欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

しずかな気持ちが

2008-10-28 | poem
女の子が町を見渡せる高台から花びらをはなち。
花びらは町の方へと飛んでいき、はらりと散らばった。
麦わら帽子を飛ばされないように手でおさえて、雲の群を見上げていた。
あたたかな空のむこうに、大好きな天使の顔を描いていたから。

幼い頃におぼえた唄を口ずさみ、車窓から見える花畑をじっと眺めていた。
動いていく山や木々、田や畑をぼんやり見過ごしながら、青年はそのむこうに動かないなにかを見ようとしていた。
黄色く色づいた花畑を眺めていると、心の中のもうひとりの自分がささやいている気がした。
そこにあるのはわたしと同じ美しさだと。まだ気づいていない内なる魅力の扉をひらけと。
青年は知らない町へ行く不安が起こした、ただ幻想だと思っていた。

不思議な出来事はいつでもわたしに大きな意味をもたらしてくれる。
その意味をひとつひとつ探求していくのも生き方。そのまま素通りするようにやり過ごしていくのも生き方。
夜眠りについたまぶたのむこうに、広い夜空を感じることができたなら。
それを心に受け入れて。大いなる威厳を、胸の中に宿せるように。
いろんな可能性が本来の道筋が、明るく照らされるように見えてくるから。
日常にまどわされない、ひとりしずかな気持ちが奇跡を呼び寄せるのだと。