2019年11月発行
幕末の越前大野藩。土井家七代目藩主・利忠は、様々な藩政改革を断行し、多額の借金を抱える藩財政を立て直そうとする。その執行役として白羽の矢が立てられたのが、わずか八十石の内山家の長男・七郎右衛門。奇抜な作で大野藩の再生に奔走する。
上
序 殿十五歳 七郎右衛門十九歳
一章 殿二十七歳 七郎右衛門三十一歳
二章 殿二十八歳 七郎右衛門三十二歳
三章 殿三十二歳 七郎右衛門三十六歳
四章 殿三十三歳 七郎右衛門三十七歳
五章 殿三十六歳 七郎右衛門四十歳
下
六章 殿三十九歳 七郎右衛門四十三歳
七章 殿四十四歳 七郎右衛門四十八歳
八章 殿四十五歳 七郎右衛門四十九歳
九章 殿四十六歳 七郎右衛門五十歳
十章 殿五十歳 七郎右衛門五十四歳
終章 殿五十歳 七郎右衛門五十四歳 上下巻 長編
幕末期、ほとんどの藩が財政赤字に喘ぐ中、莫大な借財を抱えた大野藩も例外ではなかった。
時の藩主・土井利忠は、様々な藩政改革を断行し、藩財政を立て直そうとする。
その執行役として白羽の矢が立てられたのが、若干八十石の内山家の長男である七郎右衛門良休。
銅山の開拓や、特産品の強化などで、借財を返し終えた七郎右衛門は、更には、上方に藩の店を出店。果ては、船を買い取り、北方との取引で利益を上げることに成功すれど、実弟・隆佐と藩主・利忠による藩校創立やら、蝦夷開拓やらと次々と入り用な金子は増えるばかり。
七郎右衛門は奔走するのだった。
著者初の実存する人物をテーマに書き上げた、珠玉の一冊。
これはかなり面白く、興味深い作品だった。文自体もこれまでの作品とは一線を画し、著者にとっての新境地とも言えるだろう。
ラスト一文の素晴らしさは、著者作の「こころげそう」を彷彿とさせる。この方の物語の締め方は決まる! と、毎度ながら感嘆する。
是非とも、読むべき作品である。
主要登場時運物
土井利忠...土井家七代・大野藩主。藩の財政を立て直すべく、藩政改革を断行。
内山七郎右衛門...大野藩士。利忠に登用され、奇抜なアイディアで財政改革の実務を担う。後の家老。
内山隆佐...七郎右衛門の次弟。文武ともに優れ、若い頃から才能を評価され、登用されるが、金勘定は苦手。
内山介輔...二十歳離れた七郎右衛門の末弟。武芸に優れたしっかり者。
中村重助...利忠の覚えめでたい大野藩重臣(家老)。
幕末の越前大野藩。土井家七代目藩主・利忠は、様々な藩政改革を断行し、多額の借金を抱える藩財政を立て直そうとする。その執行役として白羽の矢が立てられたのが、わずか八十石の内山家の長男・七郎右衛門。奇抜な作で大野藩の再生に奔走する。
上
序 殿十五歳 七郎右衛門十九歳
一章 殿二十七歳 七郎右衛門三十一歳
二章 殿二十八歳 七郎右衛門三十二歳
三章 殿三十二歳 七郎右衛門三十六歳
四章 殿三十三歳 七郎右衛門三十七歳
五章 殿三十六歳 七郎右衛門四十歳
下
六章 殿三十九歳 七郎右衛門四十三歳
七章 殿四十四歳 七郎右衛門四十八歳
八章 殿四十五歳 七郎右衛門四十九歳
九章 殿四十六歳 七郎右衛門五十歳
十章 殿五十歳 七郎右衛門五十四歳
終章 殿五十歳 七郎右衛門五十四歳 上下巻 長編
幕末期、ほとんどの藩が財政赤字に喘ぐ中、莫大な借財を抱えた大野藩も例外ではなかった。
時の藩主・土井利忠は、様々な藩政改革を断行し、藩財政を立て直そうとする。
その執行役として白羽の矢が立てられたのが、若干八十石の内山家の長男である七郎右衛門良休。
銅山の開拓や、特産品の強化などで、借財を返し終えた七郎右衛門は、更には、上方に藩の店を出店。果ては、船を買い取り、北方との取引で利益を上げることに成功すれど、実弟・隆佐と藩主・利忠による藩校創立やら、蝦夷開拓やらと次々と入り用な金子は増えるばかり。
七郎右衛門は奔走するのだった。
著者初の実存する人物をテーマに書き上げた、珠玉の一冊。
これはかなり面白く、興味深い作品だった。文自体もこれまでの作品とは一線を画し、著者にとっての新境地とも言えるだろう。
ラスト一文の素晴らしさは、著者作の「こころげそう」を彷彿とさせる。この方の物語の締め方は決まる! と、毎度ながら感嘆する。
是非とも、読むべき作品である。
主要登場時運物
土井利忠...土井家七代・大野藩主。藩の財政を立て直すべく、藩政改革を断行。
内山七郎右衛門...大野藩士。利忠に登用され、奇抜なアイディアで財政改革の実務を担う。後の家老。
内山隆佐...七郎右衛門の次弟。文武ともに優れ、若い頃から才能を評価され、登用されるが、金勘定は苦手。
内山介輔...二十歳離れた七郎右衛門の末弟。武芸に優れたしっかり者。
中村重助...利忠の覚えめでたい大野藩重臣(家老)。