文京区小石川の源覚寺の境内にある「鐘」は、元禄3年(1690)粉河丹後守の鋳造によ
り源覚寺に奉納されました。昭和12年(1937)、サイパン島の南洋寺に転出し南洋群島
で響きわたりました。しかし昭和19年(1944)にサイパン島民玉砕して、その後は全く
消息不明になっていました。
ところが昭和40年(1965)米国テキサス州オデッサ市において発見されました。発見
者はミツエ・ヘスターさんです。昭和49年(1974)に、アメリカのカリフォルニア州オ
ークランド市在住のD.Ⅴフレヤー氏によって、サンフランシスコさくら祭りに展示され、
その後源覚寺に寄贈されたものです。数奇な運命をたどった「鐘」です。現在では年の暮れ
に除夜の鐘として皆さんの煩悩を消し去ってくれています。
供出でサイパンへ。玉砕でアメリカへ。
それが関係各位の好意で、元のお寺に帰ってきたわけで、なんだか因縁を感じますね。
今も除夜の鐘の音が聞こえるといいますから
ますます運命を感じますよ。
一度は行方不明になった鐘が
遠い海を渡り
そして人々の優しさによって
また帰って来たのですね
素晴らしいお話です
ありがとうございました