ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

心の通う会話

2011-03-25 22:34:46 | Weblog
今月末で、派遣契約が切れる人の動きが慌ただしい。
昼休みの話題は、どこにどんな仕事が転がっているか、だったり、
とりあえず外注の仕事をもらった、だったりで、
やっぱり女性はたくましいと思う。
キラリと光る見栄や牽制も面白い。

たいてい、派遣会社の営業の男性はボロクソに言われる。
仕事がおそい、間違いだらけ、人の話を聞いていない、など。
派遣で働く人は女性が多いし、女性は女性らしい心配りを期待するから、
確かに、派遣会社の担当さんは女性の方がありがたい。
会社で上司にするなら、私は男性がいい。
でも、派遣会社の営業は女性がいい。これは、ある意味で真理だと思う。

さて、同僚の派遣さんと2人で話す時間が少しあった。
彼女は私より少し年上で、家が少し遠い。
要介護状態で入院している母親がいて、少しボケ始めた父親と暮らしている。
今日、母親が介護施設にうつることになったので、終業時間すぐに帰り、
手続きをすると話していた。

彼女に、はじめて、私の母も14年間、植物状態だったと話した。
だから、もしまだ母が生きていたら、
今回の大震災、余震、そして停電、
私も心配で気もそぞろになっただろうから、
彼女もいろいろと気苦労が多いだろうと心配していたので、話せてよかった。

一言二言、少し話しただけで、
同じ介護の経験をもっている人なら、わかることがある。
周囲の人の何気ない一言に、ものすごく傷ついて自分をせめたり、
いろんなことがあっても、でも親だから愛したいと思ったり・・・。

両親が元気なときに、仲違いや衝突があったとしても、
それは、相手が人間としての機能を失って行く過程で心が通じなくなり、
すれ違って行くのとは、根本的に違う。
私の両親の年齢なら、ふつうは、まだ重度の痴呆にはなっていない。
だから「わかる~。私も親と仲が悪いからさ~」という同世代の人の相づちは、
苦笑に近い微笑を浮かべて流すしか方法がない。

ぽつぽつと彼女と話し、励ましているつもりが、
なんだかすごく私の気持ちが落ち着いた。
そしてなんだか、自分に自信をもった。
そうだった。あの日々を乗り越えてきたんだった。