拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

Blue-ray

2008-08-16 19:12:11 | 映画
ネットで「竹中直人、ブルーレイディスクで『ブレードランナー』を見る」みたいな記事を読んだ。1982年に公開され、以降の近未来を舞台にした映画・アニメ、ついでにL'Arc-en-Cielの「NEXUS 4」に多大な影響を与えたSFの金字塔『ブレードランナー』。映画の舞台…古びたレトロなビル群に、無計画にネオンサインや商業広告が埋め込まれた、荒廃と華やかさが雑多に同居した街並み、その街を行き来する、ありとあらゆる人種…無国籍都市と化した近未来のロサンゼルスは今見てもシビレる。「そりゃ、みんな自分の映画でマネしたくなるわ」みたいな。映画やアニメの世界だけじゃなく、例えば今の上海とかって写真や映像見る限りモロに『ブレードランナー』。『鉄腕アトム』で描かれた超ハイテクな未来都市は結局ファンタジーでしかなく、現実は『ブレラン』のようなゴチャゴチャな都市に進化していくのだ。
で、そんな『ブレードランナー』が遂にブルーレイディスクで発売された、と。よくわかんないけど、無茶苦茶画質が綺麗なんでしょ?ブルーレイは。『ブレードランナー』の街角に、隅から隅まで書きなぐられた落書きとかもクリアに見えるらしいじゃん。DVD画質じゃ一部しか視認出来ないもんなー。あぁ、ブルーレイディスクが観られるハードが欲しい。でも高い。どうでもいいけど「ブルーレイ」って聞くと綾波レイのことばっか頭に浮かんで来て困る。最近DVDで『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』を見直して、遂にレイの魅力に気付いてね。もうアスカとかが活躍するであろう続編『破』とか半分どうでもよくなったりして。…何の話だ。『ブレラン』だろ。
『ブレードランナー』は、人間が重作業用・戦闘用・性処理用などに造ったアンドロイド「レプリカント」の反乱を阻止するため、刑事役のハリソン・フォードがいつもの「困ったような苦笑い(別名:インディ・スマイル)」を浮かべながら近未来のロサンゼルスを駆け巡る、そんな映画。レプリカント達はより人間に近くなるよう、感情が芽生えるような仕様だが、耐用年数はわずか3年。人間に反抗したレプリカント4体は、耐用年数を延ばすよう、製造主に交渉しにロサンゼルスにやってきた。彼らを抹殺するため、ロス潜入捜査を始めるハリソン・フォード……「感情が芽生えるように設定したやつアホだろ」というツッコミは無しね。
ハリソン刑事は『ブレードランナー』では、何とも頼りない姿ばかりが目立つ。銃撃は上手いんだけど、銃無しの肉弾戦になると激弱。肉体派のレプリカントに圧倒されまくってしまう。そんなハリソンに対し、レプリカントは異様に魅力的。知力・体力優れたリーダー、体力自慢バカ、白塗りの女…(ちなみにこれらのキャラ造詣は後続の「アンドロイドものアニメ・映画」に多大な影響を与えており、特に宇多田の元夫が監督した『CASSHERN』に対しては「『新造人間キャシャーン』の実写化か『ブレラン』のリメイクか、はっきりしろ」と突っ込んだ人は少なく無い)。彼らが寿命に抗って必死に生きようとしたり、感情爆発させたり姿を見てると愛おしさすら感じられる。「なんでこいつら殺されなきゃいけねーんだよ(泣)」と。
人間側はハリソン以下、感情を表に出さず、そもそも感情が備わってるかすら疑問なくらい表情が乏しい。感情は元から備わってるモノでは決して無いしね…。ただ、黙々と折り紙を折る無口なオッサン・ガフは萌える。ハリソンが危険なレプリカント抹殺の仕事を断ると、無言で折り紙の鶏(チキン)を差し出すガフ。
そんなガフも良いが、『ブレラン』観れば誰もがレプリカントのリーダー・ロイの男気に惚れるだろう。戦闘シーンは勿論、キスシーンもたまらない。ロイ役のルドガー・ハウアーのアドリブが入ってるキスシーンはこの映画最大の名場面だと勝手に思っている。つーかルドガー・ハウアー本当かっこいいよな。彼が主演した、鬼畜監督ポール・バーホーベンの『危険な愛』や『グレート・ウォリアーズ 欲望の剣』(これ最近見た)も生々しくて最高。
いいなぁ、ブルーレイディスクで『ブレラン』。竹中直人が羨ましい。

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