迷宮映画館

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ザ・イースト

2014年03月21日 | さ行 外国映画
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」、、、【スパイダーマン】の名言だ。映画には、歴史に残るいろいろな名言があるが、この言葉には、本当にいろいろと考えさせられた。なぜか?あまりにとんでもない悪が世の中には登場するから。

力のある政治家は、とんでもない汚職をし、力と金のあるでっかい企業は、とんでもない悪事を働いて金儲けをし、弱いものは泣き寝入りするしかない。そこに現れるのが正義の味方だ!スパイダーマンであり、スーパーマンであり、キャプテン・アメリカに、バットマンと。そしていたのが【イースト】。

力を持ち、大いなる責任を持ってるはずの大企業がやってる環境破壊や、健康被害。それらの企業に対して、テロを仕掛ける集団が【イースト】だった。アメリカ映画には、飽きるほどの登場の悪だ。一番の悪玉は、やっぱこういう人たちなんだろうなあ~とつくづく思う。

もちろん、【イースト】のテロを許すわけにはいかない。テロを企てる集団もいれば、それらを潜入調査して、企業側から雇われている調査会社もあるのだということで、まったくもって面白い、、、、ではなく、困ったもんだ。

テロ集団に潜入した調査員という設定が、ちょいとわかりづらく、徐々にこんな仕事もあるんだ!と、トリビアだったのだが、本当にあるんだろうか。

もちろん、最初は反感を抱いて潜入したサラ。しかし、考えが変わって行く。変なことがまかり通ってるこの世がおかしいはずなのに、それをおかしいと言って、何が悪いんだろう、、、と。テロという方法を選んだ彼らのやり方はよろしくないが、実力行使でなければ、もうどうしようもないところに行ってしまっている。

正式に抗議をしても、たぶんそれは握りつぶされ、マスコミを使って、偽りの情報を流す力が企業側にはある。何ともやりきれない気持ちになってしまった。大いなる力にともった大いなる責任はどこにもない。

潜入捜査員となったサラの感覚が、見ている私たちに最も近いもんだと思う。テロはもちろんとんでもないけど、それがやむを得ないと考えが変化して行く。弱い自分たちが、強いものに立ち向かうことができるのか。立ち向かうにはどうすればいいのか。行動を起こすべきなのか、見過ごすべきなのか。

なんとも暗澹たる気持ちになってしまった。なんとか、今、目の前の悪徳企業はやっつけたとしても、またぞろぞろぞろとゴキブリのごとくに出てくるの。なんでこうなってしまうのかなあ、、、、。なぜに手にした力をまっすぐに使えないのか。

と言うことで、とっても興味深い作品でした。サラを演じたブリット・マーリングさん、製作に脚本に主演まで!すごい才色兼備だわ。今に監督にしそう。それもきっちり面白い本なもんで、ますますすごい。

スカルスゲルド・ジュニアは、いつものようにセクシーむんむん。でも、以前よりオヤジ臭くなってきたかも。てか、親父さんに似てきた。いや、いい男には変わりないです。ぼさぼさ頭のボロボロから、スッキりタキシードに変身した時の説得力は半端ないです。

久々に拝見したジュリア・オーモンド、、、年取ったなあ。

◎◎◎○●

「ザ・イースト」

監督 ザル・バトマングリ
出演 ブリット・マーリング アレクサンダー・スカルスガルド エレン・ペイジ ジュリア・オーモンド パトリシア・クラークソン


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