ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

よい製品とは、優れたアフターサービスを提供している製品である

2008年03月26日 | ROSE POSYのひとりごと

今日はちょっとジュエリーの話をはずれてしまいます。ジュエリーブログと謳っているのであまりテーマからはずれたくないのですが、ジュエリーにおける『ものづくり』と共通点がたくさんある、”ソフトウエア”について取り上げたいと思います。

ライノセラスでジュエリーCADを学んでいる中で、最も悩まされるのが”ブール演算”です。上の画像は、前にも書き込みしましたが、私がよく遭遇する、『おばけサーフェス』つまり、ブール時に意図しないおかしな面が張られてしまうトラブルの様子です。

私の通うラヴァーグジュエリースクールでは、違うやり方でエラーを回避する方法をいろいろ教えていただいたのですが、好奇心旺盛なROSEYは、そもそもなぜそうしたエラーが起こるのか?なぜお化けが出るのか?もっともっと原理を詳しく知りたくて、ライノセラスの日本総販売代理店のアプリクラフトさんに、サポートを要請しました。

私がまずライノセラスを買ってびっくりしたことが、ユーザー登録をするとメールで日本語サポートを回数制限なしで無料で受けられることでした。パッケージ・ソフトウエア業界の常識では考えられない手厚いサービスです。

  

たいていの一般的なソフトウエアは、サポートにはお金を取られます。インストール時のサポートは無料なところもありますが、たいていは
『1インシデント(1案件)○円』といった感じで、質問1つあたりいくら、で払うか、あるいは年間サポートを契約して一括で払う仕組みが普通です。

世界最大の某ソフトウエアメーカーでは、大企業向けのサポートサービスとして、障害やバグを報告すると、エンジニアがサイトに駆けつけ、一般公開されるよりも早くバグのパッチを作ってお届けするプレミアムなサービスを提供しており、そのサービスに年間何千万円も払ってる企業があるんです。”バグ”っていわば欠陥じゃないですか。欠陥をネタに金取るのか!って思います・・・。



ライノセラスは、コンシューマー向けではないとはいっても、インダストリアル系では相当なライセンス数が出荷されていますし、私のような初心者の質問は答えてもらえなくてもしょうがないとダメモトでメールをしてみました。すると、数日後にアプリクラフトのライノサポートチームから、びっくりするほど長文の丁寧な回答が送られてきました。

しかも、障害を起こした私の制作データを使って、解説のための画像や、参照すべき情報ソースなどもたくさん添付されてきました。
以下が送っていただいた解説補助用の画像の一部です。
説明なしでは何の画像だかわけわかんないと思いますが・・・。

 





私のデータをかなり緻密に診断してくださり、いったいどの段階でどうしてそうなったか、またどうすれば解決できるかが、明確に示されていました。しかも専門的用語を極力避けて、わかりやすい言葉で説明いただけたので、よく理解することができました。正直、あまり期待していなかっただけに。個別コンサルティングともいえる厚遇に、大感激でした。

メールでいただいた説明のほかに、英語ですがノウハウ満載のWiki情報などの参考情報のありかも教えていただき、これらもとても参考になりました。ここまで親切にしていただいて、アプリクラフトのライノサポートチームの皆さんには本当に頭が下がる思いでした。

要するに、ライノセラスのバグではなく、ライノの特性と制限事項を私がよく理解していなかったために起こったトラブルなのでした。ソフトウエアは人間が作るものなので、人間と同じようにクセもあるし苦手なこともあるし、抜けもあるし、キレることもあるのです。”この人はこういうことを言うとキレる”、という法則性がわかっていれば、すべてがつつがなく進行するわけです。

  

コンピュータ・ソフトウエアというのは、その進歩と向上のペースつまり、アップデートの頻度が速ければ速いほど、サポートレベルの高さがそのソフトの完成度といっても過言ではありません。どんな高機能のソフトウエアでも、サポートが悪ければ価値は半減します。

よいソフトウエアの評価基準は、見た目のかっこよさや便利さ、機能面だけではありません。売った後、ユーザーが困っているときにどれだけ支援できるか、そして障害時のアフターサービスが万全である、ということがとても大切です。

IT業界だけでないと思いますが、ハードでもソフトでも、新規購入を検討するお客さまはすぐにマルバツ表(スペックや機能の比較表)を作りたがります。しかし、機能と価格だけで選んだお客さんは大抵、その買い物に失敗しています。鳴り物入りで登場した商品なのに採算が取れないからといって、あっというまに撤退し、短期間でサポートも終了、造りっぱなし・売りっぱなしという、”乱開発”は後を絶ちません。

繰り返しになりますが、ソフトウエアはアップデートの頻度とサポート体制が真のクオリティといえます。長年ユーザーを大切にする哲学を持っている企業の証拠であり、おそらく買って正解と思います。


(★告白★ ROSEは大学卒業後、12年間システムエンジニアとしてソフトウエアの開発をしておりました・・・・。今は完全に足を洗っております。)