1ドル100円突破、さらに下落 4年1カ月ぶり 2013.05.10
【ニューヨーク支局】9日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、午後に入りドルを買って円を売る動きが急速に強まり、一時、1ドル=100円台に下落した。円相場が対ドルで100円台をつけるのは2009年4月以来約4年1カ月ぶりとなる。
ニューヨーク市場の午後5時(日本時間10日午前6時)現在は、前日比1円59銭円安ドル高の1ドル=100円55-65銭。その後も100円台後半で値動きしている。
ニューヨーク市場に先立つ東京市場やロンドン市場では、98円台後半の取引が続いた。ただ、米国で朝方に発表された週間の失業保険申請件数が2008年1月以来、約5年4カ月ぶりの低水準になったことから米雇用情勢の改善への期待が高まり、ニューヨーク市場で円は99円台に下落。その後も徐々に円売りドル買いの動きが強まり、一気に1ドル=100円の節目を抜けた。
円相場は、第2次安倍晋三内閣が発足した昨年12月26日には1ドル=85円台だった。ただ、日銀が世の中に供給しているお金の量(マネタリーベース)を2年間で倍増させることを柱とした新たな金融緩和策を発表したことなどから円安が加速。9日に100円の大台を突破したことで、安倍政権の発足から約4カ月で対ドルで15円もの円安が進んだ。
市場では、日銀の新緩和策を背景に円の先安感が根強く、欧州債務危機の再燃など世界経済の急変がなければ円安基調はしばらく続くとの見方が多い。「今年末にかけて、1ドル=107円前後まで円安が進む可能性がある」(国内信託銀行)との声も出ている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます