三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 12月2日 カセさばき棒

2015-12-02 | メンテナンスお気楽日記
Hボビン繰り機でのカセ繰りの際、カセ糸の糸切れが多いとの相談をうけました。

原因は、カセ糸の「からみ」による、糸のひっかかりが考えられます。糸がスムーズに解除されない為
張力オーバーで糸を引きちぎる状態になります。

まず、カセ揚げ機での段階で糸切れ発生ならば、糸自体の問題として対処してるハズです。
カセ揚げ機での作業が終了していれば、カセ綾は均一になっていると考えなければなりません。

問題は次の工程でのカセ糸の「あつかい」ですが、染工所や練加工では当然「ねじれ」も発生すると
考えた方が良い。だから、ポイントは次工程に入る際の「カセさばき」が大切となります。

(注・染色材料や糸種によって、糸がより絡みやすい状態になる場合もあります)


パッケージから出したカセをそのままカセ輪に掛ければ、綴じ糸自体もねじれ、糸が裏に行ったりします。
その為には、カセを竿などに掛けて「糸を落ち付かせる」準備工程が必要となります。

実は、これでもまだ不完全なのです。カセ糸のたるみが消えず、カセ輪が均一な円にならない。
ここで使うのが「カセさばき棒」です。カセをパン!パン!とさばき、糸を均一な状態にします。


ところが、この「さばき棒」最近はあまり見かける事がない。ある処にはあった筈なのだが・・
昔?の工場では「必要だからこそ作った道具」に違いない。パイプを加工してクロームメッキまでして。

柱に取り付ける為、太いネジ釘で固定してある。そのことが道具として見過ごされた結果かも知れない。
せっかく、前人が考え、作り出した知恵(道具)が伝承されていない事が現実です。


「伝承」とは、当たり前?の技術です。女工さんが当然の様に行っている「しぐさ」当然の様に使って
いる「道具」。あまりにも当然すぎて見えないのかも知れません。「経験」を伝えるのは難しい。

「これはこうして」「こんな場合はこれを使えば」口や体で教えることさえ出来ないのも現状です。


以前、カセ揚げ機をお世話しました。綴じ糸の入手も難しい状態だったので、
「綴じ糸は大丈夫ですか?」「えっ、綴じ糸って何ですか?」「・・・・・・・」

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