クロの夜鳴きが始まったのは旅の少し前から。両隣とその向こう、お向かいさん、裏の並びの家に、認知症になり深夜の夜鳴きでご迷惑をかけることがあるかもしれないということを伝えに行きました。皆さん、聞こえてないから大丈夫ですよと言ってくださいましたが、本当に聞こえていないのか、気を遣ってそう言ってくださっているのかはわかりません。
ただ、鳴いているクロもかわいそうですし、その声を聞いているのも辛いし、何より周りに聞こえないかと思う気持ちが私にとってすごいプレッシャーになっていました。穏やかな老犬になっての『大切な宝物の時間』が、深夜の夜泣きが始まると同時に精神的に『地獄の時間』と変わりました。も~、クロちゃん静かにして!!!と言ってイライラし、険しい顔でクロを見ていたと思います。認知症という病気のせいであって、クロのせいじゃにないのに。
獣医さんから、夜鳴きの座薬をいただきましたが副作用があることは聞いていたので、とりあえず使うとしても旅のあとからにしようと決めていました。ぽつんと一軒家的なコテージで、周りをきにしなくていいこともあったので。なので、コテージでも鳴いていましたが、ほとんどイライラはありませんでした。
が、旅から帰ってきた日に、ついに座薬を使うことを決断。夜、騒ぎ出してから使うと、しばらくの間お尻が痛いのか気持ち悪いのか大鳴きしましたが、そのあとは静かになってくれました。なので、その日から夜は座薬のお世話になりました。ただ、薬を始めてからその副作用なのか体がぐにゃぐにゃになり軟体動物のようです。それまで介護ハーネスをつけて歩いたりオシッコしたりしてましたが、体がダラダラでハーネスもつけられず完全にオムツになりました。
ところが、28日の深夜から朝にかけて、座薬を入れたのに何時間も鳴き続けて私も心身共にヘトヘトになり、28日朝に獣医さんへ。そして、座薬から飲み薬に替えました。するとその夜、そして翌日の夜、本当に静かに寝てくれました。ただあまりにも深い眠りで、呼吸をしているのかもわからず生きているの?と心配に。目が覚めると、いつも通りの遊泳運動がはじまりホッとしました。
遊泳運動も旅のあとから特にひどくなって(これも副作用?)、一度始まると2~3時間続き、1時間くらい寝てまた2~3時間の遊泳運動が延々と続きます。脳からの信号で神経がそういう運動をさせているらしく、本人に意思ではないそうですが、80歳を超えたおばあさんがハーフマラソンを1日に何回か走っているという感じです。起きたときに疲れた館がないのがなんとも不思議です。
これまでに、もう何度も何度ももうお別れかという状況になり、そのたびにクロに「今までありがとう」と言って泣いている私ですが、クロは「もっとお花見するから、勝手にお別れ言わないで」と頑張ってくれています。