拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「『ヴィジュアル系』って差別用語だと思うんですよ!」by tetsu(L'Arc-en-Ciel)

2006-09-05 22:47:12 | 音楽
ある日友人宅に遊びに行った際、部屋で『SHOXX』というヴィジュアル系バンド専門の音楽雑誌を5冊程発見して衝撃を受けた。ミスチルファンのはずのその友人に「なんで『SHOXX』なんて読んでんの!?」と問い詰めると、「敢えて自分が絶対買わないような雑誌を手に取ってみた」とのこと。なんて素朴なご意見。確かに普段は素通りしてしまうような、表紙を飾るそのド派手なヴィジュアル系バンドの写真はなかなかに興味深い。XJAPANが起源とされるゴテゴテの装飾はまるで伝統芸能のように今の世代にまで継承されているようだ。
ただ、現在とXの頃と比べて彼らのファッションの傾向はやはり違う。初期のXのメンバーの「ムース何本使ってんすか?」と聞きたくなるような、立派に立てられた髪の毛がなんとなく暴走族を彷彿とさせるのに対し、今の時代のヴィジュアル系はなんというか…ホストっぽい。適当に肌を露出している感じが、自分のセールスポイントをしっかり自覚している売れっ子ホストを感じさせるのだ。また、もともとヴィジュアル系のメイクが素朴な顔を派手に、又は中世的に美しく見せるために施されていたのに対し、今は元がそれなりにかっこよかったり可愛かったりする人がメイクでさらに美しさを増大させている感じ。だからどのバンドも総合的に見てルックスがそれなりに良い。しかしどのバンドも同じような方向性のファッションで見分けがつかない…まぁ、それは今も昔も一緒かな(笑)。
で、インタビューを読んでみたのだが、驚いたことに彼らは同世代っぽい。80年代前半生まれ、みたいな。私とほぼ同世代のバンド(オレンジレンジとかHYとか)が活躍しているのはよく見かける光景だが、ヴィジュアル系バンドの世界にも同世代が出現するような時代になったかぁ…。姿形が別世界みたい(?)だからリアリティーが無いよ。私の出身高校、全部活の中で一番部員が多い部は軽音部だったのだが(100人近く)、その中にもヴィジュアル系バンドは全くいなかったし。ゴイステとかハイスタとか流行って時期だし、ブルーハーツが再評価されてた時期だったから、多くのバンドが青春パンクみたいなノリでなんか嫌だった覚えがあります。ノーテンキに騒いでるだけに見えたの。しかし、雑誌に載ってるヴィジュアル系バンドのメンバーの「小学生の頃ミニ四駆やってた」とか「中学のとき獅子座流星群を見た」などという発言は確実に同世代ワードだ。極めつけはバンドを始めたきっかけが「LUNA SEAに憧れて」…うむ。
LUNA SEA、ボーカルの河村隆一のイメージが強すぎて今となってはすっかりナルシストイメージがついてしまったが、彼がソロデビューする前のLUNA SEAは硬派な印象が強かったはず。私はラルク派だからLUNA SEAをそんなに深く語れないけども、つーか「ROSIER」が売れてた小学生の頃から解散まで「SUGIZOがダントツでかっこいいなぁ」ぐらいにしか思ってなかったけれども、何も持たない子供達を「うおー、俺もバンドやりてぇ!」と思わせるパワーはグレイよりもラルクよりも強大だったはず。演奏力、ズバ抜けてたし。「ROSIER」とか「TRUE BLUE」とかコピーしたら超気分よさそうだもんな。あの疾走感。この前カラオケで「ROSIER」歌ってみたけどそこそこ気持ちよかったもん。間奏長すぎるけど(笑)。実際SUGIZOモデルのギターやJモデルのベースは全盛期には主にヴィジュアル系予備軍の男子たちに売れまくったようだし。なんか、SUGIZO本人が当時を振り返って「楽器メーカーは確実に儲けさせてやったような気がする」と発言していたなぁ。で、彼らに憧れた人達が現在のヴィジュアル系バンドの中に多くいる、と。時代は確実に動いている。
しかしなんとなく、この我々の世代でヴィジュアル系バンドの伝統は終わりそうな気がする。男の子が憧れる要素が見当たらないもん…なんとなく。

追記
「ニュースステーション」のお天気お姉さんとして数年前にブレイクした大石恵が日テレのニュース番組のキャスターとしてメディアに復帰するらしい。あの妖精みたいな人がまたテレビで見られるのか。まさに癒しだ。今の若い人は知らないだろうなぁ、お天気お姉さんの頃。


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