つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町に残るオールドファッションド。

2011年11月06日 21時16分57秒 | 日記
きのうの朝、散歩の行先はJR中津幡駅方面。
これまでの投稿の中でも触れてきたが、ここは七尾線の無人駅。
周辺住民の皆さんと、津幡高校生が主な利用客だ。
その簡素な駅舎傍にて懐かしく不可思議な佇まいの店舗を発見。
それが「冒頭の一枚」である。

看板はなく、店名は分からない。
一見、民家のように思えるが、一階の大きな硝子戸の向こうには、
幾つかの陳列ケースが並んでいた。
例えばコレ。

 

写真中央、木枠製・ガラス天板の中に収められているのは馬蹄形磁石。
NとS、2つの極が接近しているために磁力を保ちやすく、
互いの磁場の違いを判別しやすい為、学校の教材として用いられる。
U字の頂点に紐を結び、校庭や草原を引きずり歩いて屑鉄を吸着。
砂鉄を敷いた紙の上に置いて、磁力線の形状を確認など…
僕も、馬蹄形磁石で様々な実験を行ったものだ。

隣の陳列ケースには、青いビニールの真ん中に雄々しい鷲のマーク…
小学生時代にお世話になった、三角定規。
その下には、三菱鉛筆ユニのダースパッケージ。
ユニ鉛筆を手回しの鉛筆削りで削った時の木屑の香り。
尖った芯を定規にあてて動かした時に生まれる黒鉛の粉と臭い。
うむむむ…何とも郷愁を誘う組み合わせである。

目線を移すと、これまた懐かしの逸品が。

 

セメダインCだ。
セメントと、力の単位・ダインを組み合わせた造語がブランドネームになった
日本生まれのオリジナル科学接着剤。
大正時代から販売が始まり、今も歴史は途絶えていない。
戦艦や戦車に戦闘機…プラモ作りには欠かせないパートナーだった。
黄色いチューブから接着剤を押し出した時のケミカルな匂いが思い出される。

更に、すっかり色褪せた玩具の箱が。

 

日清・日露戦争の影響を受け、詰め将棋を元に考案された軍人将棋である。
大将・中将・少将・大佐・中佐・少佐・大尉…工兵からスパイまで、
ピラミッド型になったミリタリーのヒエラルキー。
戦艦・戦車・飛行機・地雷など、武器アイテム。
21世紀の今と比べれば日本にとって戦争が身近だった昭和の空気の中では
妙にリアリティがあったっけ。

ところで、この店は営業しているのだろうか?
次に訪れた時は、勇気を持って引き戸を開けてみるとしよう。
コメント (4)
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