拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

Kiss&Cry

2007-05-22 23:35:45 | 音楽
本ブログで何度も褒めまくっているので自分でも「またかよ…」という感じだが、宇多田ヒカルの新曲、またしても傑作である。日清カップヌードルのCMで現在流れている、夏発売予定だという新曲「Kiss&Cry」。先日ラジオで流れたのをMDに録って以来、家では本当にこれしか聴いてない気がする。宇宙を舞台にしたCMのアニメの世界感に合う、フワフワしつつもじっくり作りこまれた音の中で、例によって奔放すぎるメロディーが泳ぎまくり。そして、韻を踏む事以外は何にも縛られずに自由な発想で詞を書くという鉄壁のルールの下に生み出されたような、以前にも増してぶっ飛びまくりの歌詞。あれだ、日清が掲げてる「FREEDOM」というキャッチコピーそのものだ。あぁぁ、何もかもがレベルアップしてるー。宇多田ヒカルというミュージシャンにとって、「離婚」がこんなにプラスに作用するなんて…。いや、離婚前だって凄い曲沢山作ってたけどさ、『ULTRA BLUE』の頃とは比べものにならないぐらい開かれた曲になってるよ、新曲。
「Kiss&Cry」は、リズムだけなら原点回帰しているのかもしれない。R&Bを歌ってた頃を彷彿とさせる懐かしさが感じられる(なんとなくジャネットっぽい)。でもそこに乗るメロディーは相変わらず突飛。Aメロは何故か日本民謡風の歌い回しだもん。そしてBメロは、ファンなら絶対に聞き覚えのあるフレーズが使われている。全米デビュー盤『EXODUS』収録の「HOTEL LOBBY」のAメロを、大胆にもそのまま流用しているのだ。英語で歌ったあのメロディーに、日本語が上手いことハマっているのが不思議。「日本語に合うメロディーに英語は上手く乗らない。逆も然り」と彼女は以前語っていたが、ここではスムーズに変換がなされている。「鼓膜にあたるバスドラと 心地よくつくハイハット とろけるようなフリーセッションフリーセッションフリーセッション」という言葉が、「HOTEL LOBBY」のメロディーで歌われている。CMで使われてるキャッチーなサビに辿り着くまで反則連発である。なんでまた「HOTEL LOBBY」を使おうと思ったんだろ。よっぽど気に入ってたのかな。気に入ってた割には知名度が低いから「もう一花咲かせてやる」って感じで復活させたのだろうか。あの曲好きだから嬉しいな。
歌詞に関してはマジで耳を疑った。「どんぶらこっこ世の中浮き沈みが激しいな」以来の衝撃だ。

みんな夜空のパイロット
心を癒すムーンライト
今日は日清カップヌードルカップヌードルカップヌードル……

…スポンサーは大喜びだわな。この曲があらゆる場所で流れる度に、聴いた人は思い浮かべるんだ、日本一売れてるカップ麺のことを。早口で、エフェクトもかかってたから聞き間違いかと思ったけど、確かに「日清カップヌードル」って歌ってる。…NHKで歌えないねぇ。「プレイバックPart2」の「真っ赤なポルシェ~」どころの騒ぎじゃないぞ。宇多田、どういう発想してんだよ。もう今後彼女の歌詞の世界がどうなるか、予測不可能だよ。デスノだよデスノ。この他にも、「Kiss&Cry」には素敵な言い回しがいっぱい。「あなたの笑顔が僕の心にクリティカルヒット」というフレーズがお気に入りだなぁ。ここの部分の歌詞の乗せ方、見事過ぎる。応援メッセージが込められた歌詞なんだろうけど、「来年の誕生日までに このままじゃ何にも変わらない」というビクっとするようなフレーズも。あー、全文引用してしまいそうだ。いかんいかん。とにかく、この曲の発売日が早急に発表されることを願う。

追記
若い頃のチョウ・ユンファは劇団ひとりに似ているね。20年ぐらい前の彼の出演作を見て、「うわぁ、日に焼けた劇団ひとりじゃん」と爆笑。

追記2
「♪ダイヤモンドよりも柔らかくてあたたかな未来~手にしたいよ~」って、こういうことだったのか…?