迷宮映画館

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恋の罠

2008年05月03日 | か行 外国映画
原題にビビりながら、ハン・ソッキュのコメディという触れ込みにつられて鑑賞。これがなかなか面白かった。

李朝朝鮮後期。宮廷に仕える貴族・ユンソは、実直で知られていたが、王の側室が所有していた絵が贋作に変えられていたことを調査するために市中を探る。

そこで、偶然出くわしたのが、庶民の皆様の心の友、官能小説の世界だった。そそり立つ・・・、○部・・・あーーー、恥ずかしや、恥ずかしや・・・。でも、そこは人間。本能を無理やり打ち消すことはできない。

格調高い文を書くといわれていたユンソは、匿名でいたずらに一編の小説を書きあげる。もちろんエロ。これがあっという間に大人気を博す。次々と書いていき、巷の大評判になる。

片や宮中。側室様の絵の贋作事件を見事に解決したユンソは、側室様にお褒めの言葉をいただき、直接お会いすることになった。側室様の心の炎が燃え上がった。ユンソに惹かれて行った側室様は、それからもユンソと密会を重ねようとする。

ユンソの小説のネタは王の側室様の浮気の物語。普通ならば、そんな下卑た話は噂にもならないはずだったのに、あまりの評判となった小説は、側室様の耳に入ることになる。そして・・・・。

ということで、とりあえず怖いものは何にもなくなったおばさんとしては、R-15であろうとも、平気で入れるところが逆に怖い。でもって、もとの題名が『淫乱書生』ですからね。

BUT、しかし、評判通り、これがなかなかの出来でございます。宮廷の様子、尊厳ぶった王様もそれらしければ、側室様の美しさと、カゴの鳥のもどかしさと、気持ちの奔放ぶりがよく出ています。

戯作屋のしたたかさや、今で言うなら機動隊の隊長のような義禁府といわれる役人とのやり取りが笑えます。なんせ、お役人の武器は、馬のなにを乾かしたもの。ホントなんでしょうか??

ハン・ソッキュのとぼけた風情が、本音は一体どうなんだろう・・・と思わせるのですが、側室を本当に愛しているのか、本のネタのためなのか・・・。

そのコメディ的な部分が、後半になって思いもよらない怒涛の展開を見せます。前半と後半では、まるで違う映画みたい。うーん、韓国映画だ。

愛、エロ、文学、宮中、友情、歪んだ愛、秘密、欲望、信頼と裏切り、そして剣劇まで。たくさんの要素がこれでもか!とつぎ込まれてて、濃い映画でした。内侍のゆがんだ愛があたしはお好みでした。



◎◎◎○●

『恋の罠』

監督・脚本 キム・デウ
出演 ハン・ソッキュ イ・ボムス キム・ミンジョン オ・ダルス キム・ギヒョン ウ・ヒョン アン・ネサン キム・ルェハ キム・ビョンウク


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
チョ内侍 (miyu)
2008-05-04 09:38:18
秘められた思慕はあたしも好みな感じです~。
原題はあたしは観た後で知ったのですが、
確かにちょっとびっくりな原題ですよね。
思い切ってそのままいって欲しかったけどヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
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>miyuさま (sakurai)
2008-05-04 13:37:56
だははは。
ひげのないお付きの男が出た瞬間から、これは!!と思ったのですが、当たって嬉しかったです。
いやーー、あの原題で行かれたら、やっぱ窓口で引きますよ。
一応、品格ある「恋の罠」で。
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Unknown (おきょきょ)
2008-05-07 17:09:51
これはちょっとおもしろうそうですね。
もりだくさんとあって、見応え充分そうです。
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>おきょきょさま (sakurai)
2008-05-07 17:55:00
韓国怒涛のビビンバ盛りで、とにかく何でもありですが、結構まとまってます。
130分以上あるのですが、そんなに長く感じないし。
ものすごくお勧めとは言いませんが、韓国映画がお好きな方はツボかもしれません。
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