つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

寒空に旭と蜜柑と津幡町。

2011年11月17日 23時13分01秒 | 自然
2日続けて秋晴れとなった津幡町。
なかなかに冷え込む朝、庭先の「温州蜜柑」に向けてシャッターを切ってみた。
近づいてみると、清々しい香りが鼻腔をくすぐる。
日に日に落葉が目立つ街路にあって青々と葉を茂らせ実りを結ぶ様子は、
頼もしく逞しく感じた。

蜜柑は、日本生まれの可能性が高い柑橘である。
諸説あるが、江戸初期の鹿児島で、偶然発生したと考えられているようだ。
しかし、ネーミングの「温州」は中国の地名。
海の向こうにおける柑橘の名産地にあやかったらしいが、
一方、欧米での呼び名は「サツママンダリン」や「サツマオレンジ」。
本家の面目躍如といったところか。

ところで、昭和の冬の定番風景は「コタツでミカン」だろう。
日本の家屋は、伝統的に高温多湿な夏対策を第一にしていたため
機密性が低く、すき間風が入りやすい造り。
昔は、部屋全体を暖める程の十分な燃料が手に入りにくかったから、
部分的に暖をとる「こたつ」が生まれた。
足を暖めると、体中の血液が足の方へ集まり、頭への血液量が少なくなる。
すると、脳に供給される酸素や栄養が減って、働きが低下。
つい、瞼が重くなる。
そんな時、眠気覚ましをしてくれるのが蜜柑。
木箱や段ボール箱から明るい橙色の果実を取り出し口に含むと、
爽やかな酸味と、心地いい甘味が頭をスッキリさせてくれた。
平成に比べ物流が滞っていた昭和の冬…。
糖分とビタミンを補給できる蜜柑の存在価値は、高かったのである。
コメント
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