四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)

2024年05月15日 06時49分30秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 プリンセスアイコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語
  の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・
  地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から2首、
  紫式部集より1首の計3首提出しますのでご指導よろしくお願いします。
註)源氏物語巻名歌・17蛍(ほたる)
  歌の背景
  光源氏三十六歳。光源氏の態度に思い乱れている玉鬘には、前から文を
  通わせてきている方が何人かいる。その一人の兵部卿宮が尋ねてきた時に、
  源氏は部屋に蛍を放ち、そのわずかな光のもと、玉鬘の気配を感じる
  兵部卿宮は思いを詠む。
〇鳴く声も 聞こえぬ虫の 思ひだに 人の消つには 消ゆるものかは 兵部卿宮
〇声はせで 身をのみ焦がす 蛍こそ 言ふよりまさる 思ひなるらめ 玉鬘
(返歌)
☆闇の中 浮かび上がる 玉鬘 美しさこそ 虜になるも
☆玉鬘 切り返す気持ち 冷たくて 心中の思い はるか切実
註)紫式部集・17
〇難波潟(なにわがた)むれたる鳥のもろともに 立ち居るものと思はましかば
(返歌)
☆難波潟 見渡す景色 雄大で 鶴の編隊 淡路の島に
                         浅間山明鏡止水さん 
【解説】
 一首目、兵部卿宮の歌は、
 「鳴く声も聞こえぬ虫、その虫の灯す火、そのわずかなはかない思いすら、
 人が消すのに任せて儚く消えるものだろうか、そんなはずはない。あなたの
 ことをこんなに思っております私の心をお察しなすって下さいますか」と、
 詠っていますね。それに対して、玉鬘は
 「声を立てることもない、そのかわり身ばかりを炎として燃え
  立たせて焦がす虫こそ、言葉で言うよりはまさっている思いの
  ほどでございましょうよ」
 と、返歌しています。
 したがって、作者の詠まれた二首の返歌は、それぞれの想いを俯瞰し、
 受止めた適切な歌と感じます。
 二首目の玉鬘への返歌を、少し変化球を交えて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★身を焦がし闇を照らせるほうたるは 君へ一途な魂(たま)を秘めもつ
 三首目の、紫式部集の歌は、「難波潟に群れている鳥たちのように、いつも
 一緒にすごせるものだと思えればよかったのに」と意訳できます。
 仲良く遊ぶ鳥たちの群れを見て、仲良しの友と離れてうらやましくなって
 詠んだ歌と解釈できます。作者の返歌は友への想いから離れて、難波潟を
 行く鶴の編隊の雄大の景色を読んでいます。このような返歌もまたありと
 考えます。

【詞書】春の京都を詠ませて頂きました。
☆斎王代 葵祭の御禊(みそぎ)の儀 五年ぶりに下鴨神社で
【詞書】国旗について詠ませて頂きました。
☆亡き父が購入しつつも掲げない 国旗を我もじっと眺むる
【詞書】自分のゴールデンウィークを詠ませて頂きました。
☆連休はウィキペディ編集ばかりにて 総編集が1100迫る
よろしくお願い致します。
                         西BOOさん
【解説】
 今回は、「御禊の儀」「国旗」「ウィキペディ編集」についてそれぞれ、
 季節感を織り込み味わい深く詠って頂きました。
 一首目、京都三大祭りの一つ「葵祭」の開かれるのを前に、ヒロインの
 斎王代が身を清める「御禊の儀」が、京都市左京区の下鴨神社で行われ
 ました。コロナ禍を経て待ちに待った多くの方の想いが「五年ぶりに」の
 句に凝縮し表現されています。なお、上賀茂神社と下鴨神社の例祭で、
 御禊の儀は1年交代で催されていますね。
 二首目は、祭日が続く今年のゴールデンウィークに、御父上が購入された
 国旗を揚げないで眺める作者の想いが、淡々と表現されています。最近は
 祭日にも国旗を掲揚しない家庭が大半ですが、それぞれの方の想いもあり、
 世の趨勢との感もあります。
 三首目は、前週に続いての「ウィキペディ編集」ですが作者のような方の
 ご尽力により「ウィキペディ」の正確性が保たれていると改めて感謝
 したいと思います。生成AIと言えども、これらの正確なデータの積み
 重ねがない限り、その正確性は担保されないと考えます。
 1,100件に迫る編集には、その使命感も含めて頭が下がります。


     「薔薇 桜かすみ」

【詞書】爽やかな立夏、新緑の季節になりました。三首を出詠いたします。
☆新緑のなか幼子の手の平に 生命線のまつすぐに伸ぶ
☆ルビー色なるラディッシュを ぱりぱりと噛む音さやか夏立つ朝(あした)
☆新緑の蕎麦処あり 大盛りの蕎麦を啜りて夏めく小風
                         みっちっちさん
【解説】
 正に新緑の季節にふさわしい爽やかな歌三首。味わいながら楽しく鑑賞
 させて頂きました。
 一首目の歌は、自然の中での新しい生命の始まりと成長を美しく表現
 しています。「新緑のなか」は、春の息吹と新しい命の象徴ですし
 「生命線のまっすぐに伸ぶ」は、その子の未来が明るく、運命的にも
 恵まれた道を歩んで行けることを暗示する表現となっています。
 また、この歌は、命の奇跡と、それが持つ無限の可能性を称賛し、
 簡潔ながらも希望に繋がるイメージを呼び起こす力を持っています。
 二首目の「ぱりぱりと噛む」の表現が新鮮で、「夏立つ朝」と響き
 あいハーモニーをなしています。

【詞書】原因のわからない舌先の痛みに受診したときのことです。
  何事もなかったことへの安心から、少し自虐的に詠んでみました。
☆ピリピリと痛む舌先これからは 世辞は言うまい嘘もつくまい
☆若き女医 舌をつかんで裏返し 「心配無用と」素っ気なきこと
☆いつも聞く「加齢ですね」という医師の意外に短い指を見ており
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌は、直截な感覚と率直な感情が印象的に詠まれています。
 舌先がピリピリと痛むという具体的な感覚は、言葉による痛みや後悔
 をも暗示しているかのようです。「世辞は言うまい嘘もつくまい」と
 いう決意は、誠実さと正直さの大切さを改めて強調されています。
 また、この歌は、言葉の力とそれに伴う責任を深く理解されている
 作者ならではのものと感じられます。
 三首目の歌は、私達世代が体調の不調を医師に訴えた際に、少なからず
 直面する違和感のある場面を鋭く切り取っています。「短い指を」の
 句に冴えた観察眼も滲み、アイロニーも込めて詠った優れた詠歌と
 感じます。

【詞書】YouTube短歌:絶滅の道
☆ワタシハドウシタラ生キノコレマスカ?
  答の無い問を
               くりかえしくりかえし
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ふと、パリは燃えているかを聴き直して、我々人類は、アノマロカリス
 (古生代)、三葉虫(古生代)、アンモナイト(古生代中生代)の様に、
 大繁栄の後、絶滅に向かっているのでは?と思いました。
 どうしたら?と言っても、人の欲望の先にある結論しか無いだろうと。
 パリは燃えているかの、連作になってしまいましたが。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6312092d7258535fe3be7dd2c47e3018
                         自閑さん
【解説】
 決然とした力強い曲調の底に深い悲しみさえ感じる曲「パリは燃えているか」。
 その曲が静かに問いかけてくる、「愚かだけれども素晴らしい」という、
 人類のもつ二面性を端的に表現した作曲者の加古隆の想いに対して、自らの
 生きる意味や目的を重ねた、作者の深い思索の跡がこの歌には表現されて
 います。
 繰り返される「答の無い問い」は、人生の不確かさや永遠の探求を象徴
 しており、私達にも「欲望の抑制」を含めた自己反省を促す力を持って
 いると考えます。
 なお、「生キノコレマスカ?」という表現は、自然の一部としての人間の
 存在や、生命のサイクルに対する希望的な問いかけとも取れます。
 全体として、この歌は哲学的な問いをもちながらも、その繊細な想いも
 伝わってくる優れた自由律の詠歌です。
 また、作者に「パリは燃えているか」の曲をここまで深く味わい詠って
 頂き、作曲者 加古隆は感動するものと感じます。


     「ジャーマンアイリス」

【詞書】5/10に「太陽フレア」の大発生で人工衛星やGPSに影響が出るとか
  いう話で…。緯度の低い地域でも見られていました。真っ赤なオーロラの
  空は昔は「赤気」と呼ばれて恐れられたそうです。奈良とか飛鳥時代あたり
  に見た人達はさぞ「凶兆だ!」とか思った事でしょうね。日本各地のSNSや
  海外の映像でまず見られない地域に住む人も見られるのは有難いです。
☆オーロラを昔の人は恐れてた
      現在(いま)人々は喜びて見ゆ
【詞書】いや…、大丈夫とは思うんですが…。
  今回の各地の低緯度オーロラは、ISSからはどう見えたかな~?って思い
  ました。たまに、ISSから見える地球の映像や画像を見ますが、前に
  オーロラの映像を見たので、今回どうやったんやろうな…。いっぺん
  調べたけど映像とか無かったんですよね。そろそろ上がってない
  かなあ…。もっぺん見てみます…。
☆ISS空横切るを見送りて
    “フレア”の影響小さきを祈る
【詞書】5月12日の東京第2レース、ウェットシーズン(“梅雨”?!)に
  騎乗の武豊騎手はJRA通算4500勝に到達しました。👏20名ぐらいの
  騎手仲間の祝福を受け、インタビューでこの現役レジェンドは、
  「次の一勝が目標です」と語ったそうです。幾度かの大怪我も乗り
  越えて30数年のキャリアを数えて前人未到の記録を実現した
  武豊騎手に惜しみない拍手を贈りたいです!5000勝とかいう話も
  出てますが、まずはお元気でいい騎乗をしてください。と思います。
  (武さんは12日の東京メイン11RのG1ヴィクトリアマイルは、先日
  亡くなった藤岡康太騎手が去年G1マイルチャンピオンシップで
  勝ったナミュールという馬に騎乗しましたが、残念ながら8着に
  終わりました。ただ、1着の馬が15頭中14番人気だったので三連単は
  90万超え、五つのレースの1着馬を当てるWIN5は4億4千万超でした。
  …でも史上4位の額とか…ひええ!)
☆武騎手は4500の勝ち星を
     重ねて次の一勝に挑む
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も「太陽フレア」「ISS」「武豊騎手」と、今日的なホットな
 テーマを詠んで頂き、興味深く鑑賞させて頂きました。
 一首目、約11年周期の爆発「太陽フレア」は、磁気を帯びた風が地球に
 届き、磁場が乱れたことによる現象ですが、GPSや無線、電力など様々な
 分野への影響が心配されていますね。この現象が解明されていなかった
 飛鳥時代等は、詠われているようにオーロラさえ「凶兆だ!」と恐れ
 られたことと思います。これらを比較し、経緯を上手くまとめた、
 共感の得られる良い歌と思います。
 二首目、太陽フレアがISSやその乗員、さらには地上の通信システムに
 影響を及ぼさないようにとの祈る歌になっていますね。太陽フレアが
 起こった時などには、大量の太陽放射線が放出されますので、宇宙船内
 の船壁の厚い場所に待避する等の処置が取れるようになっているようです。
 いずれにしても、太陽フレアは宇宙飛行士の健康管理上の大きな課題の
 一つになりますので、これを凌ぎつつ、ミッションを果たされるよう
 祈りたいものですね。
 三首目の歌、武豊騎手はJRA通算4500勝に到達し、さらに「次の一勝が
 目標です」と言い切る心意気が凄いですね。レジェンドのその凄さを
 詠いきった作者の心意気も讃えたいと思います。

☆白藤は 風さそうかに揺れいるも かすめて舞うは白鷺一羽
                         ポエット・M
【解説】
 横須賀しょうぶ園は、花しょうぶと共に藤の苑としても有名ですが、
 過日訪れた時は、黒龍等の紫色の藤は既に旬を過ぎ散り時を迎えて
 いました。しかし、白藤は丁度旬の時期故か見事にその花房を風に
 揺らし、咲き誇っていました。
 そんな藤棚をかすめるようにダイサギが、白い翼を広げ舞う姿を
 見せてくれました。この苑の脇にある水辺を住処とする青鷺には
 幾たびか会いましたが、白鷺は初めてでした。
 白藤が風にそよぐ様子と、それにかすめるように舞う白鷺の姿の
 静と動のコントラスト。そんな情景を何とか詠んでみましたが、
 今回も平板な表現になり詠力の無さを、今さらに感じてしまいました。


     「白藤」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(39)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
20.「短歌の章」 桜島山(3)

   火の山の山すそ中に碑を残し
           きびしきひとよを芙美子は生きぬ
            
   「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」
           林芙美子は真実(まこと)に生きぬ

   火の山はひねもす火山灰(よな)を降らしめて
              まどかなる月もおぼろとなりぬ

 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は該当事項がありません。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)ネット歌会

2024年05月15日 06時48分13秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 ピース」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆いつも聞く「加齢ですね」という医師の 意外に短い指を見ており
                         夕庵さん
★医師も人 嫌がることもある様で 「来なくていいよ」と言われることも
                         西BOOさん
★あるまじき言葉は吐けぬ医師なるを 寄り添うことの優しさが欲し
                         夕庵さん

☆ピリピリと痛む舌先 これからは世辞は言うまい 嘘もつくまい
                         夕庵さん
★おもねらぬ生き方が好き 世辞言はず 本当を言ふ こころを込めて
                         みっちっちさん
★思いやる心があればおのずから 激しき言葉になることもあれ
                         夕庵さん
★卓球のコーチの言葉は激しけど 吾(あ)を思ひての激しさに感謝
                         みっちっちさん

☆若き女医 舌をつかんで裏返し「心配無用」と素っ気なきこと
                         夕庵さん
★小さきが大を素つ気なく 裏返す 柔よく剛を制すなどとも
                         みっちっちさん

☆新緑のなか幼子の手の平に 生命線のまっすぐに伸ぶ
                         みっちっちさん
★さみどりの麦の穂のごと少年の 成長祈る立夏の朝(あした)
                         夕庵さん
★緑立つ父の遺愛の五葉松 いまは他人の庭に立てるや
                         みっちっちさん
★わたくしの遺品なるもの あるやなし 歌の一首も儚きものよ
                         夕庵さん

     「薔薇 マダム・サチ」

☆新緑の蕎麦処あり 大盛りの蕎麦を啜りて夏めく小風
                         みっちっちさん
★新蕎麦の幟の立つのを待ちかねる 贔屓の娘は絣の筒っぽ
                         夕庵さん
★濃紺の大島紬を着し考(ちち)の写真はいつも我が書架の上
                         みっちっちさん
★若き日の父の写真をお守りと 娘はいまも離さずに持ち
                         夕庵さん

☆果てもなく桐の花散る夕闇に 遠海鳴りの ひびきかそけく
                         ポエット・M
★大和国山口神社の境内へ 大山祇神が現る
                         西BOOさん
★天神と崇められたる祇神(ツミノカミ)龍の降臨 今に伝えて
                         ポエット・M

☆果てもなく桐の花散る夕闇に 遠海鳴りの ひびきかそけく
                         ポエット・M
★旅の宿 打ち明け話の静寂に 遠く近くに海鳴り聞こゆ
                         夕庵さん
★北の宿 遠海鳴りをともに聴き 火照る目元を改めて見る
                         ポエット・M
★越えられぬ海の深さよ 今はただ 海鳴り憎きと目を伏せて聞く
                         夕庵さん
★荒ぶ海鎮める術も無きままに 想い届けと波間に祈る
                         ポエット・M
★祈れども所詮叶わぬ定めなり 涙壺を満たす波寄せくれば
                         夕庵さん
★涙壺満たす涙の枯れるとも 祈り日々に兆す光明
                         ポエット・M
★ひとすじの光を胸に抱きしめて わが行く道を照らす祈りは
                         夕庵さん
★一遇を照らす光に遠くとも 為すべきを成す自負も密かに
                         ポエット・M
★プライドをポシェットいっぱい詰め込んで 人かきわけてあの女(ひと)が来る
                         夕庵さん
★自負あれど深く密かに秘めるもの 未だ未熟の おのれ恥じいる
                         ポエット・M
★人格はおのずから滲み出るものと 思えば寡黙も長所となるや
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「薔薇 アベイ・ドゥ・クリュニー

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

 

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