ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーCADの職種分類って・・・・

2008年03月06日 | ジュエリーよもやま話
ちょっと前のことですが、ネットサーフィンしてましたら、たまたまこんな広告を見つけました。

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ジュエリーCADオペレーター募集

ジュエリーデザイナーさんの描いた絵を図面データに起こす
お仕事です。CADソフトの種類は問いません。
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んーーー???なんじゃそれ。 (さっそく食いついた・・・・)

ほかにも、大手企業さんのサイトで、”デザイナー”、”原型制作者”、とは別に”CAD技術者”、という項目がある求人ページを見ました。

ただでさえ、分業工程の多いジュエリー業界に、さらにまた1つ新しい職種が増えるのかしらん???

  

建築・工業の世界では、設計士やデザイナーとCAD技術者は完全分業です。私はかなり前に、会社の業務関係でNIxxANのデザインルームの方々とお仕事をしたことがありますが、カーデザイナーとCADオペレーションとNC(造形)は別の部門でした。今は、CADオペレータは、派遣業からの人材供給が多いようで、時給いくら、と切り売りの形態が主流のため、在宅やフリーランスで活躍する方も多いようです。

企業におけるジュエリーCADの技術者はどういう方向性にあるのでしょう。

工業の現場と同様に、ペーパーデザイナーと原型制作者の間に位置するもの?

たった1行の求人広告から、いろいろな疑問がわいていきます。

まず、”CADオペレーター”がつくったデータをそのまま造型機にかけて、鋳造することができるのでしょうか。

多くは、ジュエリーデザイナーの描く絵は、経験のある原型職人さんが絵にはかかれていない細部を補って、見た目のよさだけでなく、耐久性と装着性を備えるジュエリーの構造を作り出しています。
余談ですが、ひどい”自称”ジュエリーデザイナー(申し訳ないけど、芸能人とか他業種系のヒト)はほんとに幼児の落書きみたいなレベルのものをよこして、”ここのハートは、ぷっくりした感じでぇ~”などと口頭でわけがわからんことを言う、と知り合いの職人さんがこぼしていました。(でもそこが彼の腕の見せ所!下手な絵ほど張り合いがあるとのこと。)

さらに、指入れが滑らか、ひっかかりがない、見た目より軽い、などといった装着性についても、特にデザイン画に指示がなくても職人さんは、経験と勘で理想形にしていきます。
そこまでCADでやろうとすると、ソフトにAI機能が必要になってきます。

原型職人さんのプロセスを排除して、その工程をCADに置き換えようとしているとしたら、CADオペレータがジュエリーの作りをかなり把握していないと、造形したワックスなり樹脂なりを鋳造前にチェックして、補正する人が別途必要になるのでは・・・。

  

すでに建築・工業の世界がそうですが、『CADオペレーター』、、、というと、仕事の範囲が限定され、Creativeの部分は別の人がやる、というイメージがあります。(印象だけでなく、実際の現場がそうですが。)

ジュエリー業界においても、大手企業さんは、ジュエリーの不況下において、効率化(少量多品種生産・開発サイクルの短期化)を目指していると思いますが、なんでわざわざ人材募集時に『CAD技術者』を他の職種と分けてしまうんだろうか?と思います。

たぶん、ジュエリーの会社の新卒さんって美大や服飾orジュエリーの専門学校などのクリエイティブ系の学校を卒業した人が多いと思いますので、”CAD技術者”といってもぴんとこないのではないかと・・・。

いま、日本のジュエリーCADの世界は、専門職が出現するというところまでいかず、まだ、もやもやしたボーダーライン、という感じで、デザイナーや原型職人が補助技術として採用するというのが現状ではないかと思います。

華やかなイメージのジュエリーの世界で、”CADオペレーター(技術者)募集”なんて色気のない言葉ではなく、採用企業さんは、せめて

『CADもできるジュエリーデザイナー募集』、とか、
『原型制作者(CADが出来る人、大優遇!)』

といった表現にしたほうがよいのではないかと思います。

(あくまでも個人的意見です。)


春の予感♪ ピンクシルバーのお花リング

2008年03月03日 | ジュエリー作品&試作品
以前、ジュエリーCADでつくったリングを見た人から、今度は『このデザインで、ゴールドで作って欲しい』というリクエストをいただきました。(これまでもサイズ違いで何本かオーダーを頂戴いたしまして。。。。嬉しいです。)

ちょっと待てよ、金・プラチナの暴騰ぶりは皆さんもご存知の通り・・・・。

ジュエリーCADだと、体積やそれぞれの金属での重量までわかりますので、今の相場で計算してお値段を提示してみますと、

『・・・・・・。(沈黙) やっぱ、シルバーにするわ。金メッキかけてもらえるかな?』

やれといわれればやりますけど、個人的にメッキは好きじゃないのよね~。 かけたばかりのときは綺麗なんだけど、特に金メッキは時間が経つと、剥げたり変色してしまうので、いずれポイってことになる・・・。

てなわけで、ゴールドの代案として『ピンク・シルバーはどうでしょうか?』と提案してみました。人に提案しつつ、私自体、このデザインでピンクシルバーにしたら、どんな感じになるのか見当がつかないもので、”もし作ってみてお気に召さなければ、買っていただかなくても構いません”と言って、やってみることにしました。(ちょうど私の右中指と同じ号数だったので、気に入らんと言われたら私が貰うつもり・・・)

シルバーは、通常はジュエリーとして使う地金は、硬度・強度を保つための割り金として、銅やパラジウムを7.5%混ぜます。すると純銀率が92.5%、ということは、925/1000、つまり皆さんご存知のスターリングシルバー、Silver 925となるわけです。ピンクシルバーは、着色のために割り金の量を多めにして、銅を増やしたり金を混ぜたりして、やわらかなピンク調の色彩を編み出します。その割合は企業によって異なり、色合いも様々です。

私の依頼したキャスト屋さんでは、店頭に鋳造後のイメージがわかるサンプルがなかったので、冒険するしかありませんでした。し・か・も、地金代は、シルバーのなんと3倍!!!うひょー。たぶん、技術料もあるでしょうし、割り金に入っている金が高いからでしょうかね。
 
で、吹き上がったばかりのものをみたところ、一見、ピンクシルバーとわかりませんでした。『これ・・・あの・・・・。』店員さんがニタっと微笑みながら、『磨くとわかりますよ』と言うので期待に胸を膨らませつつ・・・・。

んーーー???   あ、、、あら?  か、かわ・・いい・・かも?

磨き上げて、シルバーと並べてみると明らかな色の違いが確認できました。ホッ。”ピンクゴールド”の派手なピンクのイメージが頭にこびりついていたのですが、ピンクシルバーは落ち着いていて温かみがあり控えめなお色です。
 


ほのかに、桜色に染まっているという感じの色味です。

指につけてみると、しっくりと肌色に良く馴染みます。ゴールドのような派手さはないけれども、シルバーとは思えないとてもエレガントで上品な印象です。この色味なら、お洋服を選ばないし、他がゴールドのジュエリーでもケンカしません。

友人にも無事に気に入っていただけました。むふっ。展示用と自分用にまた吹き増しした次第です。

(でもシルバーはシルバー。お手入れはきちんとしてくださいね。)


撮影モードを変えて、上下逆にしてみした。
光の種類や光線の加減で色合いが微妙に変化します。
(注意深い方は気づかれたと思いますが、
この2点、横から見たデザインを若干違えています。)

ピンクシルバー、マイブームな予感・・・・。(でも高い。)


展示会詐欺

2008年03月02日 | ジュエリーよもやま話
今日はちょっとおっかないお話です。

あるジュエリー作家の方が大変な目にあったエピソードです。知人からのまた聞きなので正確ではないかもしれません。

しかし、この手の話を聞くのはこれが実は2人目なのです。1人目は数年前に直接、被害に遭ったご本人から聞きました。2人目の話があまりにも状況が似ており、二人とも個人で経営している作家さんであるということ、”展示会”というキーワードという共通点があったので、まさかと思いました。
 
  

被害に遭ったデザイナーさんは、自営のアトリエで企画デザインから制作まで手がけている男性です。量産系ではなく、一点物のフルオーダーを中心に活動していらっしゃいます。この男性を仮にAさんとします。このAさんに、ある日、ジュエリー小売会社のバイヤーと名乗る人から連絡があり、いきなりまくしたてました。

「わが社のお客様は、ほぼ9割がリピート顧客ですので、デザインにうるさい人が多いのです。デパートに売っているような、ちょっとやそっとの平凡なデザインのジュエリーではお客様の御眼鏡にかないません。A先生は、まさに私どもが長年探していたデザイナーさんなのです。Aさんの作品を是非わが社でも販売させていただきたいのです。ぜひ一度お会いできませんでしょうか?」

「なぜ、僕の作品や連絡先を知っているのですか?」

「実は、身分を隠して、先生の個展を拝見しました。もう一目惚れしてしまいました。日本ジュウリーデザイナー協会の会員名簿にも掲載されていらっしゃるので、先生なら間違いないと確信した次第です。ぶしつけで大変申し訳ありません。」

さっそくAさんは、その方に誠意を感じて直接会うことにしました。会ってみると、相手は若い女性で、しかも美人。ジュエリーや業界の知識が豊富で、疑う余地がないほどだったそうです。

その女性は、会社の紹介の後、「半年後にお得意様だけの特別展示即売会があるので、ぜひそこで先生の新作を発表させてください」と、展示会の招待パンフレットを見せました。Aさんは快諾して詳細な打ち合わせが始まりました。その後はその会社の立派なオフィスの応接室で展示品の企画について、念入りなミーティングが数回行われたそうです。

Aさんは半年後に開かれる展示会のために、他の仕事をすべて断って、渾身の力を込めて展示会用の15点ほどの作品を制作し、その会社に納品しました。もちろん事務所に直接行って納めたそうです。

納品後、Aさんは、たまっていた仕事をやっつけなければならないので、展示会には行きませんでした。

ところが・・・・

展示会が終わり、数日を過ぎても、担当者から連絡がありません。Aさんは不安になって、担当者の携帯と会社に電話で連絡を取ってみた所、いずれも
 
「この電話番号は現在使われておりません。」・・・・・。

嫌な予感がしたAさんは事務所に直接行ってみました。事務所の看板はなくなっており、もぬけの殻になっていました。まさか・・・・。
あとは皆さんのご想像どおりです。

もし、Aさんが展示会場に見に行っていたとしても、気づくのが早いか遅いかの違いだけだったでしょう。

会社がいったん作品をお預かりし、売れた分の代金を後日支払う約束になっていました。売れ残った分は相談の上、会社が買い取るか、返品するか決めるということになっていたそうです。もちろん委託販売の契約書類、預り証、展示品の明細票も発行されましたが、架空の会社では、ただの紙くずです。

その展示会は”富裕層が対象”、との触れ込みだったため、もちろん制作したのは、高級ジュエリーで、高価な宝石代や地金代も貯金を使い果たしての持ち出しです。個人経営なのに、あまりにも痛すぎます。



偽装のオフィスを借りたり、会社案内や展示会の招待状(それには過去の展示会の盛況な様子まで写真に載っていた。)まで作ったりして、これは単独ではなく組織犯でしょう。

どんな詐欺罪でも同じことがいえますが、”向こうから来た美味しい話には気をつけろ”、ということしかないですね。・・・というか、そんな高額商品の委託販売は危険すぎます。いったん全部買い取ってもらい、売れなかった分を返金・返品する、それなら被害が食い止められたでしょう。(ごめんなさい、私、宝飾の販売はまるでシロウトですんで、業界のジョウシキをしりません。)


ねねのシッポが大変だ!

2008年03月01日 | ねこの話
ねねのシッポがすごいことになりました。

上は、ねねがあまりにまとわりついてきて、ねねを危うく踏みそうになり、うぎゃー!と(私が)叫んだ瞬間の写真です。
(ねねの顔も驚愕している)

普段のねねのしっぽはこんな感じ。


指でしっぽの先端をさわると鉤(釣り針)状に曲がっており、その部分を覆う毛が少し膨らんでいて、志村ケンのバカ殿のちょんまげ風。

ち なみに、こういうシッポを『カギシッポ』と呼ぶそうです。奇形だと嫌がる人もいるようですが、私は可愛いくて好きです。


それが私の悲鳴とともに、瞬時にブワッとなった。



うぉっ、タワシみたいだ・・・

そういや、台湾リスだっけ、こんなしっぽのリスがいたな。

驚くと全身の毛が逆立つのかと思いましたけど、しっぽだけ逆立つこともあるという新しい発見でした。


紐、大好き~♪