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残雪招くよ!早春の北アルプス (7) - 有峰湖

2009-05-10 | 中部
北アルプスの霊峰薬師岳に連なる山々の清流を集め、満々と水をたたえた面積5.12平方キロメートルの大人造湖「有峰湖」。常願寺川の支流、和田川の源流に位置し、昭和34年に完成した人造湖だ。ダムの底にかっての有峰村が眠っている。
地名としては元来、山奥にある水源地という意味で「うれ」と呼び、漢字で「有嶺」と書かれていたが、「憂い」に通じるとして、「有峰(ありみね)」に改名されたのだという。
古くは、この標高1,000mの地には高原盆地が形成されており、戦いに敗れた落人が隠れ住んだ場所ともいわれている。厳しい自然環境の中、少数ながら、薬師岳を信仰し、ヒエ、ソバ、ワラビ粉をつくって慎ましく生活していた集落の人々であったが、有峰ダム建設に伴い離散。昭和3年に廃村になった。ダムは盆地への入口である地点に建設され、巨大な人造湖・有峰湖が誕生した。総貯水容量では、山を隔てて東に隣接する黒部湖(黒部ダム)よりも大きい。