安倍晋三の尊敬する政治家は、アメリカの好戦主義者の大統領であったレーガンです。
彼は、自著『美しい国へ』(内容はまったく同じ改訂版『新しい国へ』)で、レーガンの戦争準備の軍備拡張政策(スターウォーズ計画)が、悪の帝国=ソビエトを崩壊させたと書いて、激賞しています。
その路線に倣い、アミテージの提案に忠実にアメリカ軍の路線を日本に敷くのは、彼の国家主義者としての血の悦びでしょうが(夫人が「映画の監督になり役を演じている」と証言)、明治維新のテロや暗殺や戦闘を得意とした長州藩の志士たちの末裔にふさわしいとも言えます。
成蹊学園でエスカレーターで大学へ行き、勉強は苦手で授業には不熱心(教授たちの証言)、学校には赤いアルファロメオで乗りつけ学園生活を楽しんだ安倍青年は、ネットウヨクの靖国主義と同じ思想をもち、「戦前への回帰」を志すようになります。対米戦争を東条英機とともに決定し、戦後も「この戦争は正しかった」と詠んだお爺さんの岸信介を敬愛した安倍少年は、安倍青年へ、安倍成人となり還暦を過ぎた今、堂々と解釈改憲と称して憲法を破り、その一族=グループの力で、日本支配(重要官僚もNHK会長も日銀総裁もみな個人的な関係者で固める)を進めているのはどなたもご存知の通りです。
民主政治=主権者による自治政治は、憲法を中心としますが(中学校の公民教科書に明記されている通り「立憲主義」により為政者を縛る)、現行憲法は無視するのが当然で、自民党安倍改憲案こそが「憲法」だと言わんばかリの姿勢です。現行憲法の内容や憲法の意味を国会で問われても、答らえないで窮した首相が首相を続けれられる国とは不思議な国です。各地の市民会館のいくつかは、安倍晋三の意向を忖度し、「憲法を守るという会合は政治的」なので場所を貸さないと、まるで独裁国家のごとくです。
ここまできてまだ黙っている人、従う人は、とうてい民主政の国の住人とは言えません。
国家主義者=好戦主義者は、軍事力の増強に悦びを感じ、戦争への備えに嬉々とします。レーガン大統領のように身体が反応し、顔は輝き命は燃えるのですが、それを見て、国民も鼓舞され、イケイケニッポン、愛国心をもって一致団結(笑・呆)。幾度も悲劇を繰り返し、その都度「だまされた」というわけです。せっかくの平和主義(日本は海外の戦争に参加しない国という独自の路線を歩み、世界の多くの民衆から尊敬を集めてきた)を反故にする戦前思想の政治家が正しいとなれば、明治維新の思想に戻り、再び、自立する市民は排除され、官僚国家の意思に従う者だけの国になります。
これほど損で愚かな選択はないでしょう。徳も得もありません。
安倍首相や麻生副総理が重要ポストにつく「日本会議」は、神話上の神武天皇(126歳)を実在する人物とし、男系男子による継承で神武天皇の遺伝子を守ることは全国民の義務という天皇制崇拝(いまの天皇の明仁さんが忌み嫌う思想)をさかんに宣伝しています。明治の伊藤博文らがつくった「現人神=国家カルト教」の再現ですが、こういう団体に大多数の自民党議員(一部、民進党議員も)が参加しているのは、わが日本という国の救いがたい現実を表しています。
健全な良識、健康な精神をもつわたしたち市民は、自治政治に基づく民主主義の国=市民国家をめがけたいものです。これからがほんとうの日本の民主化の時代~~~~!!
武田康弘
以下は、泥 憲和さん(元自衛官・ミサイル防衛部隊所属)のfbから、レーガン大統領による政策です。
レーガンのアメリカが何をしたのか、思い出すべきです。
エルサルパドルの民主化運動は、レーガンが当選した直後に政府軍によって叩き潰されました。...
あのコスタリカも翻弄されました。
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◆レーガン以前 ニカラグアにサンディニスタ政権が誕生
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1979年、コスタリカのカラソ大統領はニカラグア初の公賓として同国を公式訪問しています。ニカラグアの左派サンディニスタ政権誕生を祝福するためでした。
コスタリカ政府は一貫してサンディニスタを支援していました。このときコスタリカは左派・中道政権でした。 しかしレーガン政権の登場とともに、関係が急変します。
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◆レーガン以後 人為的なコスタリカの経済危機
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1980年代、コスタリカは折しも襲いかかった石油ショックや近隣国の紛争により経済が混乱、ここにレーガン政権の反ニカラグア政策による経済制裁が加わりました。
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ニカラグアを支援するコスタリカは、経済的に締め上げられました。
インフレ率は82%となり、国民一人当たり収入は15%減少、労働者の平均賃金は42%減少します。
左派のカラソ大統領は経済苦境に耐えかねて、米国の反ニカラグア・キャンペーンに加わる決断をします。これにより米国からの援助額が急増します。露骨なもんですね。
(2002年に至っても制裁対象国リストにコスタリカの名が残っています。『一方的制裁』カーター・バリー、ウィリアム・ミカエル著 ジョージタウン大学法律センター発行)
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アメリカの経済制裁は恐るべきもので、のちにサンディニスタ政権も崩壊させてしまいました。
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◆コスタリカの武装
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1982年の選挙で左派が敗れ、、アメリカが推す右派の国民解放党のモンヘ大統領が当選します。
モンへはIMFの経済支援と、米軍特殊部隊の駐留を受け容れて、ニカラグアの反革命軍「コントラ」が国内に基地を作って出撃したり、ニカラグアを空爆することまで黙認します。(これは国内の猛反発をよびました)
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1985年、米国はコスタリカに軍事顧問として特殊部隊グリーンベレーを派遣し、市民警察内に「稲妻大隊」750名を組織して、ニカラグア国境附近のキャンプで対ゲリラ戦の訓練を施しました。ニカラグアに対する露骨な軍事挑発です。
米国の軍事援助は年間1千万ドルに達し、国家警備隊は8000人に増員され、M16小銃4000丁が渡されたといいます。
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◆あいつぐ事件により戦争の危機が迫る
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こうしたさなか、コスタリカ市民警察の国境警備兵二人が国境地帯で射殺されたのは5月でした。犯人はニカラグア兵士だとされました。モンヘ政権はただちに非常事態を布告しました。
ついで7月、緊張関係が高まる中、コスタリカの首都サンホセにあるニカラグア大使館が何者かに襲撃されました。
ニカラグアはコスタリカ政府の仕業だと断定して猛反発しました。
両国は戦争一歩手前までいったのです。
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◆戦争の回避とその教訓
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戦争にならなかったのは、コスタリカ警察のお手柄でした。ニカラグア大使館襲撃犯を捕まえたのです。
後に判明したところでは、相次いだ事件はコスタリカを紛争に巻き込もうとするCIAの謀略でした。犯行に加わった英国人の傭兵ピーター・グリバリーとジョン・デーヴィスがすべてを自供して判明したことです。
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アメリカにはさまざまな政治勢力がいて、勢力拡大を図っています。緊張緩和をめざす勢力もいれば、戦火の拡大を望む勢力もいます。 どちらも新大統領に取り入って自分たちの政策を推進させようとします。
どんな勢力と手を組むのか、大統領の個性で大きく変わってきます。トランプが大統領になれば、リベラル派や和平派が日の目を見ることはないと思われます。
戦争屋は手段を選びません。あのコスタリカでさえ、戦争一歩手前まで行ったのです。アメリカ大統領の権力と戦争屋の結託を、ゆめゆめ甘く見てはならないという教訓です。