ちょっと前のことですが、ネットサーフィンしてましたら、たまたまこんな広告を見つけました。
-----------------------------------------------
ジュエリーCADオペレーター募集
ジュエリーデザイナーさんの描いた絵を図面データに起こす
お仕事です。CADソフトの種類は問いません。
-----------------------------------------------
んーーー???なんじゃそれ。 (さっそく食いついた・・・・)
ほかにも、大手企業さんのサイトで、”デザイナー”、”原型制作者”、とは別に”CAD技術者”、という項目がある求人ページを見ました。
ただでさえ、分業工程の多いジュエリー業界に、さらにまた1つ新しい職種が増えるのかしらん???

建築・工業の世界では、設計士やデザイナーとCAD技術者は完全分業です。私はかなり前に、会社の業務関係でNIxxANのデザインルームの方々とお仕事をしたことがありますが、カーデザイナーとCADオペレーションとNC(造形)は別の部門でした。今は、CADオペレータは、派遣業からの人材供給が多いようで、時給いくら、と切り売りの形態が主流のため、在宅やフリーランスで活躍する方も多いようです。
企業におけるジュエリーCADの技術者はどういう方向性にあるのでしょう。
工業の現場と同様に、ペーパーデザイナーと原型制作者の間に位置するもの?
たった1行の求人広告から、いろいろな疑問がわいていきます。
まず、”CADオペレーター”がつくったデータをそのまま造型機にかけて、鋳造することができるのでしょうか。
多くは、ジュエリーデザイナーの描く絵は、経験のある原型職人さんが絵にはかかれていない細部を補って、見た目のよさだけでなく、耐久性と装着性を備えるジュエリーの構造を作り出しています。
余談ですが、ひどい”自称”ジュエリーデザイナー(申し訳ないけど、芸能人とか他業種系のヒト)はほんとに幼児の落書きみたいなレベルのものをよこして、”ここのハートは、ぷっくりした感じでぇ~”などと口頭でわけがわからんことを言う、と知り合いの職人さんがこぼしていました。(でもそこが彼の腕の見せ所!下手な絵ほど張り合いがあるとのこと。)
さらに、指入れが滑らか、ひっかかりがない、見た目より軽い、などといった装着性についても、特にデザイン画に指示がなくても職人さんは、経験と勘で理想形にしていきます。
そこまでCADでやろうとすると、ソフトにAI機能が必要になってきます。
原型職人さんのプロセスを排除して、その工程をCADに置き換えようとしているとしたら、CADオペレータがジュエリーの作りをかなり把握していないと、造形したワックスなり樹脂なりを鋳造前にチェックして、補正する人が別途必要になるのでは・・・。

すでに建築・工業の世界がそうですが、『CADオペレーター』、、、というと、仕事の範囲が限定され、Creativeの部分は別の人がやる、というイメージがあります。(印象だけでなく、実際の現場がそうですが。)
ジュエリー業界においても、大手企業さんは、ジュエリーの不況下において、効率化(少量多品種生産・開発サイクルの短期化)を目指していると思いますが、なんでわざわざ人材募集時に『CAD技術者』を他の職種と分けてしまうんだろうか?と思います。
たぶん、ジュエリーの会社の新卒さんって美大や服飾orジュエリーの専門学校などのクリエイティブ系の学校を卒業した人が多いと思いますので、”CAD技術者”といってもぴんとこないのではないかと・・・。
いま、日本のジュエリーCADの世界は、専門職が出現するというところまでいかず、まだ、もやもやしたボーダーライン、という感じで、デザイナーや原型職人が補助技術として採用するというのが現状ではないかと思います。
華やかなイメージのジュエリーの世界で、”CADオペレーター(技術者)募集”なんて色気のない言葉ではなく、採用企業さんは、せめて
『CADもできるジュエリーデザイナー募集』、とか、
『原型制作者(CADが出来る人、大優遇!)』
といった表現にしたほうがよいのではないかと思います。
(あくまでも個人的意見です。)
-----------------------------------------------
ジュエリーCADオペレーター募集
ジュエリーデザイナーさんの描いた絵を図面データに起こす
お仕事です。CADソフトの種類は問いません。
-----------------------------------------------
んーーー???なんじゃそれ。 (さっそく食いついた・・・・)
ほかにも、大手企業さんのサイトで、”デザイナー”、”原型制作者”、とは別に”CAD技術者”、という項目がある求人ページを見ました。
ただでさえ、分業工程の多いジュエリー業界に、さらにまた1つ新しい職種が増えるのかしらん???



建築・工業の世界では、設計士やデザイナーとCAD技術者は完全分業です。私はかなり前に、会社の業務関係でNIxxANのデザインルームの方々とお仕事をしたことがありますが、カーデザイナーとCADオペレーションとNC(造形)は別の部門でした。今は、CADオペレータは、派遣業からの人材供給が多いようで、時給いくら、と切り売りの形態が主流のため、在宅やフリーランスで活躍する方も多いようです。
企業におけるジュエリーCADの技術者はどういう方向性にあるのでしょう。
工業の現場と同様に、ペーパーデザイナーと原型制作者の間に位置するもの?
たった1行の求人広告から、いろいろな疑問がわいていきます。
まず、”CADオペレーター”がつくったデータをそのまま造型機にかけて、鋳造することができるのでしょうか。
多くは、ジュエリーデザイナーの描く絵は、経験のある原型職人さんが絵にはかかれていない細部を補って、見た目のよさだけでなく、耐久性と装着性を備えるジュエリーの構造を作り出しています。
余談ですが、ひどい”自称”ジュエリーデザイナー(申し訳ないけど、芸能人とか他業種系のヒト)はほんとに幼児の落書きみたいなレベルのものをよこして、”ここのハートは、ぷっくりした感じでぇ~”などと口頭でわけがわからんことを言う、と知り合いの職人さんがこぼしていました。(でもそこが彼の腕の見せ所!下手な絵ほど張り合いがあるとのこと。)
さらに、指入れが滑らか、ひっかかりがない、見た目より軽い、などといった装着性についても、特にデザイン画に指示がなくても職人さんは、経験と勘で理想形にしていきます。
そこまでCADでやろうとすると、ソフトにAI機能が必要になってきます。
原型職人さんのプロセスを排除して、その工程をCADに置き換えようとしているとしたら、CADオペレータがジュエリーの作りをかなり把握していないと、造形したワックスなり樹脂なりを鋳造前にチェックして、補正する人が別途必要になるのでは・・・。



すでに建築・工業の世界がそうですが、『CADオペレーター』、、、というと、仕事の範囲が限定され、Creativeの部分は別の人がやる、というイメージがあります。(印象だけでなく、実際の現場がそうですが。)
ジュエリー業界においても、大手企業さんは、ジュエリーの不況下において、効率化(少量多品種生産・開発サイクルの短期化)を目指していると思いますが、なんでわざわざ人材募集時に『CAD技術者』を他の職種と分けてしまうんだろうか?と思います。
たぶん、ジュエリーの会社の新卒さんって美大や服飾orジュエリーの専門学校などのクリエイティブ系の学校を卒業した人が多いと思いますので、”CAD技術者”といってもぴんとこないのではないかと・・・。
いま、日本のジュエリーCADの世界は、専門職が出現するというところまでいかず、まだ、もやもやしたボーダーライン、という感じで、デザイナーや原型職人が補助技術として採用するというのが現状ではないかと思います。
華やかなイメージのジュエリーの世界で、”CADオペレーター(技術者)募集”なんて色気のない言葉ではなく、採用企業さんは、せめて
『CADもできるジュエリーデザイナー募集』、とか、
『原型制作者(CADが出来る人、大優遇!)』
といった表現にしたほうがよいのではないかと思います。
(あくまでも個人的意見です。)
ただ単に、CADが使える人がほしいだけなんじゃ・・・。
デザイナーや原型士はいっぱいいるから。
って受け取りました。私は。
最近では、機械系でもよくある話ですが、
設計者・デザイナーとCADモデラーさん
は全く別の職種で、
コンビで仕事するなんてのよくあることですし。