Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

沈黙の碧い海 - 長崎市外海

2009-05-31 | 九州
 
 「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです」

長崎市街地から北部に約10Km、角力(すもう)灘に面した場所に長崎市外海町(そとめちょう)がある。
ここは「隠れキリシタンの里」であり、キリスト教の文化が色濃く残る町である。
この外海町に明治12年に主任司祭として赴任してきたフランス人宣教師マルコ・マリ・ド・ドロ神父は、深い人類愛をもって、貧しく質素な生活を強いられていた外海の人々のために一生を尽くした。出津(しつ)教会を建て、変岳の開墾を指導し、イワシ綱工場を建設、保育所の開設、ド・ロ診療所の設立、上浦上水道の建設などの多くの事業を起こし外海の人々と一緒に働き、魂の拠りどころとしてキリスト教を布教した。
また、外海町は遠藤周作の小説『沈黙』の舞台となった場所。『沈黙』は1966年に発表さ、谷崎潤一郎賞を受賞しベストセラーになった。遠藤周作は、こよなくこの地を愛し「第二の故郷」と言っていた。
出津文化村には「沈黙の碑」があり、冒頭の一節が刻まれている。