思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

自民党総裁選挙・「平和と人権と民主主義」は消え「国家主義と改憲」へ。明治への回帰!

2012-09-15 | 社会批評

自民党の総裁候補はみな「改憲」を全面に打ち出し、9条を変えてアメリカ軍との共同作戦を行うと宣言しています。

橋下氏と維新の会も同じで、9条改正で戦争の出来る日本にすることを打ち出しています。ウヨク的国家主義という点は都知事の石原氏も含めみな共通です。

 再び、明治維新の「狂気」の再現のようです。

【廃仏毀釈】(全国各地で仏教寺院を壊す)の暴力が吹き荒れた明治維新。
日本古来の神道を明治政府がつくった新宗教(=靖国と名付けた【天皇教】・天皇の為に斃れた人のみを祀る)に変えた明治維新。
【脱亜】という言葉で、中国や朝鮮などアジアを蔑視する思想を徹底させ、アジア支配に乗り出した明治維新。
【自由民権運動の根絶】(第一回衆議院議員選挙で過半数を占めた民権派の息の根を止めるという山県有朋らと明治天皇の意思)のために行った【選挙妨害】と【教育統制】(天皇中心の歴史をつくり学校教育で徹底させる)を行った明治維新。

こうした為政者による伝統の破壊と民権運動への弾圧は、「国体思想」(天皇主義)を徹底させるイデオロギー教育により成就しました。学校教育で日本主義というナショナリズムを教え込む。そのための教科書をつくる。批判する教師を辞めさせる。

山県有朋ら明治の保守主義者が一番中心においたのは【学校教育の国家主義化】でした。自民党と維新の会が執拗に追求する「教育改革」とは、まさに明治維新時の「日本は天皇中心国家」というイデオロギー教育と同質のものです。かれらの思想は極めて危険であり、平和と人権と民主主義の消滅を結果します。

それにしても「維新の会」とはよく名付けたもの。タカ派丸出しの正体を露わにする名ですが、彼らが危険な存在であるのはナチスドイツと全く同じ【選挙至上主義】という戦略を取っていることです。ヒトラーも過激なドイツ主義を掲げて民衆の不満を吸収し選挙で勝利しました。知識人を動員してナチ党を正当化し(20世紀最大の哲学者と評されたハイデガーも自ら進んでナチ党員となる)、連続して選挙で得票を伸ばし過半数を制しました。すべての政策を選挙民から委ねられたわけではないのに、当選するやいなや基本的人権までも多数決で奪い、憲法を変え、少数意見はすべて無視し弾圧して独裁政治を行いました。

多数決により「民主主義の思想」(人間の対等性と自由を原理する人権思想)さえ変更できるという発想が恐ろしい結果を招くことは、歴史が証明しています。民主主義を抑えて明治維新の国体思想を宣揚しようとする目論見は根源悪としか言えません。

彼らに対抗する【民主主義(民主的倫理に基づく民主思想)派】の創造が急がれます。


武田康弘

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