久しぶりに、とうふ屋さんの製造部長であるHさんのライブコンサートに行ってきました。彼のお店の売り場の様子です。
ここしばらくは、仕事が忙しく、ライブ活動がままならなかったようですが、新しく参加したバンドのメンバーとして活動を再開したので、とのお誘いを受けました。いきつけの店の忘年会や、かつてのライブなどで、彼の卓越したギターの演奏技術、ジャンルの広さには、敬服していましたので、喜んで足を運びました。
当然、彼の演奏ぶりを楽しみにしているんですけど、バンドの一員として、彼が、その技術、実力を発揮する「場」を与えられてるかどうかが、ちょっぴり気になっていた点。
もちろん、彼自身は、自分の演奏をやるだけ、と思ってるはずです。私の思いは、彼の実力のほどを、お客さんに存分に披露する機会が与えらればいいが、というだけの個人的なもの。
数年前、彼が別のバンドのメンバーとして、活動していた頃の話です。祭り会場、ライブハウスでのライブなど、何度か足を運びました。
そのバンドは、ヴォーカルを担当する男性がリーダーで、彼自作のカントリーフォークっぽい歌の合間に、トークが入る、という懐かしいスタイルです。
トークも歌も、リーダーである彼が中心の進行です。Hさんを含めて、ベースギター、バイオリン(フィドル)、クラリネットなどの楽器は、粛々とリーダーの伴奏を務めています。だけど、私にとっては、Hさんあってのライブなわけで、彼が裏方、黒子に徹してるように見えて、物足りない気がしました。
ジャンルは全く違うんですけど、ついジャズライブの演奏スタイルを、私は、思い浮かべてたみたいです。バンドには、それぞれのスタイル、方針があります。まして違うジャンルのことに、私みたいな素人があれこれ言うのは、僭越至極、的外れなのは承知のうえで、Hさんに思いを伝えたことがあります。
「楽器の演奏が、全体に地味な気がするなぁ。ジャズとかだったら、ソロのパートがあって、
プレイヤーも張り切るし、ファンも盛り上がるよね。伴奏とはいえ、楽器も、もうちょっと目
立っていいと思うけど・・・」
「僕は音楽とギターの演奏そのものが好きなので、演奏さえが出来れば、満足なんですよ」
「う~ん、Hさんのそういう謙虚なところが好きなんだけどさぁ・・」
そんな思い出に浸っているうちに、30人ほどのお客さんを前に、演奏が始まりました。
リーダーは、ヴォーカルを担当。ギターは、Hさんと、ベースの2本、それに、サックス、ピアノ、アコーデオン、ドラムというなかなか豪華なというか、異色の編成で、私的フォークのテイストの曲が中心のようです。
こんな編成だと、今日も、Hさん、地味めに終わるかな、と心配してたら、中程で、彼が、2曲続けて、ソロで、歌を歌うという趣向になっていて、驚くやら、嬉しいやら。
そのうち、1曲は、なんと彼自作の歌で、「とうふ屋の歌」
「朝の6時から~、夜の10時まで~」「16時間も働いて~」とのフレーズが、リフレインされる。私も、常々彼の店にとうふを買いに行って、その仕事ぶりを見てるから、「そうだろうなぁ」と思わず、頬が緩む。生活感溢れるというか、仕事感がいっぱいの歌詞と歌いっぷり。
(ちゃんと、残業代払ってもらってるのかぁ~)そんな心配もアタマをよぎります。
どうやら、バンドのリーダーも、彼の実力は認めているからこその「扱い」のようで、十分に目立って、私も満足です。(句会をサボって)足を運んだ甲斐がありました。
若い女性のサックスは、ジャズっぽい演奏ぶりで、自然と目立ってましたが、ほかのメンバーの扱いは、ちょっと地味め。ドラムは、若い女性でしたが、リーダーの真後ろで、座っての演奏だから、せっかくの熱演ぶりがよく見えず、気の毒。
各プレイヤーの技術レベルは高く、演奏も楽しめたのですが、来てくれてる友人、知人たちへの心配りとして、ひとりひとりを、もう少し際立たせる演出があってもなあ、と、ふと感じました。
メンバー紹介の時に、自分の楽器で、得意の1フレーズ、2フレーズくらい演奏させる、歌を皆んなで分けて歌う、ひとりひとりにトーク(来てくれた知人への挨拶、お礼程度でも)の時間を割
くなど、それなりに花を持たせる工夫はありそうだけど・・・
考えてみれば余計なお世話で、サラリーマン的発想かな、とも思い直して、ひとり苦笑いしてましたが、コンサートの後半は、手拍子も出て、盛り上がりました。演奏が終わって、知人のひとりひとりに声をかけ、送り出すHさんの満足そうな笑顔が脳裏に残っています。
いかがでしたか?次回をお楽しみに。