三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月6日 産地仕様ワインダー(ニット用ワインダー)

2017-10-07 | メンテナンスお気楽日記
ひさしぶりのSTB型ワインダーです。STB型とは、ニッター様に開発された「簡易型ワインダー」です。

巻き径が230㍉と懐が大きく、撚糸用の180㍉では巻けないスパン糸原糸1、?㎏に対応します。
形状や使用部品は、撚糸用と同じだが、クレドール部が大きいため、機台サイズが異なります。

北陸でも、高岡を中心としたベビーニット産地で活躍していましたが、コンピューター制御の島精機編み機に
乗り遅れた工場と同時に、極端に姿を消した。編み機台数が多い企業では、60錘48錘のワインダーが必要と
され、4錘8錘12錘?の需要のある中小企業は、廃業を選んだ。


その後「多品種少ロット生産」の波の中、小型ワインダーの問い合わせがあっても、北陸では、絹撚糸用の
中古ワインダーばかりで、ニット仕様となると、ワキシング装置やドラム・クレドールの変更が必要。

それでも「分割専用」ということで、撚糸用ワインダー12錘機を分解して、3錘機・6錘機、はては
「3錘機でもスペースがない。でも1錘機じゃ足りない」との希望で、2錘機なんてのも作りました。

今、手元にあるSTB型6錘機も、本来ならば4・8錘機の基本設計です。客注要望によって特注製作した
ことが想像できる。中小工場では、まず建物があっての起業だから、スペースが限られる。

ともあれ、ニット仕様のワインダーが手元にあれば心強い。STI型から改造となると、まずドラムの変更
次に9°15′紙管ならば、ジスクもベアリングも違う。これにワキシング装置となると部品集めが大変。

もちろん、新品交換なら喜んでするが、価格見積もりを出せば、中古機台の2倍3倍になってもオカシクない。
そもそも、新品機台が無いということ自体も問題?です。作っていない機械は中古機に頼らざるを得ない。


北陸の中古ワインダーは絹糸仕様(3°30′S方向巻き)が多い。それだけ多くの絹糸加工所があり、また
廃業工場も多いという事でもある。それを0°0′ドラムに交換して、チーズ巻きやコーンのZ巻きに対応できる
様に改造するのが仕事になっています。だから、高価な?3°30′テーパードラムが一番多く人気がない。

需要があっての商いですが、京都や丹後地区からの絹糸用機械の問い合わせが続きました。変な話ですが、
よくよく聞けば、中古機があまりにも古いとの事です。先行産地は骨董機械と言われてもオカシクないとの事。

常識?では、スパン糸仕様なら一の宮、合繊仕様なら福井と思っていたが、これも危うい情報になりました。
もう、産地に行けば設備が揃うなんてのは希望でしかない。事実、名古屋の販売店が北陸へ機械探しに来ている

どこに行けば、希望の中古機械があるか?それはもう全国宝くじ状態です。せめて、競馬の馬券の確立なら
探し様もあるのだけれど。各業種工場は、全国津々浦々にある。産地と思っているのは自負でしかない。

心配されるのは「産地の知恵・知識・技術」です。これが拡散されれば「もったいない」どころではない。

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