一か月先の気温だとか・・・
散歩コースの河津桜がこれでもか!っていう感じで咲いています。
晴れ渡る空に飛行機雲
「飛行機雲二本交叉す春の雲」 (田川飛旅子)
ツバキ
ハクモクレン
咲き出しました。
モクレンの花を見ると・・・庄司薫の小説「白鳥の歌なんか聞こえない」冒頭のシーンが浮かびます。
主人公の薫クンが幼友達の由美っていう名の、かなり気の強い気まぐれな女の子と、「近所の家の庭に咲く、季節季節の花を二人で一緒に見にいく」という儀式をする場面があります。そこに登場するのが「斎藤さんちのモクレン」なんですね・・・
「白鳥の歌なんか聞こえない」の冒頭シーン
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たとえば三月十五日頃に彼女が嬉しそうにそわそわした様子でやってきたのを見て、ぼくが「何が嬉しいんだい」なんてきいたとすると、彼女は「斎藤さんちのモクレンが咲いたの」なんて、まあなんていうか、そりゃもう実にしあわせそうな顔をして言ったりするんだ。
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そして、3月19日、二人で見に出かけます。
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ところで、今年は三月に入って四日と十二日と二度も大雪が降ったりしたせいか、由美がホクホクやって来て、ぼくを斎藤さんちのモクレンを見におびき出したのは三月十九日だった。大快晴なんて言葉があるのかどうか知らないけれど、朝から素晴らしいお天気で、朝の十時というのに二階の東南向きのぼくの部屋はポッポとあたたかかった。そして僕はもう勇ましく半袖のポロシャツになって頑張っていたのだけれど、たまたま机から離れて窓から外をと眺めていたら、向こうの西島さんの角を曲がって由美がやってくるのがうちの塀の端のユズリ葉とビワの木の間から見えたのだ。彼女はからだにぴったりした白いタートルネックのセーターに、濃いブルーのミニスカートをつけて、まっ白なリボンで前髪を抑えて、白いペチャンコ靴をはいて、手をうしろかなんかで組んじゃって、なんとなく幼稚園のお遊戯でアヒルの真似をするようなかっこうで、ひと足ひと足うなづくみたいにリボンを振りながらのんびりと歩いてきた。これは彼女が相当にご機嫌な証拠で、ぼくは思わず窓をあけて、アメリカ映画なんかのイカすおニイちゃんみたいに口笛でも吹いてやりたいような気持ちになったのだが結局のところやめた。そしてぼくが何をやったかというと、実際には大あわてでさっさと窓を離れ、相当に真面目な顔をして机に向かって鉛筆なんかにぎっちゃって、拡げたノートの上に大きなアヒルのマンガなんかをゆっくりと画き始めた、っていったようなだらしない次第だった。………(略)………
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小さな家がゴチャゴチャと立ち並ぶ東京下町育ち、庭のある家も少ない所にいました。
この小説のように、ほかの家の庭を見て回るなんて、叶う環境ではありませんので、ちょっとあこがれました・・・
その憧れとモクレンが結びついているんでしょうね。ハクモクレンだけはちょっと違う花に感じます。
今は・・・小説の高級住宅街の庭木を塀越しに見上げるという訳ではありませんが、奥さんと一緒に散歩でほかの家の庭を見てまわり、薫くんと由美ちゃんのようにハクモクレンを見上げたりしていますので、随分年月を要しましたが、少しは実現してますかね・・・\(^o^)/
庄司薫の小説が出たのが1969年、社会に出たばかりでした、今読むと若かったあの頃を、ちょっとほろ苦い感じで思い出します。
フキノトウ・・・薹が立ちました。
昨日はキチョウでしたが、今日はモンシロチョウ
カルガモ
馬酔木・・・昨日はピンボケでしたので、リベンジ
ボケ
沈丁花
コブシ、ようやく鳥に食べられていないのが咲きました。
では、今日の続きは、また明日(^ _ ^)/~~
散歩コースの河津桜がこれでもか!っていう感じで咲いています。
晴れ渡る空に飛行機雲
「飛行機雲二本交叉す春の雲」 (田川飛旅子)
ツバキ
ハクモクレン
咲き出しました。
モクレンの花を見ると・・・庄司薫の小説「白鳥の歌なんか聞こえない」冒頭のシーンが浮かびます。
主人公の薫クンが幼友達の由美っていう名の、かなり気の強い気まぐれな女の子と、「近所の家の庭に咲く、季節季節の花を二人で一緒に見にいく」という儀式をする場面があります。そこに登場するのが「斎藤さんちのモクレン」なんですね・・・
「白鳥の歌なんか聞こえない」の冒頭シーン
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たとえば三月十五日頃に彼女が嬉しそうにそわそわした様子でやってきたのを見て、ぼくが「何が嬉しいんだい」なんてきいたとすると、彼女は「斎藤さんちのモクレンが咲いたの」なんて、まあなんていうか、そりゃもう実にしあわせそうな顔をして言ったりするんだ。
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そして、3月19日、二人で見に出かけます。
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ところで、今年は三月に入って四日と十二日と二度も大雪が降ったりしたせいか、由美がホクホクやって来て、ぼくを斎藤さんちのモクレンを見におびき出したのは三月十九日だった。大快晴なんて言葉があるのかどうか知らないけれど、朝から素晴らしいお天気で、朝の十時というのに二階の東南向きのぼくの部屋はポッポとあたたかかった。そして僕はもう勇ましく半袖のポロシャツになって頑張っていたのだけれど、たまたま机から離れて窓から外をと眺めていたら、向こうの西島さんの角を曲がって由美がやってくるのがうちの塀の端のユズリ葉とビワの木の間から見えたのだ。彼女はからだにぴったりした白いタートルネックのセーターに、濃いブルーのミニスカートをつけて、まっ白なリボンで前髪を抑えて、白いペチャンコ靴をはいて、手をうしろかなんかで組んじゃって、なんとなく幼稚園のお遊戯でアヒルの真似をするようなかっこうで、ひと足ひと足うなづくみたいにリボンを振りながらのんびりと歩いてきた。これは彼女が相当にご機嫌な証拠で、ぼくは思わず窓をあけて、アメリカ映画なんかのイカすおニイちゃんみたいに口笛でも吹いてやりたいような気持ちになったのだが結局のところやめた。そしてぼくが何をやったかというと、実際には大あわてでさっさと窓を離れ、相当に真面目な顔をして机に向かって鉛筆なんかにぎっちゃって、拡げたノートの上に大きなアヒルのマンガなんかをゆっくりと画き始めた、っていったようなだらしない次第だった。………(略)………
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小さな家がゴチャゴチャと立ち並ぶ東京下町育ち、庭のある家も少ない所にいました。
この小説のように、ほかの家の庭を見て回るなんて、叶う環境ではありませんので、ちょっとあこがれました・・・
その憧れとモクレンが結びついているんでしょうね。ハクモクレンだけはちょっと違う花に感じます。
今は・・・小説の高級住宅街の庭木を塀越しに見上げるという訳ではありませんが、奥さんと一緒に散歩でほかの家の庭を見てまわり、薫くんと由美ちゃんのようにハクモクレンを見上げたりしていますので、随分年月を要しましたが、少しは実現してますかね・・・\(^o^)/
庄司薫の小説が出たのが1969年、社会に出たばかりでした、今読むと若かったあの頃を、ちょっとほろ苦い感じで思い出します。
フキノトウ・・・薹が立ちました。
昨日はキチョウでしたが、今日はモンシロチョウ
カルガモ
馬酔木・・・昨日はピンボケでしたので、リベンジ
ボケ
沈丁花
コブシ、ようやく鳥に食べられていないのが咲きました。
では、今日の続きは、また明日(^ _ ^)/~~