拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

エロと下品で勝負-『ヤッターマン』

2009-03-09 21:52:50 | 映画
『ヤッターマン』観た。『CASSHERN』、『キューティーハニー』、『デビルマン』、『NIN×NIN』、『ゲゲゲの鬼太郎』、『どろろ』、『20世紀少年』……日本の漫画・アニメの実写映画は基本的に期待外れなものが多いが、『ヤッターマン』は違ったぜ。最高!なにあの下品ギャグの数々。深田恭子のセクシーなドロンジョ様のボンテージ姿なんて序の口。メカニック、武器、小道具、攻撃技などなどに、昔のケンドーコバヤシのような…関西のインモラル芸を一人で背負ってた頃の彼のエロ漫談のような下品さがちりばめられている。あ、ケンコバが演じてるドロンジョの手下・トンズラーは別にエロキャラじゃないよ、念のため。
これ、家族連れが多そうな土日に観に行けば良かったなぁ。一応子供向けアニメの実写化だから多分PG12すら付いてないけど、良いのかこんなの子供に見せて。大丈夫か映倫!…まぁ子供には全ては伝わらないだろうな、下品ギャグは。一緒にいる親は慌てるだろうけど。とりあえず櫻井翔はジャニーズ史に残る下品シーンを演じたと思う。サソリに刺された女の子を助けるシーンでの、客席を埋める嵐ファン達(多分殆ど嵐ファンだったかも。二宮君が出てるauのCM流れた時、急に盛り上がってたし)の戸惑い気味のどよめきと笑いは忘れられない。嵐ファンには小中学生だって居るのよ、櫻井君(笑)!
…なんか「下品で楽しかった」って事しか書いてないな。でも、この映画から下品さを取ったら何も面白くないと思う。アニメと実写映画は違うんだから、普通にヒーローものとして実写化したって寒いだけだよな。実写ならではの味を足さないと。かといって『CASSHERN』みたいに息苦しくメッセージ性を込めた実写化なんてウンザリだし(あれは拷問のような映画体験でした。初めの5分ぐらいはドキドキしたんだけどな)。その点『ヤッターマン』の下品描写は、作品のテンションを活性化させるカンフル剤として機能しまくってたし、なにより監督・三池崇史の「邦画の最大のウリはエロだろうが!」という心の叫びを聞いた気がしたよ。
そもそも日本の映画やアニメが世界のヲタク達に熱く愛されたのは、エロくて下品でグロいから。この要素を全て持つ三池崇史のバイオレンスな映画は世界中の映画ヲタに愛されまくりだし(まぁ、監督作品が大量にある方なので当たりハズれがあるが)、海外で人気のある邦画クラシックたちは軒並み暴力的で、何より女優さん達がセクシー。アニメだってエロシーン多めのものが海外の市場を支えているらしいよ。世界を代表するヲタ監督タランティーノの映画『キルビル』で栗山千明が演じた「ゴーゴー夕張」は、外国人ヲタが感じている邦画の魅力が詰まったキャラクター。「美女が血まみれでアクション!邦画サイコー!」って事でしょ、要は。それが観られないなら、邦画になんて用は無いんでしょ。実際。ところが最近の邦画はセクシー濃度が底辺スレスレ。これじゃあ誰も見向きしない。『おくりびと』なんて例外中の例外。今の邦画は、おそらく世界的に見て死滅寸前だ。
『ヤッターマン』は、そんな現在の邦画の惨状を打破しようとして生まれたような、下品で楽しい悪ノリアイドル映画。ヤッターマン1号&2号によるキメゼリフが微妙に寒かったり(そもそもあんなセリフをキメられる奴アニメ界にしか居ない気が…)最後はモタモタしてて少しダレるけど(阿部サダヲの芸達者ぶりが逆に良くなかった気が…)、それでも全体的に楽しめた。エンディングで流れる嵐が歌う主題歌「Belive」も思いの外アガったなー。観る前は「『ヤッターマン』のエンディングで嵐が流れるってどうなの?」と思ってたけど、全然良かったよ。
とにかく春の映画大本命は『ヤッターマン』ですよ。あと『DRAGONBALL EVOLUTION』か。原作『ドラゴンボール』は普通に好きだけど、熱い思い入れはもう無いので普通に楽しみ。悟空が白人だからって別に不満は無いし、超可愛いじゃん、実写版ブルマ。あゆの主題歌も無駄にテンション高くて良い感じ。それに意外とファンが杞憂する程ヒドい出来じゃないと思うなー。アニメでの悟空とフリーザのグダグダの戦いよりは面白いだろ、多分。