ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

残柿

2014-11-21 17:34:50 | 写真と詩歌

残柿


4

柿の木に纏わる古老の話 ・・・
 ・・「昔は嫁ぐに当たって柿の苗木は嫁入り道具。その嫁が一生を終えると、大木になったその柿の枝が切られ、火葬の薪やお骨を拾う箸(はし)にされた。 ・・・
古い農家など大きな柿の木は、そんなふうにして代々の女たちが残したもの ・・・」
さらに、「柿の木問答」というものもある.. 柿の木問答の説明は割愛。この民話に興味ある方は、各々調べよ

こんな話を、脳裏に焼き付けてから読むと、


   ○渋かろか 知らねど 柿の初ちぎり  ・・千代女
なんとまあ、艶めかしいが、その実は”ずしり”と重くて味わいがある。
  
   ○里古りて 柿の木持たぬ 家もなし  ・・芭蕉

先日訪問した郡山のある福島県は”あんぽ柿”の産地。値段は、なんと1個¥500前後。
しかし、いまだに残留放射能で出荷停止だそうだ。
そこで、一度確立したブランドを維持継続するために、県外から”蜂谷柿”を導入して作り続けているという。

かつて、全国有数の養蚕地帯であった山間農家は、生糸市場の衰退とともに疲弊化して行ったが、養蚕に代わる新しい農産物の模索は、”あんぽ柿”を見いだした。さらに模索を続け、林檎や梨やブドウや桃の果樹中心の農業経営に、活路を見いだした。

干し柿 ・・・乾した柿は、それぞれの地方で特色がある。代表的なのは、”市田柿”で乾燥で糖度を増し、表面に白い粉を吹く。”あんぽ柿”は比較的大きめで、糖度を増すが柔らかく、飴色を特徴とする。”ころ柿”は、甘さはあるが黒ずんでいる。違いが出るのは、風土の地理的条件で、寒暖の差が激しいところほど糖度が高い。色の違いは、恐らく乾燥させている期間の湿度に関係するのではないかと思われる。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
 ()
2014-11-22 10:38:29
〇柿食えばふるさとの空見えてくる   裕

子規の柿食えば、、の本歌取りです。
この程度の句ならだれでも詠めるでしょう。

加賀千代は俳壇では千代女となっているが
千代でもいいのか?
返信する
re:千代女 (庄次郎)
2014-11-24 11:07:01
俳人・加賀千代について調べて見た。
俳人・千代は、生涯に、各務支考(かがみしこう・芭蕉門下)に弟子入りして、”草風”という号を称す。
51歳の時出家して、千代尼と称し、号を”素園”と替える。
俳句の句会で、自らの句の”みとめ”(=署名)は、”千代”、”草風”、”素園”、”千代尼”であったのだろう。
*”素園”を法名とする書を見かけるが、厳密には間違いではないが、文学上は、やはり”号”の方が言い得ているように思う。
では、俳人仲間や他人からはどう呼ばれていたのかという問題であるが、・・・
引用・その他で、”千代女”と呼ばれ、首尾一貫していたようだ。その方が、紛らわしくなく、他の名前では、一部の人にしか分からなかったのかも知れない。
 ・・・ 正岡子規は、千代女の俳句は、かなり俗っぽく、情があるれでる為、俳句と認めていない伏がある。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。