以下は、白樺同人の高城久さんと私の「白樺ML」でのやりとりです。
武田先生
高城です。
櫻井よしこさんのこのところの発言は
Bさんとは違った意味で危惧しています。
テレビ朝日のサンデープロジェクトに出演した際の発言を聞いていると
対中国、対北朝鮮などへの発言は以前とは違って非常にラジカルになってきています。
1例をあげれば、
小泉内閣4年間の評価は出演者の中で一人だけ落第点だったのですが
唯一評価できることは外圧があっても
靖国神社に参拝してることと言っていました。
他にも中国の反日教育への論拠を示さない批判、北朝鮮への制裁強化
などなど以前のリベラルな櫻井さんからは考えられない発言が多すぎます。
しばらく前に武田先生に
北朝鮮への制裁強化の発言は櫻井さんらしくないと言ったら
拉致被害者の方々へ取材を通して、憤りに共感したための過激さだろう、と言っていましたが
何かが櫻井さんの思想を変えたと解釈した方がよいような気がします。
私などは気持ちが熱くなると語り口まで熱くなってしまって失敗することが多いので
櫻井さんを見習いたいと思っていただけに最近の発言の内容を吟味すると
残念でなりません。
高城様。
武田です。
私は、基本的にテレビに出る「人」の発言はあまり「マジメ」には見ていません。(昔、日本テレビのアナウンサー?をしていた頃の桜井さんは、なかなか魅力的!な女性だな、と思いましたが、)
テレビ人の発言は、その時々の「流行」を正逆双方で支えるものです。その役回りに自分を合わせる(られる)人がテレビをつくっているわけですから、そういう世界のショーとして「楽しめ?ば」いいのではないでしょうか?
別に桜井さんという個人の思想がどう変わろうと、どうでもいいことだとしか思えません。
変心!する人も多いですが、本人の人生の選びの問題ですしね。
ただ、私個人としては、強靭で美しい人生=自分の心に忠実な人を愛しますし、社会思想の一貫性は大変重要なことだと考えていますが。
なお、わたしが「転送」したメールの主題はそこにはなく、憲法問題です。Bさんのように個人のキャラクターの問題に眼を向けての批判は、虚しいということです。すでに「負けている」証拠です。社会問題は、社会思想の次元で深く説得的な言説を編み出さなければいけません。個人レベルの「うわさ会議」をしているような「弱い」精神では、戦う前に敗北者です。そのことを強く言いたかったための「転送」メールでした。他山の石とするために。
では、また。
武田先生。
高城です。
武田先生のように階層の違いを見事に見抜ける人は稀なのではないでしょうか?
レヴェルの違うことをいっしょくたに見てしまう人の方が多いのではないでしょうか?
いわゆる論客と言われている人の発言と自分の意見が似ていた場合
それによって自分の意見の正当性の証明をしている「弱い」人が沢山いるのではないでしょうか?
そういう人にとってのポピュリズム真っ盛りの今の世の中、影響は多大だと考えるのですが・・・。
また、
「 テレビ人の発言は、その時々の「流行」を正逆双方で支えるものです。その役回りに自分を合わせる(られる)人がテレビをつくっているわけですから、そういう世界のショーとして「楽しめ?ば」いいのではないでしょうか?」
ここのテレビ人を日本の政治家に置き換えても充分意味が通じてしまいます。
テレビなら楽しめますが、政治となると??
櫻井さん個人のことよりこのことを言いたかったのです。
高城様。
武田です。
もちろん影響はあるでしょうが、左右両方の論客に影響される訳ですから、こういう話は主題にはなりません。
政治家のポピュリズムの問題は、大衆社会では致し方ないことです。
「大衆」から
「市民」に成長するための最も大事な課題は、しっかり冷静に物事を見ること、真に説得的な考えと魅力的な生をつくることでしょう。
私=自分自身の「変身」!(変心ではなく)ですね。
自分の「永久革命」?が、社会を変える!というわけですが、新しい自分の開発は人生何よりのエロースです。
繰り返しますが、社会問題を考えるためには「社会思想」の探求が不可欠です。皆がやることはないですが、しっかり考えたい人はそれに取り組むことが必要です。変革のために大事な事は、皆がどうであるかではなく、私がどうするかです。変革のエロースとは縁のない人も大勢いますが、それはそれです。縁のある人がしっかりと取り組めばいいのです。
では、また。失礼。
2005.5.12