さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

雨中待聲

2018年05月26日 | 現代詩
 今日は詩をひとつ。

雨中待聲                     さいかち真

   さみだれの雲間の軒のほととぎす雨にかはりて声の落ちくる  慈鎮『玉葉集』より

狙って 狙われたところに
それが来るはず

でも 君らをどうやって助けたらいいのか
私を カイカワレ ウリウリラレ 
取引に出て行く 
わが娘よ 息子たちよ
克つために…

君らが狙ったところに きっと来る
香ばしい一杯のコーヒー
のような通知
それがきっと 来るはずであったのだが
届けられたものは
雨あられのような銃弾とガス弾だという
そんな西の国もある

ほとどきすの声にまぎれて
露にまみれた知らせが きっと来るはず
木の間を抜けて あかるい小窓の
光またたくほとりまで 
待つことにしよう 
雲間よりほととぎすの声とともに
届くはずのものを



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