哺乳類、とくに人間は、身体的な接触(スキンシップ)がないと情緒不安となり、心身に変調を起こしキレることはよく知られています。
栄養・睡眠・衛生等に十分に配慮しても、身体的接触がないと幼児の死亡率は異常に高まります。死に至らぬまでも、その心身へのダメージはとても大きなものとして残ります。
わたしは32年間こどもたちを見てきましたが、これは経験から深く納得できることです。
身体的な接触が少なく言葉優先で「躾」を受けてきた子どもは、情緒が安定せず神経質です。場や文脈を無視して「言葉」に異様に反応し、関係性を豊かにする中で生きるのではなく、【言葉がつくる自己観念】の中でその判断を絶対化して自他への攻撃性を発揮します。そうなるといかなる言葉も通じません。人は攻撃性をもつと理性は働かず、自己正当化・絶対化の言動を繰り返すか、逆に自己破壊的な心に支配されるようです。
わたしは長いこと、情報だけを与えられ直接の接触が断たれると攻撃性を強める=キレるのは人間など高等生物に特有のことだと思っていましたが、最近の研究では昆虫のコオロギも同じだそうです。もう9年前ですが、金沢工業大学の長尾隆司さんが「本能行動を調整するホルモンーコオロギの気分を探る」と題した研究成果を発表しました。
そこでは、透明ケース内に隔離し直接的な接触だけを断ち、視覚や聴覚などの情報はふんだんに与えて飼育したコオロギを「インターネットコオロギ」と名づけていますが、このコオロギを他のコオロギと接触させると、異常なまでの攻撃性を発揮し相手が死ぬまで攻撃をやめないとのことです。また一度戦いに負けるとなかなか立ち直れないそうです。興味深いのは、布で覆いをして視覚や聴覚などの情報も断つと、他のコオロギと接触させなくてもさしたる異常行動は示さず、情報をふんだんに与えた上で接触させないと、相手を殺すまでの激しい攻撃性をもつことです。
コオロギのような昆虫も何より「触れ合い」が大事なのですね。驚きです。
「インターネットコオロギ」は、強い攻撃性を持ち、また、落ち込むコオロギである。ウ~ムですね。
武田康弘
栄養・睡眠・衛生等に十分に配慮しても、身体的接触がないと幼児の死亡率は異常に高まります。死に至らぬまでも、その心身へのダメージはとても大きなものとして残ります。
わたしは32年間こどもたちを見てきましたが、これは経験から深く納得できることです。
身体的な接触が少なく言葉優先で「躾」を受けてきた子どもは、情緒が安定せず神経質です。場や文脈を無視して「言葉」に異様に反応し、関係性を豊かにする中で生きるのではなく、【言葉がつくる自己観念】の中でその判断を絶対化して自他への攻撃性を発揮します。そうなるといかなる言葉も通じません。人は攻撃性をもつと理性は働かず、自己正当化・絶対化の言動を繰り返すか、逆に自己破壊的な心に支配されるようです。
わたしは長いこと、情報だけを与えられ直接の接触が断たれると攻撃性を強める=キレるのは人間など高等生物に特有のことだと思っていましたが、最近の研究では昆虫のコオロギも同じだそうです。もう9年前ですが、金沢工業大学の長尾隆司さんが「本能行動を調整するホルモンーコオロギの気分を探る」と題した研究成果を発表しました。
そこでは、透明ケース内に隔離し直接的な接触だけを断ち、視覚や聴覚などの情報はふんだんに与えて飼育したコオロギを「インターネットコオロギ」と名づけていますが、このコオロギを他のコオロギと接触させると、異常なまでの攻撃性を発揮し相手が死ぬまで攻撃をやめないとのことです。また一度戦いに負けるとなかなか立ち直れないそうです。興味深いのは、布で覆いをして視覚や聴覚などの情報も断つと、他のコオロギと接触させなくてもさしたる異常行動は示さず、情報をふんだんに与えた上で接触させないと、相手を殺すまでの激しい攻撃性をもつことです。
コオロギのような昆虫も何より「触れ合い」が大事なのですね。驚きです。
「インターネットコオロギ」は、強い攻撃性を持ち、また、落ち込むコオロギである。ウ~ムですね。
武田康弘