「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

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懲りない県、無意味な経済効果を公表し空港予算聖域化に理解を求める

2011-02-15 19:36:00 | 静岡空港

経済波及効果というと、あたかも新たに増加した経済活動効果を連想しがちであるが、県の経済波及効果は空港利用者や見学者についての経済活動を見るだけであって、それ以外(減少分)は無視したもの、つまり実増効果ではない点に留意する必要がある。
例えば空港見学者であるが、普段昼を外食している人が無料駐車場に車を止めて見学しそこで昼食をとったとしよう。
普段の金額と空港での金額が同じ、例えば1,000円なら、実増消費額は0円のはずである。
しかし、県の計算では1,000円の効果となるのである。
これは空港利用者についてもいえることで、毎月JRで来県していた営業担当者が静岡空港を使って同じだけ県内で消費し、実増消費額が増えなくても県の計算では静岡空港を使ったということだけでその人の空港利用来県時の消費額のみが効果として算入されるのである。

つまり、県発表の経済波及効果とは空港によって新たに増加した経済効果ではないのである。
はっきり言えば無意味な数字である。
もう少し巧妙に創作してくると思っていたが、こんな調査成果では委託料(税金)をどぶに捨てたにも等しい。
ちなみに総合効果というのは直接効果から自動的に算出される効果(例えば弁当購入費を直接効果とすれば、その運搬や材料生産などの経済活動への波及何パーセントあるというふうに計算されるものである。)であるので根拠としては画像の県記者発表資料中の「直接効果(13,679百万円)の積算基礎」を見ればよい。

そして、この積算の基礎が年間利用者数(63.4万人)とイコールであることを見れば、新規増(純増)効果でないことは一目である。

にもかかわらず、相変わらずというか懲りないというか、県担当者のお気楽なコメントに失笑した。
「県は今回の試算結果について「空港は、使われることでかなりの波及効果があることが改めて確認できた」」(産経)
「経済波及効果が245億円に上った結果に同課担当者は「空港建設費1900億円のうち、本体部は490億円。経済波及効果は本体部の半額まで貢献できたのは大きい」」(中日)

おそらく、県議会の高齢議員は数字の根拠なんて分からないだろうと思っているのだろう。大本営発表なら世間離れした需要予測にさえ、ころっとだまされるくらいである。

ちなみに県が昨年度開催し発表した「第24回国民文化祭・しずおか2009」の経済波及効果は178億5千万円、雇用誘発効果は1,180人であり、予算は10億5千8百万円、しかもわずか16日間での経済効果だ。(http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/626.html

何なら空港に年四十億円超の予算を投じるよりも毎年十億円かけてイベントでもした方がいいんじゃないのかと真顔で県議会で議論してみたらどうか。
とはいえ、少しはまともな議員もいるだろうから付言するが、企業の投資判断の基礎となるROIに相当する指標であるCBA「費用便益分析」を求める習慣をつけるべきである。
もちろんこれだけですべてではないが、少なくともこれなくして公共財・サービスの供給者としての効率的な資源配分を秩序立てることは不可能だ。

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