迷宮映画館

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人生はマラソンだ!

2014年09月05日 | さ行 外国映画
日本人はとりわけマラソンが好きなように思える。2時間ちょっと。大した面白くもない映像を、懸命に見て、安心できる勝負に一喜一憂している。下手すると、正月早々から、テレビにかぶりつきだ。何がそんなに面白いのか・・・。とか言いつつ、自分も必死に見ている一人である。決して、自分から走ろうとはしないけど、マラソン大会が開催されるというと、わさわさ人が集まるという。

なにがそんなに人を惹きつけるのか。きっと、好きで走ろうなどと思って走る人は、ごく少数ではないかと思う。自分の限界を知りたい。自分に何ができるか確認したい。走ってる自分って、もしかしたら凄いヤツかもしんない。そんなことから走ってるんではないかと想像するのだが、どうでしょう。違っていたらご指摘ください。

さてここに走るなどという行為とは、間逆な世界にどうしようもないおっさんどもが4人。あきれるほどのなまけもの。昼間っから酒かっくらって、まともに仕事もしない癖に、言うことはいっぱし。この働きで、まともに給料もらえると思っている時点でアウトだ。

さすがに左前の状態がわかって、なんとかしないとならないと思うのだが、そこからの画策もまた甘すぎる。完全アウト。マラソンに出て、広告主探して、一挙に左前の工場も楽勝に元通り。。。。

どんだけ楽観的な人間でもこうまで甘い奴はいないでしょう。あまりの甘さは、ある意味すごい。もちろん、ど素人集団が、にわかのトレーニングで走れるわけもなく、マラソンがいかに過酷であるかって言うことを身にしみてわかるのだが、それでもこのおっさんたちは懲りない。せっかくのチャンスを自分たちの甘さでダメにしてしまう。

・・・・・ガキか。

もう、この映画に出てくるのは、大人の格好をしたガキばっかり。自分のとことん甘くて、他人は批判。楽な道を選んで、苦しいことからは逃れようとしか考えない。でもそれはある一面の姿であって、別の一面では、苦難を背負い、がんじがらめになった自分をどうにもできずのもがいている。まさに人生だ。

不治の病気にうまくいかない家族、厳格な妻にがんじがらめになり、逃げ道はわずか、うまくいかない夫婦生活に、どうやら同性愛らしい自分をどうしたらいいかわからないヤツ。なぜか苦しいマラソンなのに、その苦しさに飛びこんでしまう人間の矛盾みたいなもんがどこにもここにも渦巻いている。

さすがに大人のおっさんたちは、ダメなまんまで終わるわけにはいかない。ダメなまんまで終わったら、映画にならない。最後にカタルシスが待ってなくて、何が映画ぞ!!!!あちらのポスターやら、DVDの表紙がもろにネタばれになっているが、末期がんで走ってるのはご愛敬。最後に待ってるカタルシスで、それまでのうっぷんも全部晴れた!いい!!いい映画だ。いろんなものをブチ込んで、嫌なことも、いいことも、見たくないことも、幸せもそこにはある。きっと走った先にあるんだろうな~。

◎◎◎◎●

「人生はマラソンだ!」

監督 ディーデリック・コーパル
出演 ステファン・デ・ワレ マルティン・バン・ワールデン フランク・ラメルス マルセル・ヘンセマ ミムン・オアイッサ


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