ゆるぎなく未来をみつめ
しゃんと笑顔さえみせる
しんの強い乙女のようで
その花が好きだ
小さな小さな花が
たくさん肩をよせあい
一生懸命咲くから・・・
比留川美津子詩集「紫陽花」より
遠い青春の日、紫陽花に寄せた友の詩を東京九段会館の
朗読会で聴いた記憶が蘇ります。
自らの誕生のドラマを、その父の戦死の報の中で演じなければ
ならなかった友。
私達の上の世代の、少なからぬ人々を襲ったであろう悲惨な
ドラマの一つでもありましたが・・・。「戦争さえなかったら」の
母の言葉を子守唄のように聞きながら育った友の、紫陽花に
寄せた思いを改めて思い返しています。
ガザで、さらにウクライナで依然として続く戦闘と惨状の中で、
死と隣り合わせの日々を強いられる人々。その存在を私たちは
決して忘れてはならないと思っています。そして、一日も早い
戦禍の終決に向けて「小さな声」でも上げ続けること。この
大切さを心に刻んでいきたいと思います。
雨に打たれて萎れていく春の花々の中で、その雨をまとい
冴え冴えと咲く紫陽花。それは梅雨に閉ざされた人々の心に射す
一筋の光明にも似た輝きを放っています。
この「紫陽花の詩」は、かつて、このブログでも少し触れさせて
頂きましたが、この季節になると必ず思い出されます。
その紫陽花が、そこかしこに咲き初めていますが、そなん花の
幾つかをデジイチ・スケッチさせて頂きましたので掲載致します。