四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

紫陽花の詩

2024年06月02日 12時37分43秒 | 四季の花

   ゆるぎなく未来をみつめ
  しゃんと笑顔さえみせる
  しんの強い乙女のようで
  その花が好きだ
  小さな小さな花が
  たくさん肩をよせあい
  一生懸命咲くから・・・
     比留川美津子詩集「紫陽花」より

 遠い青春の日、紫陽花に寄せた友の詩を東京九段会館の
朗読会で聴いた記憶が蘇ります。
自らの誕生のドラマを、その父の戦死の報の中で演じなければ
ならなかった友。
私達の上の世代の、少なからぬ人々を襲ったであろう悲惨な
ドラマの一つでもありましたが・・・。「戦争さえなかったら」の
母の言葉を子守唄のように聞きながら育った友の、紫陽花に
寄せた思いを改めて思い返しています。

ガザで、さらにウクライナで依然として続く戦闘と惨状の中で、
死と隣り合わせの日々を強いられる人々。その存在を私たちは
決して忘れてはならないと思っています。そして、一日も早い
戦禍の終決に向けて「小さな声」でも上げ続けること。この
大切さを心に刻んでいきたいと思います。

 雨に打たれて萎れていく春の花々の中で、その雨をまとい
冴え冴えと咲く紫陽花。それは梅雨に閉ざされた人々の心に射す
一筋の光明にも似た輝きを放っています。

この「紫陽花の詩」は、かつて、このブログでも少し触れさせて
頂きましたが、この季節になると必ず思い出されます。
その紫陽花が、そこかしこに咲き初めていますが、そなん花の
幾つかをデジイチ・スケッチさせて頂きましたので掲載致します。

コメント (1)
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