ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

金・プラチナの高騰について思うこと・・・ その1

2008年03月11日 | ジュエリーよもやま話
ジュエリープロダクションに関わる多くの人にとって最大の関心事は、金・プラチナの高騰ですよね。

この地金高騰をテーマに3回のシリーズで書いてみようと思います。

なぜ、地金が高騰しているのでしょうか?そして、この高騰はいつまで続くのでしょうか?地金はもう二度と値下がりすることはないのでしょうか?
   

ここからちょっと難しそうな話になりますが、どうやら今回の地金の高騰の原因は、

・サブプライムローンの破綻で米国の証券市場が冷え込んでいることと
・米国のインフレ基調・ドル安にあること

が大きく関係しているようです。なぜ、米国の経済の状況が地金の相場と関係してくるのでしょうか?
 
マクロ経済的にはですね~(大昔に国政経済学を専攻してたのでいちおうかっこつけてみたけど、とっくに忘れたしホントはよくわかってないです)、えっとなんだっけ?そうだ、金融市場の変化には法則性があって、しかも歴史は繰り返されていて、大ざっぱにいえば、経済の不安材料が増えると、『価値のたしかなものに人々の興味の対象が移る、ということが言いたかったんでした。

1980年ごろのオイルショックや中東の政情不安で一時期金が6000円台にも暴騰し、その後反落して2000年に1000円台まで落ち、そして米国同時 多発テロやイラク戦争が起こった2001年頃から、またじわじわと上がりはじめて来たそうです。(金相場の変化は、中東・オイル・米国、がキーワードのよ うです。)いずれも大きな不安材料が相場と連動しています。

ようするに、戦争や恐慌など、何かがきっかけで世の中が不安になると、株とか債権とか紙切れ一枚になってしまうかもしれない金融商品ではなく、やっぱり”ブツ”が信用・安心できるということで、みんなが現物市場に投資したがるということなんでしょうね。その人気商品が原油だったり、貴金属だったりするということです。

そして、”サブプライムローン”という大爆弾が米国経済に大ダメージを与えて人々を不安に落としいれ、世界経済のけん引役といわれてきたアメリカ自身の経済がコケてしまったので、世界中の投資家がこりゃ大変だ!、と暴落の恐れがある金融商品から、こぞって、現 物取引(先物取引)に投資対象をスィッチしちゃったということです。(もはや加熱しすぎて、投機、とも思える暴騰ぶりですが・・・)

そして、ついに金は3000円台、プラチナは7000円台を突破してしまったというわけです。


(本文とは全然かんけいないっす。文字だけで寂しいので・・・)

これでだいたいの相関関係が見えてきたと思いますが、
もう少しお話しますと、とくにサブプライムの場合は、GEやCitiBankなどの大企業や大銀行の経営を揺るがすほどの巨大なマネーの投資先でした。そのお金が石油とか金・プラチナのような小さな市場に向かうと、(つまり、我も我もと皆が買いたがる)当然、相場は高騰するんですね。たとえるなら、小さな池には見合わないほどの大勢の釣り客がいる状況、という感じでしょうか。
 
   

今はアメリカ経済はドンゾコですから、まだしばらくは上がり続けるかもしれません。しかし、長期的には金価格の上昇は未来永劫続くものではなく、いずれ米国経済が復調し、株や不動産などの信用が回復すれば、地金の値段も下がるという見方をするエコノミストが多いようです。(まあ、その波は、3年後とか5年後というスパンだと思いますが)

楽観視している評論家の間では、金・プラチナの高騰は、実際の需給とは連動していない不健全・不自然な価格形成であり、投資家の矛先が別に向かえばいずれ落ち着いてオーガニックな(つまり本来あるべき)取引に戻るだろう、と考えられています。その間に大きな戦争とかテロとかが起こらないことが大前提ですが・・・。 

そして、ロシアや中国の動向が、今後のカギを握ると言われています。あれだけ広大な土地をもってますから、さまざまなミネラルの未発見鉱脈がたくさんあるといわれており、そこに巨大マネーと採鉱技術が投じられれば、新たな鉱脈がわんさか出てくるかも・・・。

・・・なので、『もっともっと上がってしまって、ついには手に入れられなくなるかもしれない!』といった不安や焦りから、むやみやたらと地金を買いだめする必要はないんじゃないかな、と思います。

毎日の相場に一喜一憂するのも精神衛生に悪いですしね。 とりあえず、必要最低限な地金をこまめに買って様子見をするに限ります。