わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

繕い裁つ人

2017-02-01 | 映画・ドラマ・本
 ずーっと病気のまま、1月が終わってしまいました。ひたすら家で大人しくしてるのに、相変わらず新しい紫斑は出るし、午後になると足が痛いし、どうすりゃいいんだ!? 的な… って、ゆーか、ここで困ったとか泣くとかのアイコンじゃなく、怒ってるアイコンを選ぶトコ、すごい自分っぽいwww

 「海街Daiary」みたいな映画が見たいと書いたら、お勧めしていただいた(みかん様ありがとうございます)「繕い裁つ人」を早速、観てみました。大人女子の憧れをいっぱい集めたような映画。坂の上の古い洋館も、雑貨店に所狭しと並ぶ様々な小物も、家具も、お洋服も、みんなみんな素敵!で、チーズケーキとお団子がすっごく美味しそう。皆が標準語で話してはいても、とても「神戸」な映画でした。「神戸在住」より、ずーっと神戸。


 主人公の市江さんが神戸女学院出身というのは、阪神間の人間なら「なるほどー」と、笑うほど納得できるはず。市江さんを演じた中谷美紀さんの所作も綺麗です。背筋の伸びた凛とした雰囲気から、宝塚出身かなと思ったけど、違うんですね。市江さんが繕う服に惚れ、店に置きたいと通い詰める藤井さんの勤め先は、神戸大丸。そうそう、こういう服って大丸っぽいわー。私にとっては思い入れのある百貨店の神戸大丸。初めて、一人で電車に乗ってお買物に行ったのがここで、父の日の為にネクタイと、赤ん坊だった妹によだれかけを買いました。実は!大丸の紳士服売り場で貰える、ジュリアーノ・ジェンマのポスターが欲しかったんであるw

 私は神戸の出身ではなく、実家は西宮ですが、三宮・元町界隈は学生時代にポートアイランドでバイトをしていたこともあって懐かしい場所です。近所の人が来て、勝手にひとしきり世間話をして帰るというのも、母の営むパーマ屋さんのようで懐かしい。家にも、足踏み式の古いミシンがありました。震災で壊れて捨ててしまったけれど、惜しいことをしたなと思います。

 夜会に集う紳士淑女にも、どこか懐かしさを感じます。私が子供の頃は、お洒落な紳士が街を散歩していたものです。貿易会社を退職した人、地元の病院の院長先生、いつも粋なカメラ屋さんのご主人… 懐かしい顔が思い浮かびます。実家がパーマ屋さんなので、お洒落をした年配のご婦人にも懐かしさを感じます。普段は髪を振り乱して阪神を応援していても、お出かけ時には大丸外商っぽい服(この映画に出てくるような、何故か柄が超大胆なのw)で、髪を結いに見えられた奥様方。いつの間にか、ご近所では見かけなくなってしまいました。今でも、神戸には、仕立ての良いスーツと上等なフェルト帽を纏った白髪の紳士が、杖を片手にお散歩しているのかしら?

 名前と逆に素朴さがいい(と私は思ってる)黒木華さんのためのウエディングドレスも、華美過ぎず、豪華でありながら素朴な感じで素敵でした。事故で車いす生活になり、ふさぎ込んでいる彼女を、外へと道ぶくきっかけとなったお洋服の襟のレースが使われているというところで、涙が出ちゃった。あの子供服、きっとファミリアよね。
 
 映画はスッキリとした表情の市江さんが、布を裁つシーンで終わります。結局、彼女のオリジナルの服は、上記のウェディングドレスしか披露されなかったけど、先代の祖母の服を直し続けるのではなく、自分が着る人に一生寄り添う服を創ろうと決めた市江さんが、女の子たちのために作ったドレス、見たかったな。

 
 登場する雑貨店や喫茶店は実在するそうです。行きたーい!岡本とか御影とかにお買物に超行きたーい!!ケーニヒスクローネのクローネ食べたーい!ついでに有馬で温泉浸かりたーい!炭酸せんべいも食べたーい!
      がー!
 日本、帰りてー!!!

しかし現実は、この療養のために5日分の休暇時間を使ってしまった私の今年の残りはゼロなんである…orz

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