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普遍的概念が現在社会にとって良いものなら、それに従うのが妥当である。

2015-08-10 | 社会問題
女性社会の文化を継承する概念は、きわめて高度な世界的一体感を示している。

その文化が示すものはすべて一つの一体感という高級な感性である共感から生まれるものであり、それ自体で完結した人間精神の発展段階という特質を帯びている。

従って、家庭内における「母なるもの」の優位性は孤立した現象であってはならない。しかし「母なるもの」の優位性は男性社会である現代の文明にはあまり合致していない。

男性と女性との原理的対立は、必然的にそれぞれの体系を包み込んでいる生活形態全体を深く貫いているのが問題だ。

すでに私達は一つのイデオロギー的思想世界に対峙しているのであるが、そのイデオロギー的思想世界からすれば、女性的共存社会は異質な理解しがたい生活形態に思うかもしれないが、むしろ逆で、同質の現象であると言える。

それだけではない。既に明らかなことから、未だ隠されていることへと至る道をも発見する事が出来る。

その倫理的道徳的意味は、どの時代にも、どんな環境でも共通する自然の感情という点で私達の心にも触れ合うものがあり、おのずと理解する事が出来る。

母とその胎内から生まれる子との間に結ばれる愛が、その生活の光源をなし、不道徳の暗闇の中の唯一の輝き、きわめて悲惨な生活の中の唯一の喜びである。

神仏のパワーにも似た母の愛こそが、初めて人間に文明をもたらし、いっさいの徳目を生み出し、そして人間が持つ崇高な側面を育て上げたのである。

「母なるもの」は神性の原理として、暴力で荒れ果てた生活に愛と協調、そして安らぎを与えるのである。

女性は、胎児を宿すことによって、男性よりもいち早く、自我を超越して他者を慈しみ愛し、そして友愛、献身、平和、真の自由は、全て女性に始まるということが言える。

男性社会では制限的で闘争本能的な原理にあるのに対して、女性社会は普遍的で母性本能的な原理である。

男性原理はおのずと個人主義的な狭い空間に閉じこもり、人間関係も限定されるのに対して、女性原理は集合体に適した共感能力の無制限的な点で自然の生活原理である。

全ての人間を等しく「兄弟」であるとする同胞愛の考え方は、子を産み育てる母性的本能に由来するものであり、かつては世界中の人々に意識されてきたが、それも男性社会の発展と共に消滅して行った事実である。

男性社会に基づく家族が仇敵的で個人主義であるのに対して、女性的家族は典型的で普遍的な性格を持った集団である。

この普遍性は全ての発展の端緒において見られるものであり、また精神的に高次に発達した生活習慣であり、何よりも物質的生活を欲望ではなく幸福へと導く特徴をなすものである。

このような社会の一体性も、男性社会の確立とともに解体され、未分化されたものは分化の原理によってさらに存在感が薄くされてゆく。

母性的原理のこの側面に依拠するものとして、重要なのは普遍的な自由・平等原理であるから、他国愛、いっさいの窮屈な制約をも断固として拒絶する態度もこうした母性的原理の普遍性に基づいており、

血縁という心情や民族の愛国主義を問わず、全てを包み込み優れた共感能力が特に賞賛されることなどもその一例である。

特に女性社会の国家間では隣国同士の対立は好むところではなく、同様に同朋や動物を傷つけることも特に厳しく罰せられるなども重要な特徴として挙げることができる。

博愛の気風こそまさに女性社会の時代の特徴というべきものであり、その点に私たちはあらためて「グレイトマザー」の持つ豊かな心情を認めることができる。

女が失われるとともにいっさいの平和も地上から失われるように、女性たちが歴史から学ばなければその核心にある歴史的事実を見失うことなく、歴史から太古の生活の特徴や意味を継承することができるのである。