拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

ひなまちゅり

2007-03-03 21:50:19 | 音楽
宇多田ヒカルが離婚したようだ。さすがに結婚の時よりは驚かなかった。むしろ彼女の近作『ULTRA BLUE』や新曲「Flavor of life」で提示された混沌とした作風(特に前者)を振り返ってみるとなんとなく納得してしまう。『ULTRA BLUE』の一曲目の「This is love」という、物凄くストレートなタイトルを持つ曲には、「冷たい言葉と温かいキスあげるよ」という、ハッピーなのかそうじゃないのかかなり曖昧なフレーズが登場したもんな。さらに「何か言いたいけど次の瞬間もう朝なの」…明らかに幸せじゃない、よな。あ、そういえば「日曜の朝」って曲には「幸せとか不幸だとか基本的に間違ったコンセプト」なんてフレーズがある。当時「何でこんな考えが彼女の頭を過ぎったんだろ」なんてぼんやり考えたが…。「WING」って曲にもそういう意味が込められてたのかな。ていうかアルバムのタイトル自体がさぁ…どんだけ深いんだろうねぇ、宇多田ヒカルのブルーは。まぁ、いいや。余談だが、「日曜の朝」という曲は、アルバム収録曲の中でも群れを抜いて神経質なアレンジが施されている。耳を澄ませてよーく聴いてみると、心拍数を刻む医療器具みたいな無機的な音(「ピッ…ピッ…ピッ…」ってやつね)がかすかに聴こえてくる。部屋で一人であの曲を聴いてると物凄く孤独感を煽られますよ。独りになりたい時にオススメのBGMです。
さて、もう6年前になるが、『ロッキングオンジャパン』2001年5月号に載っている宇多田ヒカル表紙巻頭インタビューで、彼女はこんなことを語っていた。
「ミュージシャンとかクリエイターの人は、普通の人が麻痺していいことや、麻痺したほうが健康なことを、麻痺せずに感じ続けなくちゃいけないことが仕事なんじゃないのかな」
「人とケンカができない。もっとちゃんと怒りとかを人にぶつけたい。そこまで行っちゃうと今んとこ私には音楽しかない」
宇多田が書く歌詞がシリアスな洞察力に満ちているところとか、「ちょっと出しすぎじゃない?」ってぐらい情感溢れる歌声を披露してるのはこんな理由があったんだ…というのをこのインタビューを読んだとき思ったのだが、それから6年たった現在でも彼女がこの考え方の下に生きているっぽいことが今日はっきりして軽く衝撃受けてるよ。永続的にミュージシャンとして活躍することを約束された一方、普通の人間としての平穏な暮らしは掴めない、そんな生き方。故・hideも自分の人生をそんな風に分析していたが、宇多田もか……激しい人生だな。
それにしてもまだ24歳なのに本当に波乱万丈な人生を生きてる人だな。
デビュー曲いきなり大ヒット→売り上げ800万枚→飛び級でコロンビア大進学→休学→「traveling」「光」など名曲連発→卵巣の病気→結婚→成人式…ってここで「成人式」かよ!既に凄いがさらに→全米デビュー→全米デビュー不発→神経質な『ULTRA BLUE』発表→「ぼくはくま」→新曲売れる→突然の離婚…
繰り返すがまだ24歳か。デビュー曲「Automatic」が出た頃「え、まだ15歳なのに作詞作曲してんの!?」と日本中が驚いたが、宇多田ヒカルを語る際に「え、まだ○歳なのに…?」というテンプレートのような決まり文句が抜けるのはいつのことやら。 

追記
先週京都に行った時、ただの乗り継ぎ駅に過ぎないJR米原駅(滋賀県)でわくわくしてしまった。だってラルヲタだもん。tetsuとkenの故郷だもん……バカか己は。


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2 コメント

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ヒッキーとタメです。 (yuji)
2007-03-04 03:05:13
離婚ですか!このブログを見て知りました。それじゃこの前のMステ出演のときは既に決まっていたんですね。僕は、浜崎あゆみとの微妙な距離感にばかりに気をとられていたのですが。
宇多田ヒカルって何考えているのかが全くわからないイメージが前々からあるのですが今回の件で余計に分からなくなった気がします。

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あゆとヒッキー (shallow)
2007-03-04 13:29:26
私も気になってました、あゆと宇多田(笑)。一年前にも二人はMステで共演していて、その時の模様はyoutubeで「utada ayu」とかで検索すると多分見れます。普通に会話してます。
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