さいかち亭雑記

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水道法 感想 

2018年12月08日 | 政治
 4日に水道法の改正案が参院を通過した。入管法の攻防の陰になってしまったが、こちらも大きな問題である。もしも大きな災害があった時に、民間業者は、値段に転嫁しないかたちできちんと元通りに水道というインフラを回復できるのだろうか。

 先の種子法廃止といい、日本の国益の根幹を損う政策を次々と打ち出していっている安部政権というのは、いったい誰の味方なのだろうか。

☆ 2月15日に追記。 その後「毎日新聞」の2月13日のオピニオンで、

宮城県知事 村井義浩、
東洋大教授 根本祐二、
水ジャーナリスト 橋本淳司

の三氏による意見を読んだ。今後水道法について議論する時には、いい叩き台になる紙面構成である。
安部首相に提案・進言したのは村井義浩である、ということだ。「宮城モデル」が実験の先鞭をなすと言っている。

〇 改正水道法が外資の食い物にならなければいいが、と国会で心配していたのは、山本太郎である。
村井氏は楽観的にすぎるのではないか。もしくは自分の現場のことだけしか視野に入っていないので
はないか。私の近所では、社民党の議員が水道法を問題にして活動をはじめている。事後の反対、と
いう感じがしないでもないが、廃止された種子法も含めて、言い続けることは大事だろう。政権がか
われば、元に戻すこともできるかもしれないし。

〇 水道に関しては、名著『日本のリアル』(PHP新書)のなかで養老孟司と対談している畠山重篤のよ
うな人の意見も私は聞いてみたい。この対談で畠山氏が示唆していることは、ダムと水道をセット
にする考え方の変更である。

この本には、衝撃的な記述があった。

「実は、昨年、とんでもないものを見ました。世界遺産の白神山地に行ったのですが、あそこの岩木
川をずっと遡っていくと、だんだんブナが多くなって、ああ、きれいだなと思ってさらに進んでいく
と、その奥の方で津軽ダムという巨大なダムをつくっているんです。白神山地の喉仏にあたるような
場所にです。
 白神山地は世界遺産として守ると言いつつ、その奥ではダムをつくって森の養分を止めてしまう。
この国はそういう国だったのかと思いました。」(132ページ)

 植物は窒素やリンを取り込むために、微量の鉄分を必要としている。山の枯葉は、その腐食する過程でフルボ酸を生み、それが鉄イオンと結びついてフルボ酸鉄となった時に植物が鉄を吸収しやすくなる。
それをダムでせきとめてしまうと、そこから下に山の栄養分がいかなくなる。これは海も同じで、ダム
が川にあると、海に山の栄養分がいかなくなる。

 上流のダムは、山を栄養不足にし、海も栄養不足にする。小田原では1954 年まで年間60 万匹もとれ
たブリが、いまは年間に600匹しかとれない。「なぜかというと、丹沢の川から相模湾に流れ込む三本
の川がすべてダムで止められてしまったからです。」

 



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