以下は、昨日のトピック【ベルリオーズの世界】ー「
ベンヴェヌート・チェッリーニ」へのコメントです。
コメント(2件)
ちょ1 2007年12月04日 20:09 ちょ
素晴らしいオペラです。
輸入盤ですと、ノーリントンの録音(ヘンスラー)があります。
これは、かなりの名演です。セリフを大分カットしてますが、まとまりのよい、徹底した解釈で同曲が楽しめます。
序曲から思いっきり引き込まれました。
私は、このオペラは、正規初録音のデイヴィス指揮コベントガーデン(チェッリーニ;N.ゲッダ、テレーサ;エダ・ピエール)で初めて聴きました。
これも素晴らしい録音です。
>民衆が主役を演じる作品
仰るとおりだと思います。
まさにこの曲の合唱は、民衆的な生命力に満ち溢れております。
徒弟たちの合唱は素晴らしいです。
また、素晴らしい音楽が、一部の主人公達に集約されること無く、酒場の主人や若きチェッリーニの徒弟(女声)など、様々な「声」に音楽が満ち溢れております。
とはいえ、いわゆる「オペラ」というジャンルにくくってしまうと、つまらない曲かもしれません。
しかし、「音楽」という、「声」も器楽も同等の世界から眺め聴けば、この曲の凄さは感得できるのではないでしょうか?
「ローマの謝肉祭」の原曲である場面も、実に生き生きとした「音楽」です。
オペラ的な効果を考えていません。
後輩たるフランスの作曲家達は、この勢いを真似しようとしますが、真似出来ません。
破綻したオペラを初っ端からは企画できないのでしょう(笑)
ワーグナーを頂点とする音楽劇の流れの中では、まさに「落ちこぼれ」的な曲ですが、巨大な声楽付管弦楽の極め付け、幻想交響曲の後編とも言うべき「レリオ」のさらなる後編と考えると、しっくりくる曲であります。
空転する劇的音楽、挑戦的で管弦楽的なイマジネーション、ぶっとんだ最終幕、何がなんだかわからないこの終結、まじめに聴くより、楽しみましょう、ベルリオーズ!
重々しくシリアスな「トロイ人」より好きな曲であります。
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2 2007年12月05日 11:06 タケセン
タケセン 「素晴らしい音楽が、一部の主人公達に集約されること無く、酒場の主人や若きチェッリーニの徒弟(女声)など、様々な「声」に音楽が満ち溢れております。
とはいえ、いわゆる「オペラ」というジャンルにくくってしまうと、つまらない曲かもしれません。 しかし、「音楽」という、「声」も器楽も同等の世界から眺め聴けば、この曲の凄さは感得できるのではないでしょうか? 」
ちょさん、ほんとうにそうですね。素晴らしい洞察に感謝です。
「オペラデータベース」からのリンクで、優れたコメントを見つけましたので、以下に貼り付けます(コリン・ディビス指揮の全曲盤について)
By hector (東京都) ベンヴェヌ-ト・チェリーニは、その音楽の素晴らしさにもかかわらず、オペラとしては不当に無視された作品と言えます。この演奏はべルリオーズの傑作を見事に具現化しており、極めて貴重な音楽的資料と言えます。BBC交響楽団とロイヤルオペラの合唱団はコリン・デイヴィスの指揮下で高度な演奏を繰り広げています。第一幕では管弦楽と大合唱の活躍の場が随所に見られ、非常にエキサイティングで輝かしい表現に満ちています。一幕最後のオーケストラ表現はとりわけ奇抜なトリッキーな表現で圧倒的な興奮を聞き手に引き起こさせてくれます。勿論、第二幕にも聴き所は多く、飽きることの無いスリリングな演奏です。特に、ペルセウスの像が奇跡的な完成を見せた後の盛り上がりは圧倒的で、一気に終幕まで熱狂的表現が続く部分はべルリオーズの面目躍如といったところです。華麗な管弦楽と合唱に目を惹かれ勝ちですが、アリアやデュエットなども充実しており、20世紀の音楽に接した我々にも全く古さを感じさせない内容です。また、録音も年代的には古いですが、音質に格別の不満を感じることは、まず無いものと思われます。歌手では主役のニコライ・ゲッタが素晴らしいですが、テレーザ役のクリスティーヌ・エダ・ピエールとアスカーニオ役のジャーヌ・ベルビーの健闘も光っています。バルドゥッチのジュール・バスタンは声の質が役に合っており、いい味を出しています。ロジェ・ソワイエのクレメンス7世もほぼ同じことが言えます。私は実際にMETのこの作品の上演を観てきましたが、これほど興奮させられるオペラ作品を他に知りません。べルリオーズには、「トロイ人」というもうひとつの最高傑作がありますが、このCDで、是非ベンヴェヌ-ト・チェリーニの素晴らしさを味わって頂きたいと思います。恐らくこの作品が再評価されることが、べルリオーズ再評価の最終段階であろうと確信しています。