北アルプス中央部の三俣蓮華岳のさらに西方にある、すっぽりと雪を被った広大な台地状の高原は、「雲の平」。その名の通り雲沸く天上の原っぱで、この豊富な雪がとけるころ、足元には高山植物が咲き乱れ、まさに天上の楽園となる。そして雲の平の奥、南西方向、巨大なカールを抱く特異な山容を見せるのは、黒部五郎岳(2840m)である。巨大なU字谷を両腕の如き2本の山稜が抱えるような姿をしている。カールの底には羊群岩やモレーン(堆石)がある。大きな岩がゴロ、ゴロ?(五郎)した場所が山名の語源である。
猛々しい槍・穂高の峰々とは対照的に、三俣蓮華岳(2,841)、双六岳(2,660)は、ふっくらとした、たおやかな山容である。生クリームをかけたような滑らかな山腹は、見ていて心がなごむ。
槍・穂高連峰から続く主稜線は、ここから、後立山連峰と立山連峰に分かれる。長野県、岐阜県、富山県の3県の境の山であり、黒部川、高瀬川、高原川の源流ともなっている。
高山植物が咲き乱れる山として知られ、この豊富な残雪の融けるのを待つようにして、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、チングルマなどの花の群落が山を覆う。
槍・穂高連峰から続く主稜線は、ここから、後立山連峰と立山連峰に分かれる。長野県、岐阜県、富山県の3県の境の山であり、黒部川、高瀬川、高原川の源流ともなっている。
高山植物が咲き乱れる山として知られ、この豊富な残雪の融けるのを待つようにして、シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、チングルマなどの花の群落が山を覆う。
「日本の屋根」、穂高連峰の4つのピーク(前穂、奥穂、西穂、北穂)、そして槍が一望のもと、壮大な景色が広がる。
今年のゴールデンウイーク期間中、春山登山の「穂高・槍」への入山者は4000人を超えるという。
この時期、涸沢カールの涸沢ヒュッテ横には白一色の雪面に色鮮やかなテント村が出現する。
美しい白銀の峰々ではあるが、反面、春山は短い周期で天候が変化し、吹雪になることもある。雪が緩み、雪崩の危険もあり油断はできない。
焼岳、霞沢岳、穂高岳に囲まれた標高1,500mの谷、上高地では、4月27日、北アルプスに観光シーズンがやってきたことを告げる「上高地開山祭」が、梓川にかかる河童橋の前で開かれた。今、上高地は芽吹きの季節を迎えている。カラマツやケショウヤナギの清々しい新緑が谷を埋めるのも間近だ。これから11月15日の閉山式を迎えるまでの7カ月、登山客や観光客でにぎわう。
松本盆地上空より、北アルプス南部の山々を見渡す。暖冬といわれた冬ではあったが、2,000mを超える山肌(画面左上より乗鞍岳、霞沢岳、焼岳、蝶ヶ岳、明神岳)は、まだ豊富な雪に覆われている。晴れわたった皐月の空に、残雪のコントラストが美しい。