拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

Tommy heavenly6

2009-03-06 00:05:59 | 音楽
最近Tommy heavenly6にハマっている。トミーのもう一つのソロプロジェクト(つーか実は音を作ってたのはブリグリメンバーらしいから、実質ブリグリの変名ユニットだわな)で、80年代シンセポップスを唐突に甦らせたTommy february6の方は高校時代、リアルタイムで愛聴していたが、グランジ(死語?)でゴスでたまにメタルなheavenlyの方は今まで何故かなんとなくスルーしてて。でも先月、スペースシャワーTVでheavenlyの「Lollipop candy bad girl」という曲をチラっと聴いて興味を持ちまして。しかも、まるで図られたかのようにfebraryとheavenlyベスト盤が出る、と。「おし、これを機に2枚仲良くお買い上げしたろか」とソニーの戦略に乗ってみようかと思ったが、februaryの方は旧譜2枚両方持ってるし、18曲も入ってるのに私の大好きな「Hey Bad Boy」と「SEPIA MEMORY」が入ってないので魅力を感じず。heavenlyも旧譜は2枚しか出てないので、2枚共サクっとレンタルで済ませてしまった。あのベスト盤はDVDが欲しい人向けだよなー。
で、heavenly。アルバム『Tommy heavenly6』『Heavy Starry Heavenly』、2枚共良いっすね~。少しハードなthe brilliant greenって感じで。作曲だけじゃなく演奏してんのもブリグリのメンバーなのかな?ブリグリは90年代のイギリスのギターロックを日本語でやってるってイメージだったけど、海の向こうのアメリカで起きたグランジブームの頃の音を主に再現したTommy heavenly6でも、ブリグリらしい湿り気のある哀愁が漂ってますね。アッパーでカラっとした、まるでグッドシャーロットみたいな曲もあるけど、何故か湿ってる(笑)。トミーの不可思議にチャーミングな声のせいですかね。やっぱ技術的な上手さのあるボーカリストよりも、こういった不安定で特徴のあるボーカリストの方が好きさ。hydeとかヒッキーとか小沢健二とかロバートスミスとかビリーコーガンとかデヴィッドシルヴィアンとか。
曲はどれも良いが、ちょいアニソン風味の「Heavy Starry Chain」、バンドマンを一途に追っ掛けるグルーピーの姿を描いた「Wanna be your idol」、くせのあるメロディとギターのリフが素敵な「I'm Gonna Scream+」「DOOR MAT」、もろブリグリな「ABOUT U」、木漏れ日のように明るく可愛い「LCDD」、そしてやっぱり「Lollipop candy bad girl」あたりが特にツボでした。
「Lollipop candy bad girl」とか「+gothic PINK+」とか聴いてて思ったが、ゴシックな雰囲気の曲でも、本場ヨーロッパのゴスじゃなくてアメリカのゴスっぽいですね(さっきは「湿っぽい」って書いたけども)。ティムバートンの映画や『インタビューウィズバンパイア』観てゴスに染まった不器用で突飛なアメリカ人って感じがします。特にハイスクールに通うティーンエイジャーの子がゴスに染まったら完全に異物でしょうね、学校では。映画とか観てればわかるけど、男子はスポーツ選手、女子はチアガールじゃないと居場所無いみたいな感じだもんね、アメリカの高校。Tommy heavenly6はそんな高校に馴染めない、不器用で個性的なゴス少女のイメージなのでしょう。対してTommy february6。こっちはPVでチアガールをバックに歌ってたりするので一見学園のアイドルっぽいが、歌の内容は超内気で奥手なので、利発的なチアガールへの憧れを夢想する、夢見がちな女の子って感じか。
今年の2月6日で34歳になったというのに、未だにアメリカンハイスクール的なキャラクターを演じる事が出来るトミー。あっぱれです。アメリカのニュースチャンネルCNNでは、ピンクレディーや黒木瞳など妙齢だが美しい方々を例に取り上げ、「なぜ日本人は老けないのか」について特集した番組が放送されたらしい。特にピンクレディーは、全米で幻の冠番組を一瞬だけ担当し(謎過ぎる…)、その番組が未だにカルト的人気を誇りDVDまで全米リリースされてるだけあり、当時を知るアメリカ人が現在のピンクレディーの二人の姿を見ると驚愕するらしい。「何十年も経ってるのに殆ど変わってないやんけ!」と。まさに『ポーの一族』!…この例え使うの何度目だよ(笑)。で、トミーもこういう人達と肩を並べられるよね、あんなに若々しいしさ。