鬼平と遠山金さんの屋敷跡

　

　墨田区菊川３丁目に、長谷川平蔵と遠山金四郎の屋敷跡のモニュメントがありま

す。墨田区教育委員会が建てたもので、訪れる人も少なくないという。

　池波正太郎氏の小説「鬼平犯科帳」の主人公であることから、長谷川平蔵を時代

劇ファンで知らぬ人は少ないと思われるが、遠山の金さんもなかなかの有名人。桜

の刺青を見せて「この桜吹雪を見忘れたか」とやれば、下手人も「おそれいりやし

た」となります。

　この二人が何れも実在の人物。しかも長谷川平蔵の居宅跡に、数十年後に遠山金

四郎が住んでいたということだ。これは偶然だろうが、墨田区教育委員会が二人を

連名で「屋敷跡」としているのだから、ファンにとっては　こたえられねぇ　もの

で御座います。

子 規 庵 台東区根岸２丁目

　

　

正岡子規は明治３５年（１９０２）９月１９日午前１時頃、母八重の呼びかけに

応えず天国に昇った。隣室にいた高浜虚子も呼びかけたが応えず。　享年３４。

　墨汁一滴、病床六尺などを少年時代から愛読していた私は、その六尺の病床があ

った六畳間を前に、しばし感慨に耽った。子規庵では室内の写真撮影はご遠慮下さ

い　ということでした。

　その後、高浜虚子、河東碧梧桐、寒川鼠骨らが庵を守り続け、昭和２０年の空襲

で焼失したが、鼠骨らにより焼失前と同じに再建され現在に至っている。

　司馬遼太郎氏作　坂の上の雲の記述を借りると、幼馴染の秋山真之が明治３０年

アメリカ大使館駐在武官を命じられ、出立の時「君を送りて思うことあり　蚊帳に

泣く」と詠んでいる。真之が訪れた時、何処に座ったかと思いを巡らせた。

　秋山真之は後に連合艦隊参謀になるが、同３３年帰国して再び根岸の子規庵を訪

れている。

　雀より　鶯多き　根岸かな（明治２６年の作）写真下は根岸町会の子規会による

俳句の展示。町の各所に張り出してあります。