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拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

額縁を選ぶのは他人

2007-02-15 19:00:12 | 音楽
時期的にちょっと微妙な話題だが、2006年に発売されたアルバムの中で聴いたのは宇多田ヒカルの『ULTRA BLUE』である。発売直後にもこのアルバムを支持しまくる熱い記事を書いたが、まだまだ書きたい事は沢山ある。ありすぎてまとめきれなかったが今日はまたあのアルバムについて書いてみる。
個人的にダントツで最高傑作だと感じている、今でもよく聴く宇多田の4作目。あのアルバム収録曲はまず単純にメロディが良い。流暢に流れてるように聞こえて実はかなり突拍子もない展開を運ぶメロディ。良く言えば斬新、悪く言えば唐突すぎ。故にちゃんと歌おうとすると、その慌ただしいメロディ展開にかなり戸惑う。宇多田がSMAP×SMAPに出演した際、カラオケでよく宇多田を歌うという香取が「『なんでこの音からこの音に繋がっていくのかわからない!』と歌ってていつも思う」と宇多田の曲の難易度を的確に語っていたのが印象的である。ついでに中居が「音が急に上がったり下がったりする。『ここで上がるか?普通!』ってタイミングで」とコメントしていたが、これも的を得た表現だろう。「traveling」とか「Can you keep a secrete?」とか激しいよね。
「人が作り得るメロディはもう出尽くした」という意見には私もほぼ同意で、実際音楽を聴いてて「この曲どっかで聴いた事あるな。新曲のはずなのに」とか「よくある展開だな。耳タコできそう」とか「このバンド同じような曲ばっかりだ…」と思う事は多々ある。さらにネット上で「○○という曲は△△に酷似してる。盗作!」と具体的に挙げられているものを聞き比べてみると、「全くのオリジナルなメロディを生み出すのにはもう限界があるのだなぁ…」と寂しく思う事もしばしば。でも宇多田の作る曲は軽々と越えるのだ、限界を。誰も聴いたことのない革新的なメロディを作ることのできる数少ないアーティスト。「Keep Tryin'」なんて歌いだしから衝撃である。あんなにフラッフラ揺れながら希望を鳴らす音楽を聴いた事が無かった。
歌詞の世界も過去最高に研ぎ澄まされている。ふざけてるのか真面目なのかわからない言葉使いで描かれる日常風景を通して真理を射抜く歌詞は、宇多田と同世代の「作詞もできるアーティスト」と比べるのも怖れ多いぐらいだ。同世代どころか上の世代にも、「誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ それでも扉の音は鳴らない」とか「幸せとか不幸だとか基本的に間違ったコンセプト」とか「クールなポーズ決めながらずっと戦ってた」とか「冷静な眼差しでこの地上の陰と陽 左右に掻き分けてく」なんて書ける人がいるかどうか。酸いも甘いも味わい尽くした泉谷しげるの曲みたいな世界感を、身近な単語でポップに表現している宇多田。どう軽く見積もっても6馬身ぐらい周りのアーティストの先を行ってる(?)。
アルバム収録曲の「海路」、そしてシングルにもなった「COLORS」には、宇多田のアーティストとしての意思表明みたいなフレーズが出てくる。

「いいじゃないか キャンバスは君のもの」(「COLORS」)
「額縁を選ぶのは他人」(「海路」)

「私は自由に作品を作るので、後は個人で好き勝手に解釈してください」宣言。確かに彼女はインタビューで自分の作品について、核心に触れる事を多くは語らない。やたら作品について説明したがるアーティストが多い中、彼女は本当に語らないのだ(だから宇多田が雑誌に載ってても大体は立ち読みで済ます)。受け手は彼女の作品に好きな額縁を付けて勝手に楽しんだり批評したりすればいいのだ。
「額縁を選ぶのは他人」…これラルクのtetsuにプレゼントしたいフレーズだな。「ヴィジュアル系」呼ばわりされるのはさぞ不快だろうが、勝手に言わせておけばいいじゃん、もう…。

そいえばしょこたんの新曲「ストロベリmelody」、結構売れてるみたいですね。昨日は発売日ということで一日に86回もブログを更新し、必死に新曲をアピールしていたしょこたん。全部見させていただきましたよ、ええ。あの曲普通に良い曲なので買ってみようかなぁ…。10位以内に入るといいねー。

●今日の一曲
「マルコポーロ故郷に帰る」/宮崎吐夢

花咲く命或る限り

2007-02-04 18:55:59 | 音楽
「世界に一つだけの花」を聴いている。ご存知SMAP最大のヒット曲にして、子供からお年寄りまで誰もがなんとなく口ずさめる文字通り「みんなのうた」。私の祖母もテレビでこの曲を聴いては「良い曲だわねぇ~」としみじみしている。当然SMAP本人達にとっても大事な曲のようで、香取慎吾に至っては「SMAPで一番好きな曲」と公言するほどである。
ではSMAPファンにとってこの曲の存在はどうなのだろう。大ヒット曲だし、ライブではファンもあの例の振り付きで踊るし、それなりに思い出深い曲なのだろうが、やはり「良い曲だけどもっと名曲なのは他にあるよね」的に思ってるだろうな…。ファンというものはそのアーティストのメジャーな曲よりもマニアックな曲を好むというのは当然だ。私だってラルクの「HONEY」より「TIME SLIP」や「fate」が好きだし、スピッツなら「チェリー」より「スピカ」や「夜を駆ける」だ。宇多田なら「Automatic」より「日曜日の朝」だし、SMAPなら「感じやすい不機嫌」や「お茶でもどうかな」が素晴らしい。
…話が逸れた。今日の記事の中心ははあくまでも「世界に一つだけの花」だった。まあ、それ聴いてて。あの曲は元々15枚目の「Drink!SMAP」収録曲で、草剪が俳優として飛躍するきっかけとなったドラマ「僕の生きる道」のためにシングルとして切られたもの。当時平井堅のお陰でちょろっと流行った2ステップを取り入れたり、ケツメイシを向かえてレゲエを歌ったりと、その時代の流行をスマートに取り入れつつも、アイドルとしての彼らのキャラを立たせることを忘れない丁寧な作りが印象的な、名曲だらけの「Drink! smap」。正直「世界~」よりも良い曲一杯詰まっていると思うのだが、ドラマのテーマに合わせてあれが選ばれたのだろう(「僕の生きる道」に「JIVE」や「FIVE RESPECT」はミスマッチどころの騒ぎではない)。アルバム聴くときはたいていスキップするほどどうでもよろしい曲だ。SMAPの曲にしてはアレンジが無難すぎるし…。
でも今日、きちんと聴いてみたら、気付いたことがあった。それは多くの人はとっくに気付いてるかもしれないけれど、あまりちゃんと聴かなかった私は初めて気付いたことだ。
もともと違う者同士が競争し、相手を蹴散らしてトップを獲ろうとすることを高らかに否定し、個人個人を認め合うことを歌う「世界に一つだけの花」。サビの「ナンバー1にならなくてもいい もともと特別なオンリー1」は、この曲が幅広い世代に受け入れられた要因となった決定的なフレーズだ。しかしこのフレーズは「皆が各々オンリー1を目指したら秩序が無くなる」とか「ナンバー1を否定することは資本主義を全否定すること。それでは社会は成り立たない」とか「苦しい競争から逃げようとしてるだけ」等というように、「甘い考えだ」と批判する声が発売した頃から一部で後を絶たなかった。でもさー、あの歌詞で「ナンバー1でなくオンリー1」を許されてるのは「花」だ。蕾ではなく、途中で萎れることなくきちんと花開くことができた存在。少なくとも花を咲かせなければナンバー1を捨ててオンリー1で居ることは許されない。歌詞に「頑張って咲いた花はどれも綺麗だから仕方ないね」とあるように、花を咲かせるまでは競争してでも頑張ることが前提の「オンリー1」だ。
だからこの歌はシビアだ。花を咲かせる努力をしない者には「オンリー1」権は与えられていない。以前はどう見てもスーパースターのSMAPが「ナンバー1にならなくてもいい」と歌うことに抵抗があったのだが、案外、長年芸能界で荒波に揉まれ続け、立派な花を咲かせた彼らにこそ相応しい曲なのかもしれない。
長々とくだらん私の物思いを読んでいただいてありがとうございます。ぺこりー。

●今日の一曲
「IN FEAR OF FEAR」/BAUHAUS

追記
タカアンドトシのトシ、タコの赤ちゃんみたいで好き。

the bells have rung, the time has come

2007-01-30 22:14:44 | 音楽
冬になると毎年聴きまくってしまうHYDEのソロ1stアルバム『ROENTGEN』。深い深い幻想の底にある真っ白なベッドで目が覚めた、みたいな、ラルクとは正反対の静寂の世界が広がっている名盤で、このブログでも何度か、というか約一年前にも大プッシュした記事を書いたわけだが、その気持ちは発売当時の高1の冬から今も変わらない。というか一生変わらないだろう。どんなに年齢を重ねてもずっとずっと聴き続けてしまいそうな、人生で数枚しか出会えないような大事な作品だ。HYDEが去年出したアルバム『FAITH』も勿論素晴らしかったが、生涯末永く聴き続けられるのは『ROENTGEN』だろうなぁ。個人的な思い出も詰まりまくってるよ…。
さて、このアルバム『ROENTGEN』、実は似たような内容で3タイプリリースされている。まずは一番初めに発売されたオリジナル盤の『ROENTGEN』。そしてそれから数ヵ月後に発売された、歌詞が全英語詞となった海外盤(主にアジアでリリースされた)。そして収録曲、「THE CAPE OF STORMS」が映画『下弦の月』のテーマ曲に起用されたことを記念して発売された『ROENTGEN english』。これはタイトルに「english」が付いてるだけあって海外盤と内容は殆ど変わらない。ただ、収録されたシングル曲「EVER GREEN」「ANGEL'S TALE」「SHALLOW SLEEP」の別アレンジバージョンが追加収録されているのでちょっと、いやかなりお得だ。
このアルバムがあまりにも好きな私はオリジナル盤(初回版。パッケージが白い合皮の特殊デザイン)と海外盤を所有していて、『ROENTGEN english』はMDに入れている(レーベルゲートCDだから買う気にならなくて)。そしてその時の気分に合ったタイプを聴いている。今は『ROENTGEN english』に収録されてるシングル曲の別アレンジバージョンを何度も何度も聴きまくってる。このアレンジバージョンは元々シングルのカップリングとしてひっそり収められていたものだが、なんでこんなに素晴らしいのに地味なんだろう…!オリジナルよりさらにストリングスとピアノがフィーチャーされた「EVER GREEN」なんて涙無しには聴けないよ。病に臥し、死が間近に迫る自分を心配そうに、そして悲しそうに見つめてくれる恋人を想うような悲劇的な世界を持つ「EVER GREEN」だが、別アレンジ版の方が末期的な悲壮感が漂ってる。音にあんまり厚みがないからかな…。歌詞は英語なのに、オリジナルの日本語詞よりも情景が見えてくるんだよ。最後の最後のサビ部分、「the bells have rung, the time has come」の所なんてもう狙いすぎ…切なすぎ。「SHALLOW SLEEP」の別アレンジ版も良い。オリジナル版はエレキやベース、ドラムが導入され、基本的にアコースティックサウンドで彩られた、HYDEのソロ作品ながらもどこかラルクを彷彿とさせる『ROENTGE』ではやや異色の曲なのだが、別版ではとことんアコースティックなアレンジが成されている。ギターソロの代わりに間奏を埋めるバイオリンの音色が美しすぎる…こんなもんをラルクのボーカルがプロデュースしたなんて、絶対異常事態だ。
日本で売れてる数々の大物バンドのメンバーのソロ作品で、自身のバンドの音楽性やイメージとここまでかけ離れた作品をポーンと提示して、それがちゃんと売れたのってhydeとhideぐらいじゃないかねぇ(あ、河村隆一もか?でもカッコよくないもんなー)。当時「ソロでこんな感動的な名盤作っちゃって、もう彼にはラルクというバンドは必要じゃないんじゃ?」と、かなり心配したもんです。でも復活したってことは必要だったってことだよね。安心だ。


「EVER GREEN」
初めて見た時はさすがに怖かったねぇ。

「SHALLOW SLEEP」
後半のブリッジ部分(2分55秒あたりから)「I see you until I wake from shallow sleep」が大好きで何度も聴いてた。

I'm a slave for you

2007-01-10 20:22:31 | 音楽
かのLUNA SEAは自分達を支持してくれるファンの事を「slave」と呼んでいたそうだ。スレイヴ…つまり奴隷である。彼らのファンクラブの名前が「SLAVE」だったからそのままファンたちの事もそう呼んでいたのだろう。勿論そこには蔑称の意は無く、親しみと感謝を込めてそう呼んでたのだろうし、LUNA SEA全盛期のファン達の熱狂度を見る限り彼(女)らも「奴隷」呼ばわりされることを全力で喜んで享受していたのだと思われる。ちなみにボーカルの河村隆一ことRYUICHIを特に愛する人の事を「RYUスレ」、SUGIZOなら「SUGIスレ」みたいに呼ぶそうだ。「あなた誰スレ?あたしはINOスレ~」みたいな感じだったのだろうか、スレイブ同士の会話って。ドラムの真矢さんのスレイブってやっぱ少数派だったのかな…。
LUNA SEAと奴隷達の繋がりが作り出した異様な空間は敷居が高く、「あ、ルナシーのあの曲結構良いかも」程度の興味では到底入り込めない。派手なコスプレをビシっとキメたスレイヴ達で溢れるライブ会場なんて、凡人は足を運ぶ勇気出ないだろう。いくらバンドに興味があっても。そんなある種排他的な状態のまま東京ドームライブを満員にできる程の人々を惹き付けたLUNA SEAは奇跡みたいなバンドだったなぁ…と今になって思う。殆ど宗教だよな。ちなみにライブのMCではRYUICHIが客に向かって「ここに集いしスレイヴたちよ!」と呼びかけるそうだ。
それにしても「スレイヴ」…アーティスト側から見たファンという存在をこれほど的確に表現した言葉は他に無い。自分達が作り出すものに対してありったけの愛と声援と、そしてお金を惜しみなく捧げてくれる存在。まさに奴隷じゃないか。LUNA SEAに限らず、他のアーティストのファンだって端から見ればみんなスレイヴだ。特にジャニーズファン。自分が応援するグループの新曲を一位にするため、同じCDを複数買うファンはまさにスレイヴ。実際ファンたちの貢献の賜物か、去年発売されたジャニーズ系のCDは殆ど一位をとったらしい。一番売れたKAT-TUNはジャケットの違う、しかし収録されてる中身は同じCDを6枚同時発売したが、おそらく熱心なファンは全部買っただろう。まさにスレイヴ。あ!そういえばジャニーズのファンは「自分は○○君のファン」ということを示すのに「○○担」という言葉を使うらしい(「担当」の略でしょうね)。「亀担」とか「仁担」とか。同じだよね、「RYUスレ」と。
ある程度私のブログを読んで頂ければわかるが私はラルクのファンである。彼らの全盛期とともに思春期を迎えたラルク直撃世代でもある。先述のLUNA SEAファン同様、ラルクのファンも端から見れば熱狂的に見えたのだろうが、私はラルクの「スレイヴ」になれる程入れ込んではいなかった。一回の全国ツアーに何度も足を運んだり等はもちろんしなかったし、リリースされた作品を全て買ってるわけでもない。ベスト盤とかいらないし。3月に出る3万円もするDVDボックスも買う気なし。大好きだけど服従は出来ないよぅ…tetsuスレにはなれないよ(実は一番好きなのはtetsuなんです)。

●今日の一曲
「右から左へ受け流す歌」/ムーディー勝山

浮雲の「口リズム」に震える

2007-01-07 17:17:57 | 音楽
今年は明けて早々椎名林檎をよく聴いている。というか3枚目のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』だけをリピートしまくり。椎名林檎作品の双璧を成す二大アルバム『無罪モラトリアム』『勝訴ストリップ』は殆ど聴かないしそんなに好きじゃないのだが『加爾基 精液 栗ノ花』だけは別格。というか別次元?試聴した時は「この人こんな音楽も作れるのか!」と感動した覚えがある。…コアな林檎ファンには同意されないかもなぁ…。
琴や三味線などがフィーチャーされた曲が多かったり、熱海の旅館で作られた曲があったりと部分的に「和」の匂いを醸し出している作品なので正月時によく聴きたくなるアルバム。新旧入り交じった様々な楽器が巻き起こすカオスのような音世界と林檎嬢の書く上品過ぎるメロディーが絡まり合う、聴いてる間中どこまでもトベる名作。やっぱ聴いててぐわーっと飛べたりドーンと落ちたりできる音楽が好きだなぁ…(そしてその両方を満たすラルクが大好き)。「とりこし苦労」での浮雲氏による「口リヅム」にはぶっ飛ばされました。「迷彩」での斉藤ネコ氏による狂気のヴァイオリンとうねりまくるウッドベースは癖になるし「ポルターガイスト」の優雅なワルツもたまらない。安堵と混乱を行き来するような危うい旋律。
そんなわけで林檎聴きまくってたら更に林檎を聴きたくなり、ついでにCDを買いまくりたくなり、タワレコに出かけた。タワレコはここ一年くらい「6000円以上買うとWポイント進呈」という若干セコいキャンペーンを展開中なので最近CDはまとめ買いすることにしている。だから行くの久々。そしてまず林檎率いる東京事変の『大人』を手に取る。『加爾基 精液 栗ノ花』で華麗な音世界を披露しておきながらシンプルなロックバンドを組んだ彼女にちょっとガッカリし、ずっとスルーしていたが今は興味しんしん。1stの『教育』と迷ったが、『教育』のリードシングルだった「群青日和」があまり好きではなかったのとジャケットが素敵だったので『大人』にしておいた。「口リズム」を披露していた浮雲氏が参加してるのも気になったし。今聴いてるが、渋く落ち着いてるのに混沌としてて良い感じ。「雪国」「歌舞伎」がかなり好みだわ。そういえば林檎嬢は江戸時代の遊郭を舞台にした映画『さくらん』の音楽監督に就任し、2月にでる新作『平成風俗』はその映画をイメージしたものになるという。これは要チェックだ…。
あとは今更MUSEの新譜『BLACK HOLES AND REVELATIONS』購入。さらに前から気になっていたdownyのアルバムも。満足といえば満足だが買おうかなーと思ってたアルバムはことごとく無かったな。別にマイナーでもなんでもないのになんで在庫揃えといてくんないんだろう。あぁ、名古屋のタワレコよ。アマゾンとかで注文すれば早いんだけどポイント欲しいし何より店頭で手に取るのが好きなんだよー。


追記
桂三枝のDJ OZMA擁護にちょっと感動したな。さすが吉本で一番偉い芸人。そうだよね、オズマは別に悪くないよね…。

●今日の一曲
「雪国」/東京事変

P・A・M・S、裏スマ!

2007-01-04 19:02:45 | 音楽
スマップの決定版ベストアルバム『Vest』の約半年後にリリースされた、スマップのメンバー自身による選曲の裏ベストアルバム『裏スマ』。シングルA面にそっと寄り添っていた佳曲や、アルバムに収められた隠れた名曲を集めたアルバム。この『裏スマ』も、A面集『Vest』に負けず劣らずの名曲揃いなのでちょろっと紹介したい。もう凄いから、これは。スマップの粋を集めたような感じ。粒がそろいすぎてる。ミディアムテンポなスマップの曲が好きな人なら絶対に抜け出せなくなる、スルメアルバム(聴けば聴くほど良さを感じられるアルバムのことね)。

■「雪が降ってきた」(ballad version)
タイトル通り、初期のシングル「雪が降ってきた」のバラード版。フルではなく、サビまでの1コーラスを。5人が順番にソロで、情感たっぷりに歌い上げている。テンポはバラードなので原曲より遅め。これはこれで良い曲だが、やっぱ原曲のハジけたノリのほうが歌詞の内容に合っている気がする。それに「雪が降ってきた」と言えばバスケットボールのパフォーマンスでしょ。歌番組で、何故かこの曲を歌いながらバスケをやっていた当時のSMAP。スローなバラードにしちゃたらバスケ出来ないじゃないかぁ…。

■「オレンジ」
亀田三兄弟の長男がビストロスマップに出演したとき、「『オレンジ』とかカラオケで歌うで」と発言し、「お、知ってんじゃーん」とスマップに感心されていたが、この曲はシングル曲じゃないにしてはスマップファン以外にも不思議なほど知名度がある。「らいおんハート」のカップリングだったからかな?Mステとかでもたまに歌っていたような。地味に知名度が高い曲だけあって質はかなり高め。シングルカットされる前の、ただのアルバム収録曲にすぎなかった「世界に一つだけの花」みたいな存在感である。日本人のツボをつきまくった美しいメロディーと、スマップにしか出せないような切ないハーモニーが絡み合った傑作、でしょう。大袈裟に言えば、この曲を聴くためだけに『裏スマ』を買ったって損はしないと思う。『Vest』に入る曲としてはちょいと地味だが、『裏スマ』ではエース級。

■「ひと駅歩こう」
キムタク+香取ペアで歌われるミディアムチューン。タイトル通り、いつもと違う駅で地下鉄を降り、地上に出て街を歩いてみよう、というストーリーが描かれる。歌が上手すぎないぶん、こういう身近で日常的な風景の描写のような歌詞を歌わせたら天下一品のスマップ。誰もが認める大スターにも関わらず、一般人と同じ目線の世界にすーっと入り込めるのが不思議だ。…いや、不思議っていうか、「がんばりましょう」辺りから蒔いてきた種が実をつけたってことか。ジャニーズでこんな芸当ができるのは明らかにスマップ以降の世代だ。


●今日の一曲
「finale」/L'Arc-en-Ciel

インパクトがコンパクトにまとまってるんだ

2006-12-31 19:54:50 | 音楽
今年も今日で終わりだし、もう一発残ってるSMAPベスト盤収録曲へのコメントを載せておこうと思う。1999年~2000年に発売されたシングルへのコメント。ではどうぞー。

■「Fly」(1999年)
スマップの曲にしては難易度高めのファンクでジャジーなアダルト歌謡(?)。サビの「♪君は今すぐ飛び立てるのさ」の部分のリズムがやや難ですな。というわけで、グループ内一の歌唱力を誇るキムタクの声が全編通して鮮明に聞こえてきます。歌い叫んでおります。中居君とか、この曲サビ絶対歌えないんだろうなぁ(いや、知らないが)。シングル曲の中では一番渋い。私立探偵濱マイクが街を駆けて行く図が頭に浮かぶ。エレピとホーンがこれまた渋さを演出。曲の終わり方も洒落ている。よくこんなのシングルにしたよな。デビュー曲の「Can't stop!!-LOVING-」から最も遠いところにあるシングル曲って感じ。

■「Let it be」(2000年)
凄い曲名だが私はこの、スマップの「Let it be」の方が断然好きさ(言っちまった…)。ノリノリダンスチューン「ダイナマイト」系列の曲調が超好み。音自体はハウスっぽかった「ダイナマイト」とはちょっと違うが聴いてる間のワクワク感は共通。曲全体を支配しているスピード感を煽るスリリングなストリングスがかっこいい(ジャミロクワイっぽいと言ってしまえばそれまでだが…)。イントロから終わりまで全速力で突っ走ってる感じなので曲自体もあっという間に終わっちゃう印象。何一つ無駄なメロが無い!全てのフレーズが絶妙に繋がっていく!だからついつい何度もリピートしちゃう。やっぱスマップはこの疾走感だよ…頼む、こういうゴージャスなオケでテンポの速い曲、またシングルにして下さい…。「ありがとう~」とか行儀よく歌ってる場合じゃありません。

■「らいおんハート」(2000年)
『Vest』に収録されているのはこの曲まで。当時ブームの真っ只中だったR&B風のバラードである。作詞は脚本家野島伸司。「君を守るため そのために生まれてきたんだ」というストレートすぎるフレーズを持つこの曲は「夜空ノムコウ」以来の100万枚突破。そしてこの曲がリリースされた数ヵ月後に衝撃のキムタク結婚のニュースが流れ、「なんだよっ結局キムタクの結婚祝いソングみたいじゃねーか!」という形でさらに盛り上がった感のある、そんな曲。個人的見解だがこの曲以降のスマップのシングルは途端に打率が下がる。「らいおんハート」はメロディー自体は王道だが如何せん歌詞が好みじゃなさすぎる。「♪もしも子供が生まれたら世界に二番目に好きだと話そう」のくだりは絶句である。上手くいえないけど…家族に順番付けんなよ…。野島伸司はドラマの脚本だけ書いててくれりゃあいいよー(野島の詩集も痛かった)。あ、でも肝心の脚本も『ストロベリーオンザショートケーキ』の後はずっと不発でしたね。むしろ名曲なのはカップリングの「オレンジ」だろう。シングルでもないのに妙に有名で、カラオケでもよく歌われている、哀愁溢れるメロディーが涙腺を揺るがす名バラード。

ふう、やっと最後まできました。どーですか、『Vest』聴きたくなってきましたか?え?ならない?ちくしょー。大急ぎで振り返ってみて、とにかく名曲がゴロゴロしているなぁと感動しました。スマップのメンバーと周りのスタッフの素晴らしい集中力によって生み出された名シングルたちを収録した『Vest』。私の好きな曲は90年代中期の曲に大体集中してるかな。きっとそれは多くの人がそうかも。スマップがちょうど昇っていく時期に、曲のクオリティもどんどん上がっていったのだ。ここに収録されたのは2000年のシングルまで。もう6年も経っている。6年の間にSMAPはさらに進化したが、個人として一番成長したのは草なぎではないだろうか。ドラマ「僕の生きる道」で実力派俳優ぶりをみせつけ、バラエティーではチョナン・カンに変身しハングルをマスター。最近ではキムタクが主演映画で、「イケメンパイロット」でも「ピアニスト志望の若者」でも「優しい美容師」でも「型破りな検事」でも「取手君」でも「ハウル」でもない、俳優としての新境地を開拓したようだし…。SMAPは常にその活動範囲を広げ続けている。
あ、それと気づいたこと。じっくり耳を傾けるまではキムタクが多くのソロパートを歌ってるもんだと思ってたけど、香取も結構ソロ多いのね。しかも曲の中で一番良いメロディー(主にBメロ)はことごとく香取。「ダイナマイト」「Let it be」の香取のソロはピンっと一本の糸を張るような感じで曲を上手く引き締めている(気がする)。すばらしー。

追記
今年は「ガキの使い」で年越しだー。素敵ー。そしてその後はもちろんテレ東系列の今田・東野司会の特番を朝までダラダラと見るのさー。私の大好きなケンコバは出るかなぁ…。

●今日の一曲
「ラブリー」/小沢健二




スッパマンじゃない~

2006-12-23 23:30:06 | 音楽
今日は毎年恒例のさんま&SMAP特番がやってましたね。あれの放送があると一気にクリスマス→年越しという感じ(でもまだクリスマス前)。なんか毎年ゲストが無駄に増えてる。そしてゲストの多さに比例して面白さが薄れていっている。7~8年前、スタジオを飛び出しさんまとSMAPのメンバーが観光バスに乗り込み、放送ギリギリのバカトークしながら生放送してた回があったのだが、その時が最高に面白かったなぁ。あの密室感。つーか問題発言に随時モザイク(?)をかけれるような制御装置、あれだけでも復活してくれないもんかな…。あの番組についてはまた機会があれば後日感想などを書きます。今日はまたまたSMAPのベスト盤『Vest』収録曲にコメント。実はもう一ヶ月前には記事は完成してたので、コピペするだけなのでラクチンです。師走なのでラクな道へ…。

今日扱うのは1997年~1998年の曲。国民の大半がSMAPのメンバー全員の名前を言える状況になり、人気が不動のものになると、彼らはグループ単位だけではなく個人としての活動もさらに活発化させていく。5人それぞれの得意分野を活かして、ドラマにCMにバラエティーにと大活躍。どんな役をやらせてもカッコよくキメてしまう「視聴率男」木村。紅白で白組の司会まで務めてしまった「ジャニーズ初のバラドル」中居。ワインへの愛が暴走し、ソムリエの資格をとってしまった「エレガンス男」稲垣。着実に俳優としてのキャリアを積む「いいひと」草なぎ。女性ファンだけでなく子供からも支持を得た「慎吾ママ」香取。まさに「FIVE RESPECT」である。

■「Peace!」(1997年)
とにかくオケがかっこいい。イントロから飛ばしまくりのブラス隊、終始鳴ってるパーカション、要所要所で良い音を奏でるエレピ…素晴らしい仕事。ツッタカツッタカ走るリズム隊も聞き逃せないポイントである。あぁ…ジャニーズのグループとはとても思えないこの本格派ぶり。メロディーのキレも抜群だなぁ…。歌詞がなんだか地味だが足りてない歌声は健在。完璧なオケとの対比がこれまた素敵なんだ…。こういうフュージョンっぽい曲これ以降シングルで出てないなぁ。寂しい(そればっか…)。

■「夜空ノムコウ 」(1998年)
これはもう説明不要でしょうか。誰もが認めるスマップの代表曲の一つ。長いため息のようなメロディーと哀愁溢れまくりの歌詞が、青春時代を過ぎて間もない青年の心の奥のやらかい場所にヒットしまくりました。キムタクによるBメロ、キマりすぎです。これが出た頃私は小6。「あの頃の未来に僕らは立っているのかな」というスガシカオ作詞の名フレーズの意味を理解するには若すぎました。さてさて、私は数年後、この曲の主人公のような切ない気分に大共感してたりするのでしょうかねぇ…それは避けたいような。でもこの曲の魅力をダイレクトに受け止めてみたいような…。いや、いかんいかん。バックで「ピロ~」と鳴ってる電子音がかなりツボ。そういえばこの曲のアレンジを担当しているchokkakuという人、スマップの曲には何曲も関わっているおなじみのスタッフなのだが、私の大好きなラルクとも仕事をしたことがあるのだ。名曲「虹」のアレンジに参加してたりする。他にもありとあらゆるミュージシャンと仕事をしている、邦楽界の影の重鎮である、chokkaku。ヒットの影にchokkakuあり。

■「たいせつ」(1998年)
「夜空ノムコウ」の次ということで何となく印象が薄れがちのシングルだが、私は「夜空~」よりこちらのがやや好き。名曲「しようよ」を彷彿とさせる、流れるメロディーとノリノリなテンポを楽しめる傑作ホーンポップ。同じ平仮名4文字繋がりということで、私は勝手に二部作ととらえている。「しようよ」でギクシャクしてた二人のその後、みたいな。ギクシャクした関係をなんとかするため「とにかく話をしよう」としていた二人だが、「たいせつ」ではすっかり仲直りして「たぶん言葉よりも分かりあえる」状態に。「しようよ」では「目をみればわかるなんて ちゃんと言わなきゃわからない」。「たいせつ」では「君の目は宝石」。「僕らもまた新しい出来事に試されに行こう」の部分がかなり好き。でも曲の最後のフレーズ、「♪人はsupermanじゃない~」のくだりは何度聴いてもいただけないな。有名だけど、「スッパマンじゃない」にしか聴こえないから、あれ。アラレちゃんかい。


●今日の一曲
「the Fourth Avenue Cafe」/L'Arc~en~Ciel

hit me baby one more time

2006-12-19 21:50:14 | 音楽
U2を一日中聴いていたが少しだけ一休みして、先ほどからなんとなくブリトニー・スピアーズのベスト盤『MY PREROGATIVE』を聴いている。ブリトニーのアルバムは一応全部リアルタイムで聴いていたので、ベストを聴くことでその当時の記憶が走馬灯のように蘇ってくる。だいたい中学~高校時代の記憶がブリトニーとともに駆け巡る。記憶といってもそんなに真剣にブリを聴いてたわけじゃないからそんなにディープな記憶は出てこないけど。2003年に4枚目のアルバム『In The Zone』を発売してからオリジナルアルバムを出していないブリトニー。プライベートがやたらと混み入ってて忙しいのはわかるが、そろそろ新作出してくれないと寂しいではないか。デビューした頃から2003年までの数年間は、バリバリと活動しまくりでリリースラッシュだったのにね。
ベストを聴いていて衝撃を受けたのは、ブリトニーのデビュー曲にして多分一番有名な曲「Baby One More Time」が発売されたのが、なんと8年も前だったということ。1998年。私が中1の頃ですか。そんなに昔でしたか…。自分としてはこの曲を全く古く感じておらず普通の感覚で聴いていたが、冷静に考えるとこの曲はやっぱり「過去のもの」だ。今現在の全米でNo.1になる曲で、こんなにメロディアスで、R&Bやヒップホップの影響も強調されていないダンスポップ多分無いはずだから。…とは言っても今全米で流行ってる女性アーティストがわかんないけどね(ビヨンセとかファーギーはもう古いのか?少なくともブリトニー級のポップ・イコンはまだ現われてはいないはず)。「Baby One More Time」から8年。これぐらいの曲なら今ではもう日本人歌手でも普通に歌ってる(多分)。この曲をあまり古く感じなかったのは、私のポップスに対する感覚が8年前で止まっているからかもしれないな。
ということはブリトニーもデビューから8年。彼女は本当に話題の事欠かないアイドルだった。デビューした瞬間にトップアイドルに駆け上がった彼女は常に話題が絶えなかった。同じくアメリカのトップアイドル、インシンクのジャスティン・ティンバーレイクと交際宣言したり、婚約したり、破局したりした。酔った勢いで幼なじみと結婚したり、その翌日に「あれは無かったことにして」と離婚したりした。日本人ファンにストーカー的に付き纏われ、訴訟を起こしたりした。子持ちバックダンサーと電撃結婚し、歌手活動を休業してもパパラッチに追い回され、彼女の暮らしぶりは度々メディアで報じられた。「もう追い回さないで…」とメディアで涙ながらに訴えたこともあったが最近は第二子が誕生。幸せいっぱいと思われた矢先、現在旦那とは離婚調停中だという。…書いててなんだかよくわかんなくなってきたぞ。
アルバムを出せば世界中でバカ売れ。しかし映画に出るとラジー賞(逆アカデミー賞)を総なめ。若い女の子のファッションリーダー的存在にもなり、露出度の高い衣装を着れば「若者に悪影響」と叩かれた(「toxic」や「I'm a slave 4 U」は「エロかわ」どころではない。本場アメリカは凄い…)。まるで若い頃の女帝・マドンナのように。マドンナといえば3年前のMTVアワード。ブリトニーはステージでマドンナとキスを交わし、新旧ポップスターの夢の競演を果たした。その時はブリトニーのライバル、クリスティーナ・アギレラもその場にいて、マドンナは彼女にもキスをしたのだが、話題はどうしてもブリトニーに集中した。翌日の世界各国の新聞はマドンナ×ブリの2ショットで溢れた。勿論日本も。このマスコミの取り上げられ方は、マドンナ以来の世界的ポップスターに地位に唯一ブリトニーだけが辿りついた事の証明だろう。「♪I'm a slave for you~」なんて歌っちゃうんだぜー?少し前にニュース番組で、アンチアメリカのアラブ系兵士に取材し、レポーターが兵士の部屋でブリトニーのポスターを見つけ「彼女はアメリカ人ですが(しかもブッシュ支持者)」と突っ込むと、「彼女だけは特別さ」と答える、というシーンを見た時は驚いたけど妙に納得してしまったな。
どうしても音楽以外の話ばかりになってしまうな。話をベスト盤の事に戻そう。ベスト盤はかなり王道な選曲で、代表曲は全て網羅している。ブリトニーの全楽曲の中で私が一番好きな「toxic」も勿論収録。大学受験の頃、「toxic」だけを一日中聴いていたことがあるぐらい好き(ちょうど酔っ払い結婚→翌日離婚をしたころかな)。でも二番目に好きな、3rdアルバム『Britney』収録の「Anticipating」が入ってなくてガッカリ。ベスト盤は『Britney』からの選曲が結構多いのに、残念。歌詞が英語なのででたらめに空耳で歌ってる。全曲歌えるのが凄い。
最近では下着を着けずにクラブやカジノで遊びまくってるところをパパラッチされたブリトニー。「Outrageous」の歌詞「トレンチコートに下着姿 これからフリークショーの始まり」(和訳)よりもひどいじゃないか。パンツぐらい穿けよ。


スリットの隙間から愉しい夢を見る

2006-12-15 21:53:06 | 音楽
スマップベスト盤『Vest』収録曲へのコメント。今回は1996年~97年編。キムタクに次ぐ人気を誇った森君の脱退というグループ最大の危機が襲い掛かってきた1996年のスマップ。歌も踊りも上手く、顔つきもジャニーズアイドルというよりはメンズ誌のモデルみたいな男前・森君が抜けることによってスマップはしばらくキムタクの一人勝ち状態に。また、一人抜けたことによってより際立ち始めた5人のメンバーの見事にバラバラの個性を強調し、唯一無二のグループとしての地位を固めた。今でも続く人気番組『SMAP×SMAP』が始まったのもこの頃。

■「青いイナズマ」(1996年)
森君脱退後初めてのシングル。これぞアイドル!な安定感のある王道のポップスに仕上がっている。この曲で有名なキムタクによる「Get you!」が聴けますねー。「青いイナズマ」を提供した林田健司という人は他にも「$10」「君色想い」「KANSHAして」などの名曲を手がけている。スマップの歴史に無くてはならない存在の一人。つーかこの人の曲全部好きだ。こんなに好みだと、林田氏自身の作品も聴いてみたほうがいいかもな。メロディーの展開がとにかく王道で、優等生なポップス、という感じだが、歌詞はなんだか悶々としていて面白い、かな。最近歌詞カード見て気づいたのだが、サビ、「青いイナズマが僕を責める」なんだね。これが発売されてから10年強、ずーっと「僕を攻める」だと思ってた。そうか、責任を求められてるのか、青いイナズマに…。

■「SHAKE」(1996年)
森君の脱退を乗り越え、初の5人でのシングル「青いイナズマ」が大ヒット。キムタク主演のドラマ「ロングバケーション」は視聴率30%を越え、さらにこの年にスタートしたバラエティ番組「SMAP×SMAP」も大好評。スマップが芸能界の頂点に上り詰めた瞬間でしたね、この頃は。それにトドメをさすようなこの曲、「SHAKE」。軽快なピアノにキムタクによる巻き舌「♪トゥルルルルルルルルル~イエ~!」が飛び込んできて、そのまま軽快なシンセに乗ってラストまで突っ走る、当時のスマップのイケイケぶりをまさに象徴するような曲。「チョベリベリ最高ヒッピハッピシェイク」なんてぶっとんだ歌詞も「アリ」にしてしまったのが当時のスマップ。今でもよく覚えているが、この曲がTV初披露された翌日、学校では早くもクラスメートたちがこの曲を歌いまくってた。とにかくキャッチーすぎるのだ、「SHAKE」は。もう、どこでもかかってたよね…。

■「ダイナマイト」(1997年)
「SHAKE」の流れをくんだイケイケポップス。いやーこれはもう個人的にスマップシングル曲No.1(No.2は「どんないいこと」)。とにかく音が好みなもので。この曲で鳴っている全ての音に乾杯。特にBメロのストリングスヒット!あー、なんて華麗なんだ!この音にふれたくてついつい何度もリピートしちゃう、中毒性高すぎの名曲。もうすぐこの曲が世に出てから10年ですか。ひぇぇぇ~。そういえばイントロや間奏で聞こえてくる、切り刻まれた変な声の主、あれは当然中居君だよね?中居君の声をサンプリングしたんだよね?あれを入れるセンスが素晴らしいと思う、よ。曲の後半に登場する男性コーラス「♪dynamite honey danger in the night~」の軽やかさも耳を惹きつける。

■「セロリ」(1997年)
山崎まさよしの楽曲のカバー。草なぎ主演ドラマ「いいひと」の主題歌だったこともあり、曲の歌い出しは草なぎソロから始まるのだが…微妙だぁ。キムタクや森君以外のソロパートはシングルではちょっと辛いぞ。まぁ、音程が取り辛いメロディーだしちょいとハネたリズムだし、しょうがないのか?でもその分親しみやすさは抜群。カラオケでちょいと歌いたくなるまったりな名曲。安定感のあるキムタクのソロパートは相変わらずかっこいいですな。「恋人同士といっても所詮他人同士なんだからお互い尊重しましょうよ」な内容の歌詞は真っ当な主張だが、基本的に「みんなのもの」でいることを強いられるアイドルが歌う内容としては結構シビアである。何度聴いてもポヤ~ンとしてるムード満点のイントロに耳を奪われる。