸線の夕暮れ
☆虹の輪の半円を海呑み込むや 君と見つめし遥かなる虹
☆夕虹を 亡き友垣と追ひかけし あの初夏の下校道いまも
                         みっちっちさん
【解説】
 虹にまつわる三首を、詩情豊かに詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は、壮大な自然の情景と、叙情的な情感が鮮やかに
 浮かび上がる一首となっています。海と虹という対照的なイメージが
 織りなす幻想的な世界観は、私達の想像力を刺激し、深い余韻を
 残す歌となっていると感じます。なお、海と虹を組み合わせることで、
 奥行きのある世界観を創造しています。
 また、具体的な描写と比喩表現によって、五感を刺激し、情景を
 鮮明に浮かび上がらせる表現力は秀逸です。
 さらに、「君」への想い深さと永遠性への願いも感じられます。

【詞書】私事で、皆様にご心配おかけして誠に申し訳御座いません。
  妻につきましては、少々認知症もあり目がはなせないのが現状です。
  1日のみ介護を息子に任せて孫と生駒山上遊園地に行ったことを
  出詠させて頂きたいと思います。
☆小雨中 孫と山上遊園地 遊び疲れでパパママ抱っこ
【詞書】介護をしながら詠ませていただきます。
☆若き日の君と夢にて会えたなら 私に笑みを返しけるかも
                         西BOOさん
【解説】
 介護で諸々お忙しい中「水曜サロン」へ出詠頂きありがとう
 ございます。
 一首目の歌、介護の合間にお孫さんと生駒山上遊園地に行かれた
 とのこと。お孫さんがおじい様と目いっぱい楽しく遊び、その疲れ
 から、パパとママに抱っこをせがむ。そんな笑顔にあふれた情景が
 目に浮かび、幸せそのものの様子が歌に溢れています。そんな日々が
 人生の後半に用意されている作者の幸せをしみじみと感じます。
 二首目の歌、現実には中々叶えられぬ望も、夢であればと思わせる
 素敵な詠歌です。「笑みを返し」に留めるところが粋ですね。
 介護に専念されつつも、作者も十分ご自愛の程をお祈り致します。

【詞書】娘宅のリフォームの為、大きな音は子犬にはストレスが
  大きいからと我が家で4泊を過ごしました。トイプードルの11才、
  名前はテトです。
☆吠えもせず粗相もせずに4泊を 我が家で過ごせしシニアのテトよ
☆手枕のテトの体温暖かく ともに眠りてともに夢見む
☆クッションにテトの匂いの残りいて カバー洗うも切なくなりぬ
                         夕庵さん
【解説】
 トイプードルの11才と言えば、人間でいえば喜重を迎える世代となり
 ますが、画像で拝見する限り元気なご様子でよろしいですね。

 私達も子供たちが旅行等で長期に家を空ける際、そこに二人で住み込み
 トイプードルのワンちゃんたちの世話に出向くことが
結構あり、そこから
 勤務先に向かったこともありました。例え
短い期間でも一緒に暮らすと
 愛情も湧き、離れがたい想いに
なりますね。
 三首目の歌の、「カバー洗うも切なくなりぬ」の想いは十分に表現され、
 その切なさがしみじみと伝わる説得力の
ある歌と感じます。
 一首目、二首目の歌で作者と愛犬テトちゃんとの関係性が十分伝わって
 来ます。「ともに夢見む」の表現に、愛情の深さが滲み
味わいのある歌と
 思います。

     「白色から紅色へ変化する ガクアジサイ」

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 プロムナード1
☆始まりはいつも期待を込めつつ
    一歩一歩Andanteのリズムで
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 子どもの頃、オーディオコンポーネントのステレオを買ってもらい、
 初めてLPのクラシックをいくつか買った時、展覧会の絵が聴きたかった
 ので、このレコードを買いました。冨田勲も、シンセサイザーも知らずに。
 買った後から、これはクラシックではなく、新たな音楽の始まりの曲だと
 思いました。
 当時のモジュラー式のモーグ・シンセサイザーは、電圧を変える事で、
 音を作り出していたそうです。人の声や風の音のように聞こえるが、
 空気を振動させた音を録音するのではなく、音そのものを創造していた。
 輸入した時、説明書も無く、一から音を出していたとあります。
 Andante(アンダンテ)は、音楽速度記号で、歩く速さで(♩=72前後)と
 言う事だそうです。
 下記URLに組曲を貼付しております。とりあえず最初のプロムナード1を。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/0141bcb0eee44ba06e3e4cc2ddae496d
                        自閑さん
【解説】
 ご紹介頂いたYouTubeで『展覧会の絵』を視聴させて頂きました。
 短歌説明にも記されていますように「新たな音楽の始まりの曲」との
 作者同様の印象を持ちました。この曲の作曲者、冨田勲氏は近年バーチャル・
 アイドル「初音ミク」との「イーハトーヴ交響曲」でも知られる日本が世界に
 誇る作曲家の一人ですね。

 シンセサイザーを駆使して、音楽を再構築する。その独創性は、どの芸術にも
 言えるかも知れませんが、彼によって新たな命が吹き込まれた
と言っても
 過言ではありません。

 上の句で詠われているように「期待を込めつつ」曲と、それが創り出す世界を
 私達も楽しんで参りたいと思います。短歌を用いて冨田勲氏の世界を
表現
 しようとされた作者の「挑戦」の意欲と、その成果を讃えたいと思います。

【詞書】ついさっき知ったほやほやの情報です。今秋開館する「任天堂
  ミュージアム」は宇治市の小倉(小倉)。その関係かもですが、2種類の

  絵柄のマンホール蓋が宇治市の又振と菟道丸山に設置されるそうです。
  設置されたら見に行こっ!!(うさぎポケモンやまっちゃポケモン…
  どれも知らないポケモンですが…)
☆ミュージアム 強力サポートポケモンの
       マンホールのふた 宇治にも爆誕!
【詞書】現行の700系をベースにした「新幹線のお医者さん」ドクター
  イエローが13日、老朽化を理由に来年1月以降に引退させると発表
  されました。(JR東海は来年1月、西日本は’27年に)私自身は見た
  ことないですが、テレビなどで、見られた人達の嬉しそうな顔を
  見たら、“見ると幸せになる”んだなー、と思ってました。
  残念ですねー。点検用の装置を積むというN700Sは黄色に塗装しない
  のかなあ…。
☆お疲れ様でしたドクターイエローよ
           幸せ運んだ点検車輌よ
【詞書】突然の報道を聞いて驚きました。6月12日に落語家の桂ざこば
  さんが喘息のため76歳で亡くなられました。
  宇治文化センターで開催される「米朝一門会」でもよくお名前を
  お見かけしました。西成の御自分のお住まいのそばに“道楽亭”
  という寄席を作って、若手の育成などの活動も熱心だったようです。
  大阪天満宮そばの“繁盛亭”の設立にも動かれたとのことで、
  ほんとに落語を愛し、上方落語の将来を考えてらした方だったと
  思います。印象深いのは「ウィークエンダー」(’80年代かそこら)で
  の唾を飛ばして喋るような熱っぽい語り口ですが…。「らくごのご」。
  鶴瓶さんより“ちゃんと落語になってる”感がありました。
  (どちらも面白かったですが)「そこまで言って委員会」…無茶苦茶な
  言い方のようではあっても庶民目線で熱弁を振るう姿を見るのが
  楽しかったです。…お疲れ様でした。あちらで米朝師匠や枝雀さんと
  豪華な落語会開催して下さい…。(去年11月の宇治の「米朝一門会」は
  メンバーが良いし行きたいなあーと思ったんです…)
☆スマートや粋だと言い難いけれど
         人情厚きざこばさん逝く
【コメント】ちがやねこさんご自身のコメントです。
 *前回には夏椿の歌を有難うございました。夏椿は冬の“椿”達より
  儚さを感じますね。…ここ2日、母の体調があまり良くなくて寝不足
  です…。気候もややこしいですし、ポエットMさんも皆さん方も、
  どうかおつつがなきよう…。
                        ちがやねこさん

【解説】
 今回は、「ポケモンマンホールのふた」「ドクターイエロー」さらに、
 「ざこばさん」について、最新の情報を踏まえ、さらに作者の熱い想いを
 交えて印象深く詠んで頂きました。
 二首目の歌、見る人を幸せにすると言われた「ドクターイエロー」の
 点検用新幹線。中々眺めるチャンスに恵まれない方が大半でしたが、
 このように縁の下の力持ちとして活躍してきた車両に脚光が当たることは
 良いことと思います。作者の歌に表現されたことによって、この存在は
 千年後まで語り継がれることになると考えます。
 三首目の歌、「人情厚きざこばさん逝く」に作者の想いが、凝縮し表現
 されていると感じます。まさに「スマートや粋だと言い難いけれど」は
 「落語家の桂ざこばさん」への最高の賛辞でもあります。
 徹頭徹尾「庶民目線」を貫き、ぶれなかったざこばさんは、上方落語の
 北斗星とも言える存在であったと考えます。改めてご冥福をお祈り
 申し上げます。また、作者もご自愛の程をお祈り致します。

☆葉山路の棚田に蛙(かわず)の声ひびき 水張田澄める信濃路思う
                         ポエット・M
【解説】
 新緑に染まる葉山路の一角に「にほんの里100選」にも選出されている
 結構な規模の棚田があります。ちょうど代搔きと言われる整地も済み、
 棚田に水が張られそれぞれに、梅雨に間のある青空が映っていました。
 その時蛙の声が響き
何匹かが、それに和していました。
 蛙の合唱ほどではありませんが、故郷信濃路の澄んだ水張田(みはりた)
 に響く蛙の声を思い出してしまいました。景観もさることながら、聴覚に
 刻まれた記憶の確かさを改めて感じてしまいました。そんな想いを
私なりに
 感じて詠んでみました。


     「咲き初める がく紫陽花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(44)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
25.「短歌の章」 寺家の白心庵(2)

   寺家(じけ)の村白心庵に黙深く
           濃茶いただく ひぐらしの中
            
   ひと日ひと日の行くこと早しと嘆けども
             今日はねもころに一碗いただく

   沙羅の花あした開きて夕べには
           白々と散り地を覆ひたり
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。

 チョウキチさんからのコメントです。
  光源氏の歌は、「この篝火とともに立ちのぼる恋の煙こそは、
 いくつになっても燃え尽きることのない私の恋の炎だったのです」。
 玉鬘の歌は、
 「そんな煙のような恋ならば、空にあとかたもなく消し去って
 くださいませ」。
 幾つになっても成長しない光さんより、玉鬘の方が1枚も2枚も
 上手ですね。状況を理解しつつ見事な詠歌に私も感心です。

 ポエット・Mの返答
  光源氏と玉鬘との歌のやり取りは、二人の人柄と思惑が交錯し、
 読み応えのある物語になっていると考えます。
 玉鬘はかつて光源氏が思いを寄せた夕顔の娘でしたが、その娘を
 光源氏は養女とし、その娘に隙あらばセクハラまがいの行為を
 繰り返していました。その背景を踏まえてこれらの歌を味わうと
 別の想いも湧きますね。
 おっしゃる様に「玉鬘の方が1枚も2枚も上手」と感じますし、
 女性は幼くても男心をくすぐる術を身につけていると思わされます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その137)ネット歌会

2024年06月19日 05時22分09秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その137)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

     「ガクアジサイ 白色」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆小雨中 孫と山上遊園地 遊び疲れでパパママ抱っこ
                         西BOOさん
★リュック背に左に2歳児右ベビーカー エスカレーター駆けるママ逞しき
                         夕庵さん

☆若き日の君と夢にて会えたなら 私に笑みを返しけるかも
                         西BOOさん
★秘かにもきみ思(も)うこころ隠せない たとえ夢でも逢いたきものよ
                         夕庵さん

☆クッションにテトの匂いの残りいてカバー洗うも切なくなりぬ
                         夕庵さん
★ひとり寝の夜には君の香を抱き 枕濡らすも若かりし恋
                         みっちっちさん
★尼僧なる寂聴氏は煩悩の 火を消さぬまま 99才を逝く
                         夕庵さん
★夫(つま)も子も捨て男へと 奔放の 恋と文学に生きし寂聴
                         みっちっちさん
★自己主張と巧みな話術の寂聴に 天台宗の教えは如何に
                         夕庵さん

☆夕虹を 亡き友垣と追ひかけし あの初夏の下校道いまも
                         みっちっちさん
★吉報は虹の架け橋渡り来る 明日退院と友のよろこび
                         夕庵さん


      「夾竹桃 薄紅」

☆夕虹を追ひてアクセル踏む君と うねる湾岸線の夕暮れ
                         みっちっちさん
★驟雨やみ 山里遠く虹の立つ 腰を伸ばして仰ぐ農夫ら
                         夕庵さん
★大滝に打たるる漢は飛沫なか 小さき虹の光が肩に
                         みっちっちさん
★山深く滝行すれば岩肌に 菩薩の姿現るらしき
                         夕庵さん
★一の谷の合戦の朝 義経が武運祈りし木津磨崖仏
                         みっちっちさん
★川の面に姿映しぬ磨崖仏 和束の里は茶摘みに忙し
                         夕庵さん
★落日に手足欠けたる磨崖仏 麦秋の風そよと吹きゆく
                         みっちっちさん
★麦秋の風に桑の葉さわさわと「女工哀史」が頭をよぎる
                         夕庵さん
★たそがれの野麦峠に息絶へし 女工の碑より はるか飛騨見ゆ
                         みっちっちさん
★飛騨牛の寿司頬張りながらそぞろゆく 遠き旅路の猿ぼぼが好き 
                         夕庵さん
★災ひが去るとさるぼぼ ほのぼのと 見てゐるだけで幸せ呼べり
                         みっちっちさん
★飛騨高山(たかやま)の店に猿ぼぼ吊されて赤いお顔の小さきを買いぬ
                         夕庵さん

☆麦秋の野べに響ける草笛に 藤村の詩(うた)の悲しみに触れ
                         ポエット・M
【詞書】旅の思い出からの1首です。
★信州の城跡に聞く草笛に いにしえ忍ぶ音遙かなり
                         夕庵さん
【詞書】島崎藤村の詩「歌かなし佐久の草笛…」に寄せて。
★小諸なる城跡(じょうし)にひびく草笛に かの哀しみの人は遥かに
                         ポエット・M
★遙か聞くあの草笛をわれの手に 乗せて旅立ちし人を忘れず
                         夕庵さん
★草笛は茶の葉がよろし 雲水の奏でし曲は藤村の詩(うた)
                         ポエット・M
★茶摘みする赤いタスキの乙女らに 習いて異国の人の姿も
                         夕庵さん
★外国の人らも担う茶摘みの場 八十八夜も様変わりして
                         ポエット・M
★丹精の新茶を注ぎくるる男(ひと)一滴も残さず真白な茶器に
                         夕庵さん
★寂として白磁の碗に注ぐとき 茶の香幽かに部屋に満ちゆく
                         ポエット・M
★新茶(ちゃ)を供う九谷の器の彩増して 6月の風庭より来たる
                         夕庵さん
★古九谷の茶器の彩どり豪胆に 百合に並ぶも際立ちている
                         ポエット・M
★ほの暗き小笹のなかに見つけたり 気高く揺れる笹百合一本
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「アジサイ うす紅」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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