さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

たまには政治のはなし 訂正

2016年05月25日 | 政治
 最近同日選が取沙汰されているけれども、私なりに予測を立てると、選挙民もばかではないから、自・公の政権維持は変わらず、安倍さんも続投ということになるのではないかと思う。その一方で、衆議院で与党が三分の二を獲得することはたぶんできないだろうし、野党は共産党の微増と民進党の現状維持という結果になるのだろうと思う。勝利した側は勝利の実感が薄く、負けた側は負けても次への期待をつなげるという結果だ。もっとも参議院は念願の過半数を超えるかもしれないが、これは参議院だけでやっても同じ結果になると思う。それで、みすみす減るはずの与党の衆議院議員にしてみれば、これは冗談ではないだろう。

 そうして、与野党ともに引っ込みがつかなくなっているТPP条約の批准に関しては、アメリカの大統領選の結果待ち、ということで、今は誰も真剣に考えていない。けれども、クリントン政権になって、クリントン氏がやっぱりТPPはやりましょう、ということになったら、本邦国会もあわてて追認の腰を上げるというわけで、そうなったら強行採決も辞さず、消費税同様既定の方針です、ということになるわけなのだろう。選挙の後に上げるだけの話である。つまり、国民は朝三暮四の猿だ。

 そこで問題になるのは、ТPPの協約の細かな中身なのだ。すべてが国民の前に本当に明らかにされているのだろうか。A氏は、交渉の会議の席上でいったい何を約束したのか?それが言えないから、「辞任に追い込まれた」かたちになっただけで、本当は本人が一番やめたかったのではないかと、私などは推察し、かつ同情している。あれだけ抵抗できたということは、よほどA氏は清廉潔白な政治家だったのだ。最後は妙な記録つきの「収賄場面」の演出をした連中にしてやられたけれども、私はA氏を攻撃する「清潔な」地球防衛隊みたいなひとびとの気が知れないと思っている。
 国家の権益の根幹を危機にさらすような条約の関係者になるなんて、誰だっていやだ。日露戦争の時の小村寿太郎ほどの覚悟があったとしても、一人で背負い切れるものではないだろうと思う。

 そもそもТPPの話題を先送りにして、消費税導入の時期に争点を移していること自体が、与野党ともにうさんくさい。すでに選挙のことで頭がいっぱいなのだろうが、「不信任決議案」自体が、与野党合作の(無意識の)筋書きなのではないかと私は思う。なんだか腐った55年体制の匂いがする。膨大な国費を無駄にしてこんな茶番劇をしている暇があったら、その分の予算を熊本城の修理代にでもした方がよほど後世のためになるというものだ。というわけで、私は衆参同日選挙には反対である。

※これは、いやになって消してあったのだが、いまみると当たっていたし、2018 四月二十日に見直して、もう一度出すことにした。



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